メンタルにゅーすVol.105

メンタルにゅーすヒエダ

 

薬の飲み合わせ

 

2012年  Vol.105

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関 編集 SAM

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E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL  http://members.jcom.home.ne.jp/s-cil/

 私は43歳の頃から人間ドックやCIL下関に就職して健康診断を毎年受けています。自分自身、身体には自信を持っていましたが寄る年波には勝てません。色んなところの不調が出てきました。まず腰は、19歳のときに椎間板ヘルニアの手術をしました。これまでCIL下関での9年間で、1年に1,2回腰痛(ぎっくり腰)で仕事を休んでいました。左右の足の感覚が違います。坐骨が痛くなったりします。この腰痛は、家で1週間くらい安静にしていれば、落ち着いてきます。最近では、整形外科に診察・処置しても直る日にちは同じなので、家で安静にしています。私の腰痛はテーブルの上から紙一枚を取ろうとしたり、咳やクシャミをしただけで腰が痛くなります。特に、介助に入っている人はスケジュールに穴が開くと大変なことになりますので気をつけて下さい。腰痛予防に腰痛体操というのがあります。ここまでは、「薬の飲み合わせ」とは話が違いますので本題に戻します。

 私は、38歳のとき生卵や青魚を食べるとアレルギーが起きて蕁麻疹(じんましん)になったりしていました。食べ物によるアレルギーは大人になるにしたがってなくなりました。抗精神病薬を服薬していると副作用がありました。例えば、便秘、手の震え、足の痙攣、目が釣る(眼球上転)などその他沢山あります。「メンタルにゅーすヒエダ」の中にVol.2に「薬の副作用」やVol.8「抗うつ薬の副作用」がありますので目を通してください。「薬の副作用」も薬のこと、副作用のことを勉強しているとなんということもないですが知らないと当事者には辛く恐ろしいです。何せ、脳の病気ですから薬の飲み合わせで調子が悪くなると私は非常に怖いです。

 私は大きな病気といえば、椎間板ヘルニア、統合失調症、胆石(胆嚢切除)などですが、私自身、風邪を引いて病院に行くと必ず聞かれることがあります。「アレルギーの有無、何の薬を服薬しているか、罹患している病名」等です。それは問診に書いてありますので答えます。さて、何故問診として「アレルギー、服薬している薬」、などを病院にいけば聞かれるのでしょうか。薬は飲み合わせで、命に関わるような状態になったり・ケンカしたり・効能がなくなったり様々な症状が出て来ます。私は、そういうことが恐ろしいので「お薬手帳」を持ち歩いています。何か、調子が悪くなったときに外出先で病院にかかるときがあれば、受付でお薬手帳を問診と一緒に提出するようにしています。

 私は、出張で知らないところ、知らない人が多いところに行くと幻聴と妄想が強く発現してくるので、そんなに頻繁には出張はしません。仕事上の事でそれが本などでは勉強できない場合は、仕方がないので出張します。大体、出張には1,2ヶ月の時間をとって精神的・身体的に体調を合わせています。私自身にとって難儀な時間です。ですから、山口を離れる仕事は、幻聴や妄想が増悪しますので辛い日々ですね。新しい知識を身につけるには仕方のないことです。このとき、幻聴・妄想対策に頓服・ウォークマンを使います。

 抗精神病薬は脳内の神経伝達物質を遮断する性質があります。例えば、ドーパミンという伝達物質は、統合失調症の患者さんは過剰に分泌されているようで、服薬により脳内のドーパミンの受容体にふたをして吸収されないようにします。受容体のふたにより吸収量が減ってきますので、精神症状も安定してきます。最近は、脳内のセロトニンとドーパミンの調節する薬も出回っていて、効能を発揮している非定型抗精神病薬もあるようです。

 私が「お薬手帳」を持ち歩くのがほぼ習慣化しているのは、薬同士が私の身体の中でケンカしているときは、私自身辛いからです。また、命に関わるようなことがあれば、私自身、長生きはしたいので心残りに思います。やっぱり、人間は、長生きしたいですね。私は自分の病気の安定と再発の防止のために薬と副作用の勉強をして主治医が処方した安全な用法・用量で服薬を守っています。

 皆さんに伝えたいのですが、薬は薬局で面倒でもお薬手帳を作ってください、そして必ず携帯してください。何かの事故や病気になったときに「お薬手帳」はその力を発揮します。全ては、あなた自身のことです。私は、常々考えていることがあります。毎年毎年歳をとって私たちは老化しています。私は、そんなに極端には、長生きの努力はしませんが、「お薬手帳」の携帯ぐらいで命が救われることもあるかもしれません。皆さん、お互いに長生きはしたいでしょう?いかがですか・・・・・・・・・・?

 私は、向精神薬の飲み合わせで辛かったことがあります。朝と昼と薬を飲み忘れたので夜にまとめて、夕食後に服薬しました。このときは、辛いというより薬が効きすぎて、19時に寝て翌日の15時まで寝ていました。このときは、薬が効きすぎて寝てしまったのでしょう。自分自身、この時のことは、薬を飲んで5から10分で寝てしまいました。翌日に起きたときは、今何時かと時計を見てびっくりしました。この時、向精神薬って怖いなと思いました。

 

【編集後記】

 脳の病気と心の障碍、脳の障碍と心の病気どちらが正しいのか、両方なのか片一方なのか、私には定かではありません。唯一分かっているのは、通院・服薬を守っていなければ、調子が悪くなるのは明らかなことです。通院・服薬だけでなく、3食の食事、規則正しい生活のリズムなど、その人の生活の中身までは介入できませんが精神病に良かれと思われる生活スタイルはあります。それらは、極端な努力の生活スタイルではありませんが、昼と夜が逆転している人を正常な生活リズムに戻すのは難しそうです。

 我々、人間には様々な生活スタイルがあると思います。どのスタイルで生きるかは、その人その人の自己決定で生きるのは、当たり前のことです。自分の病気と障碍を抱えて生きていくのは大変なことです。朝起きて、昼働いて、夜寝ることは我々人間には当たり前のことですが、自分一人で昼夜逆転を直すのは難しいですよ。就労では統合失調症の人は、人間関係が上手くとれず、職場の環境になれず、集中をコントロールできません。しかし、我々精神の当事者はまず服薬と食事、睡眠をコントロールして下さい。少しずつ段階を追って、それらをコントロールして、自立生活に繋げていって下さい。

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