メンタルにゅーす11 メンタルにゅーすVol.11

メンタルにゅーすヒエダ

障害者自立支援法

 

200512月  Vol.11

発行責任者 SAM

地域生活支援センターヒエダ

Tel(0832)-51-6161

FAX(0832)-51-6177

 

 

 

 

 

 2005911日衆議院議員選挙があり、「郵政民営化」だけを焦点のような小泉総理の発言、またマスコミもそれに乗せられた形でとりあげていました。今回、8月に小泉総理が衆議院を解散し9月に総選挙となり、郵政民営化関連6法案とともに廃案となった法案は55に上ります。その中に障害者自立支援法案がありました。「障害者自立支援法案」は参議院を先に通過し、1031日衆議院本会議で可決され「障害者自立支援法」となり20064月から施行されます。

 障害者自立支援法は身体・知的・精神の障害種別ごとに分かれていたサービス体系を一元化することになります。これまで障害者に対する在宅サービスなどの「支援費制度」の対象外とされてきた精神障害者も同じ制度が利用できるようになります。

 現行は所得に応じて負担額が決まる「応能負担」なのに対し、新制度は利用量に応じて負担する「応益負担」=定率負担(1割負担)に変わります。これはどのように精神障害者に波及してくるかというと@医療費一割負担(通院医療費公費負担の32条はなくなり、今までの2倍の医療費を払うようになります。またいわゆる「角福」の制度についても見直される可能性が検討されています。)A精神のホームヘルプ利用量の一割負担B授産施設などの施設利用料を払うようになるC障害者と家族が同居している場合は世帯単位で負担があるD訪問看護一割負担―と具現化されそうです。

 それでは、どのくらいの負担か福祉サービスの負担額の上限を表にします。医療に関しては、高額医療で上限があります。

表1.負担額の上限

収  入  形  態

負  担  額  上  限

 

生活保護

       0

 

低所得者1

 市町村民税非課税、障害者本人の収入が障害基礎年金2級相当【年額約80万円】以下

 

15000

 

低所得者2

 市町村民税非課税、3人世帯の場合で障害基礎年金1級【年額約99万円】を含めて年約300万円以下

 

24600

 

一般(市町村民税課税世帯)

40200

     但し、低所得者1について、所得に応じた更なる軽減措置も細部について調整中

 

 収入形態により負担額の上限が決められていますが大打撃を受けるのは低所得者1及び低所得者2の当事者はもはや一人暮らしはできないのです。また、低所得者1・低所得者2の人たちは生活保護を受けることをしないと生活ができないです。そのため、これらの低所得者を救済するためという明文で段階的に負担額を設定する見込みです。平均負担額は月800円から5倍前後に跳ね上がる見込みです。厚労省は「介護保険など他の制度と整合性をとった」としています。だがこの言い方には疑問があります。

 介護保険を利用している高齢者と障害者では事情が異なります。障害者には低所得者が多く、在宅サービスをみても利用料を払っている人は全体の5%にすぎません。負担増で利用を自主規制する人が続出しかねないのです。国は負担の減免を考えるといっているがどうなることやら・・・・・・

 世界中のどの国でもありえない法律が自立支援法というものです。所得の少ない障害者からたくさんの医療費・福祉サービスに対して利用量に応じてその1割を負担させる国はどこにもない、日本だけなのです。

 

【編集後記】

 私たち障害をもつ人には必ず2つの物が必要といわれています。ひとつは正確な情報、ひとつは他者との関係です。自分たちの置かれている状況を正確な情報により適切に判断実行しないといけません。また、同じような体験を持つ者同士が知識とそれを分かち合う気持ちを持つことです。かといって、私も含めて社会で生活している精神障害者の大多数は社会の中で目立たずひっそりと生活しており、受身の人たちが多いのが事実です。

 障害者自立支援法が来年4月に施行されます。そのため、厚労省は現在急ピッチで関連する身体障害者福祉法・知的障害者福祉法・精神保健福祉法・児童福祉法、障害者基本法を整備・修正しています。私たち精神障害者も声を大きく上げて社会に提言していかないといけないだろうと思います。今回の自立支援法は障害者にとっていい法律とは私には思えないです。厚労省は障害者の自立支援のための法律だといっていますが障害者の自立を阻害するする法律ではないかなーと思います。みなさんは、どうお考えですか?

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