メンタルにゅーすVol.117

メンタルにゅーすヒエダ

 

★統合失調症トピックス★

2012年  Vol.117

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

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世界初、統合失調症の貼り薬 大日本住友と日東電工が本格試験へ

産経新聞 727()1931分配信

 大日本住友製薬は27日、テープの粘着技術を持つ日東電工と共同開発している統合失調症の貼り薬について、患者を対象にした第2相臨床試験(治験)を始めたと発表した。有効性を検証したうえで厚生労働省の認可を受け、平成30年にも発売したい考え。大日本住友によると、統合失調症の貼り薬は世界でも例がないという。
 20年から経口タイプで販売している統合失調症薬「ロナセン」に貼り薬を加える。皮膚に貼って使うため、血液中の成分濃度を保ちやすく、経口剤と異なって肝臓などで代謝せず、高い効能が見込める。
 ロナセンの24年度売上高は前年度比3割増の130億円の見通し。貼り薬だけで年50億円以上の販売を目指す。健康成人を対象にした第1相臨床試験では、良好な経皮吸収性や安全性などを確認した。

精神障害者の雇用義務化を 厚労省研究会が報告書案 来年にも改正案提出

2012.6.26 15:16

  障害者の雇用の在り方を検討している厚生労働省の有識者研究会は26日、精神障害者の雇用を企業などに義務付けるべきなどとする報告書案を取りまとめた。障害者の社会進出をさらに促すのが狙い。7月に報告書を取りまとめ、早ければ来年にも障害者雇用促進法の改正案を国会に提出する方針。 現行の障害者雇用促進法は、民間企業に対し、身体および知的障害者の雇用率を全従業員の1.8%以上にするよう義務付けており、来年4月からは、この割合が2.0%に引き上げられることが決まっている。報告書案は、雇用義務の対象を精神障害者保健福祉手帳を持つ障害者に拡大すべきだと指摘。統合失調症や躁鬱病(そううつびょう)、てんかんなどの患者を対象としている。 雇用の義務化に当たっては、障害者が職場に定着できるよう企業や行政などが支援体制を構築していく必要性にも触れている。職場内で理解を得られるよう、適切な環境作りも求めた。 厚労省によると精神障害者がハローワークを通じて仕事を申し込んだのは約4万8千件(平成23年度)。精神障害者の雇用が義務付けられることで、障害者の就労が一段と進むと期待される。

統合失調症の治療薬の新たな条件を発見、米大学

226 AFP】幻覚剤LSDの脳への作用を研究してきたニューヨークのマウントシナイ医科大学(Mount Sinai School of Medicine)の研究チームは、統合失調症の治療改善をもたらす可能性のある新発見を24日の英科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表した。
  Stuart Sealfon氏率いるチームは、マウスを使った実験で、幻覚剤を服用した場合に影響を受ける神経経路および主な症状が、統合失調症患者のそれと極めて似ていることに注目した。統合失調症は、幻聴、他人が自分の心を読んでいるという幻覚、異常な興奮などの症状を特徴とする。
  LSDは、もともと神経・呼吸器系疾患の治療薬として1930年代後半に開発された。LSDを服用した場合、統合失調症患者と同様にセロトニン受容体がアンバランスな状態となり、これが原因で妄想や幻覚がもたらされる、
 実験の結果、研究チームはLSDが興奮性神経伝達物質であるグルタミンを抑制する受容体にも作用して特異な変化をもたらしていることを発見した。
 LSDを服用したマウスにグルタミンだけに作用する薬を服用させたところ、LSDの幻覚作用が中和されたという。
  Sealfon氏は、いわゆる「非定型抗精神病薬」の服用者の死体解剖の結果、セロトニンレベルは通常でもグルタミンレベルは低いことが示されていると指摘した上で、統合失調症の治療にはセロトニン受容体とグルタミン受容体の両方に作用する薬が必要だと主張している。
 世界保健機関(World Health OrganisationWHO)によると、統合失調症患者は200人に1人の割合で存在し、男性では10代後半から20代はじめにかけて、女性では20代後半から30代はじめにかけて発症することが多いという。(c)AFP

【編集後記】 今回、メンタルにゅーすVol.117は統合失調症に関連したトピックスを3つ掲載しました。1つめは、統合失調症の貼り薬で大日本住友製薬と粘着技術を持つ日東電工が共同開発している。発売は平成30年を目標にしている。皮膚に貼って使うため、血液中の成分濃度を保ちやすく経口剤と異なって肝臓などで代謝せず高い効能が見込めるようです。2つめは、精神障害者の雇用義務化を検討中です。雇用率を1.8パーセントから2.0パーセントに引き上げられるようです。3つめは、マウスにLSDを投与すると統合失調症のような症状(幻覚状態)が発現される。マウスにグルタミンだけに作用する薬を服用させると幻覚作用が中和されたようです。結論として、統合失調症の治療にはセロトニン受容体とグルタミン受容体の両方に作用する薬が必要なようです。

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