「障碍年金を受けている場合、働いて収入が多いと年金は減らされるのでしょうか。」
障碍年金は働いているという理由で支給が停止されることはありません。これは国民年金の加入中の初診の場合も、厚生年金保険に加入中の初診の場合も同じ取り扱いです。
20歳前障碍に係る障碍基礎年金は、本人の保険料納付に基づかない無拠出の年金給付であるため、本人の所得に基づく所得制限が設けられており従来は一定の所得を超えると、年金が全額停止されることとなっていました。
しかし平成6年改正によって、障碍者の就業意欲に配慮し、所得398.4万円(2人世帯)を超えても、所得500.1万円(2人世帯)以下の場合には年金額の2分の1相当額に限り停止とし、500.1万円を超える場合に全額支給停止とする二段階制とすることとされました。
当事者の方で就労して給与所得だけの場合は、年末調整後の「給与所得控除後の給与の金額」(源泉徴収票に記載されているはずです)に注目すればOKです。
その額が所得制限額にかかるか否かを見てください。障碍年金の請求ができるかもしれません。
所得制限が伴うのは、障碍基礎年金のうち、20歳前傷病を理由としている障碍基礎年金(= 国民年金保険料を支払わなくても(これを「無拠出制」と言います)、20歳から受給権があります。)のみです。
すなわち、所得制限があるのは20歳前に初診日がある障碍(たとえば、生まれつきの障碍や学齢期の障碍など)によるものだけで、20歳以降に初診日がある場合の障碍基礎年金(拠出制)は所得制限がありません。
また、障碍厚生年金には一切の所得制限がありません。
一方、障碍共済年金(公務員など)については、在職中は支給が停止され、1級・2級については、障碍基礎年金部分のみが支給されます。
また、もし障碍年金を申請するときは、請求した時から過去5年まで遡って請求できます。これを遡及請求といいます。
【編集後記】私の周りの当事者の皆さんは、何人か就労を始めてくると障碍年金を辞退する人がいました。私も、就職して仕事に自信がついたときに障碍厚生年金を辞退しようと精神保健福祉士に相談しました。そうしたら、年収が障碍年金の所得制限に該当しないので辞退する必要がないと教えてもらいました。私は、定年後老齢年金と障碍年金を選択するときが来ると思います。多分、その時に選択しなければなりません。私は、働いている事業所は厚生年金に加入していますので私も厚生年金に加入しています。年金を2つから1つを選択するとき選択肢が多いほうがいいのではないかと思い加入しています。
話は、飛びますが私たちが生きていく上でいろいろな制度を知っていないと世の中をうまく泳ぎ回ることができません。例えば、今は当たり前のように高額医療の手続きをしていますが、制度が施行されたときは知らない人も少なくはないと思います。また、生命保険、入院保険に加入していても手続きを本人や家族が保険会社に請求しないと保険金は入金されません。貴方は保険に加入していますので保険金の手続きをしてくださいとは保険会社はいいません。当事者の方から、保険会社に書類を請求して書き込み送り返し請求しないとお金は入金されません。また、市役所、県庁などに行って自分が困っていて、どうしたらいいかと訪ねてみたり、弁護士・社会保険労務士に相談してみてください。基本的に精神科のことで医療と福祉の専門家は精神保健福祉士(PSW)ですのでわからないことがあれば相談してみてください。
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