多くの当事者が抱えている問題は服薬の徹底だろうと思います。私は、未だに服薬がうまくいかないです。原因は服薬回数が多すぎます。4回目の入退院後、今は、朝・昼・夕食後、眠前と一日4回服薬しております。精神の当事者が自立生活を始めるには、確実に次に上げるものの管理ができるようにならねばいけないです。服薬管理・金銭管理、調理、健康管理、安全管理、衛生・整理・掃除・洗濯、対人関係等身に付けねばいけないことは、たくさんありますがここに上げたものをクリアできればいいのかなと思います。私は地域社会で自立するために、社会復帰施設の生活訓練施設援護寮ヒエダに入所して個別生活訓練を受けました。援護寮では精神のメンバーさんが気さくに声をかけてくれました。
私は、援護寮に3年弱入所していましたが、将来の自立を目指していましたので人が生活するには何が必要かよく考えました。衣食住、お金、服薬・通院、調理、掃除・洗濯・入浴等の徹底した管理が必要だなと考えていました。掃除や洗濯・調理などは介助をしてもらえばいいです。金銭管理は社会福祉協議会で代行してくれます。一定期間(例えば1週間ごと)で生活に必要なお金を自宅に持ってきてくれます。お金を預かりますのでお金の管理に保険をかけたり、自宅までお金を持ってきたりするので管理代が掛かります。いろんな方法・制度などを利用して地域社会生活が可能になりましたので心配することはありません。私がここに挙げた全てが完璧に実行できなければいけないと自立したときに考えていましたがそんなことはありません。完璧にできなければ自立できないと考える必要はありません。ただできればゆっくりと確実に訓練して身に付けていきましょう。
地域社会で自立していくために精神の当事者は服薬管理ができないといけません。服薬の徹底が状態の安定化と再発の予防をします。私は、今、服薬回数が4回ですが、服薬の趨勢として服薬回数が少ないほど良いと言われます。当然服薬を忘れるリスクが少なくなってきます。精神科病院に入院していると服薬の管理を看護師さんがしてくれているので状態が安定してくるのが当事者の皆さんは感じたことはありませんか。入院していれば状態を崩しても主治医がすぐに診てくれるので、極端に状態の崩れた当事者は、病棟にはそんなに多くはいません。また、退院後の地域社会での生活の中では一番大切な服薬の自己管理をしないといけません。訪問看護やデイ・ナイトケアなどを勧められます。地域の中で当事者が孤立しないようにデイ・ナイトケアで当事者同士の交流や規則正しい生活を崩さないようにします。訪問看護は、看護師さんが定期的に自宅に訪ねて、患者さんの様子を聴きながら、日常生活の中で困っていることについて、相談に乗ったり、必要な援助をする制度です。私は、訪問看護やデイ・ナイトケアなど利用したことはありませんが便利な制度がありますね。
服薬の徹底で私は、朝の薬を服薬すると午前中すごく眠くなることがありました。主治医に相談すると朝の薬を少し減薬してくれました。最終的には、朝と夕、眠前の3回になりました。朝の服薬が減るだけで飲み忘れが減りました。
服薬を1回減らすだけで、私にとっては冒険です。今安定している病状から薬を減らすのは皆さんも不安だろうと思います。私も不安です。今、私は、4回目の退院から6年目になります。おそるおそる薬を服薬しています。ちょっとしたトラブルで調子を崩します。服薬を長く続けていると自分自身が精神的に安定していることを実感します。今まで、入院の原因が服薬を忘れて調子を崩していました。服薬をしなくなると少しずつ状態が悪化してきます。病識が少しずつなくなってきます。私は、連れ合いとお互い声を掛け合って服薬をしています。お互いがお互いの調子を崩さないように確認して服薬をしています。
援護寮ヒエダにいた頃は、携帯用のドラッグケースを持ち歩いていました。食事の時は、テーブルの目に付くところに薬を置いて服薬していました。1週間のドラッグケースで確認をして、昼の服薬は携帯用のケースで管理していました。
服薬をするときには副作用の勉強をしてください。例えば、便秘・目が釣る・手の震え・昼間眠くなる・じっとしていられない・口が渇く・立ちくらみ・生理が止まる等メンタルにゅーすのVol.2に「薬の副作用」を読んでください。自分の身体に異常があればどんな些細なことでも主治医に相談してみてください。病気の症状や副作用の症状も勉強してください。Vol.69に「病気の症状と薬の副作用」があります。ご参考にしてください。メンタルにゅーすは当事者のみなさんが困った時の参考書になります。時々目を通してください。
【編集後記】
私が、下関の援護寮に来て、勉強になったことがあります。まず、服薬の大切さ、副作用や病気の予後、また、当事者同士のピアサポートには感謝しております。仲間同士で交流することは、私には寛解状態を継続するのに役に立ちました。以前、私は統合失調症を罹患して孤立していました。病を抱えて生きていくのに精神的に疲れていました。私が下関に来て仲間に感謝しているのは、ある当事者が教えてくれたことで病気と障碍に対処することを身に付けたり、あせらず・がんばらず・むりしないでぼちぼち生きていくことと服薬の遵守だと教えられたことです。私は、仲間の精神当事者が地域社会で生活しているのに、私自身励まされました。自分の人生を歩んで生きていく中で、絶えず緊張して生きていくのと・のんびりぼちぼち生きていくのと結果的にはどちらがいいのだろうと考えてみました。トラブルが起きることを心配して生きていくより、その時になって考えればいいとゆったり腹を据えて生きていくのがあります。私は、心配性です。しかし、自分の人生ですから自分が生きやすい生き方が一番いいのではないかなーと思います。もちろん、服薬は守って継続してください。
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