メンタルにゅーすVol.134

メンタルにゅーすヒエダ

画像

仕事が続く理由

2013年  Vol.134

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(自助会) 編集 SAM

Tel(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL    http://members.jcom.home.ne.jp/s-cil/

 私はCIL(自立生活センター)下関に勤務するまで3040くらい仕事をしました。病気と障害を持って仕事が続いたのは、家庭教師を6年、CIL下関の仕事が11年続いて今は勤務年数は記録更新中です。いままで、仕事は、23日、長くて1週間続くくらいでその後仕事が続きませんでした。CIL下関での仕事は、何故11年も続いたのか・・・・不思議です。以前住んでいた山陽小野田市と下関市で明らかに違うのは自分の障碍をオープンにして働いている事です。

 障碍者が上司で、同僚が精神障碍の私を快く受け入れてくれました。上司は、私が調子の悪いときは在宅就労を考えていると言われました。SAMが働きやすいように考えて下さいと言われました。私が、入社して心配したのは仕事が続くだろうかという事です。4ヶ月かけて1ヶ月目は週3日・2ヶ月目は週4日・3ヶ月目は週5日の915時、4ヶ月目は週5日勤務917時勤務と少しずつ仕事に体と精神を慣らしていきました。

 今思えば、私の仕事は思い悩みながら遅々として進んではいませんでした。しかし、上司は私が仕事を覚えるまで、また、自分で仕事を探して仕事を私が進めていけるようになるまで待ってくれました。私は、CILの仕事が最後の私のチャレンジでした。そんなに簡単に仕事を投げ出さないように続けて勤務しました。11年間のうち最初の5年間は、上司や同僚に私の罹患している統合失調症というものを啓蒙することに時間を費やしました。また、私の後に精神の当事者が続いて入社してくるかもしれません。私の後に続く人たちのために働きやすい職場であるように調子の悪い時の就労の仕方、休み方を考えていました。

 上司は、SAMが働きやすいように考えてくださいと任されました。@超短縮就労(912時)A短縮就労(915時)B時間差就労((1117)欝の症状が出たとき朝仕事に行こうか行くまいか葛藤があるとき)2時間くらい遅く時間差出勤をします。@〜Bより状態が改善しなければ2週間くらい休暇をとります。状態が改善してくれば、少しずつ勤務時間を増やして917時勤務に戻していきます。その他に休暇を願い出るときにどんな状態なのかと上司によく尋ねられることがありましたが、私としてもうまく説明できませんでした。そのまま、病気と障碍の症状、副作用など様々な状態になったりしました。

 CIL下関の仕事をやりながら病気と障碍に対処できるように薬の調整をしていきました。私の状態は、年を取るに従い重度になりました。残存した幻聴と妄想が1日に間欠的にあったのが、今は1日中覚醒時ずっと切れ目なく残存した幻聴と妄想の症状があります。定期薬と頓服・対処しながら仕事・生活を送っております。少しずつアガムの法則せらない・んばらない・りしない)でボチボチやっていきましょう。

 統合失調症を発病したときから20年間くらいは病気と障碍に対処できませんでしたが、下関に来て統合失調症の勉強をして、対処法を少しずつ身に付けることが、再試行の中で分かってくるようになりました。長い年月を送ってきました。下関にきてからの精神の当事者の仲間たち、友人、施設・病院の職員、職場の上司・同僚、たくさんの人たちに巡り合いました。順境なとき逆境なときもありました。そのなかで、私は、「何事も継続が大事」と痛感しました。どんなときも私は、自分の決めた道を継続して進んでいきます。進んでは後退し、また進み後退し、少しずつ進んでいきます。人生って自分の都合のいいように進んでいかないようです。四季を織り成す天候のように毎日毎日が違います。どんなことがあっても、自分に与えられた職責は全うしていこうと思います。多くを語らず、淡々と・ボチボチやっていきます。

 話を元に戻します。私の上司Kは頭のいい人で部下の一人ひとりにモチベーションを上げて仕事をするようにエンパワメントしています。一人ひとりの長短を考えながら部下の性格を考えながら接しています。部下の一人ひとりが仕事をうまく行えるように考えて考えて、分かりやすく教えています。ゆっくりと分かり易く・確実に・・・・人の上に立つ人は上手く人を動かすように考えているんだなと思います。リーダーとして部下を引っ張って行くのは大変だなーと思います。

 私は、健全なとき信じれる人は誰もいなかったです。人を信じて仕事ができるのは今の上司Kに巡り会ってからです。仕事の遣り甲斐を自らKは教えてくれました。いい上司・同僚たちに囲まれて仕事をしています。有難いことです。私は、精神の当事者です。CIL下関で上司のKに精神のことを聞かれたら即座に答えられるように、毎日朝早く起きて勉強をしています。私は、自分のことを冷静に観察すると、気の弱いおいちゃんです。私は、運動というより、地域社会での精神の当事者の生活に主点を置いています。病気と障碍を抱えながら対処したり、様々な制度を使って生活したりすることなど皆さんに伝えていきたいです。そして、病識をもって病気と障碍に向かい合って生きていける参考になればとメンタルにゅーすを編集しています。

【編集後記】

 私の年代になると、小さなころから「不言実行」という言葉が小学校・中学校などでその言葉がもてはやされたことがありました。まあ意味は、「誰かに言われてなくても良かれと思うことは黙ってやりましょう」というようなことです。私より一回り歳が違う人たちには「有言実行」という言葉がはやりました。意味は「皆に公言して行動すること」です。今の私は「不言実行」が染み付いているのかその意味通りに行動しますね。なぜか人に言われて行動すると私はやる気をなくす気がします。今は、何か指示を受けて行動するといやいややってしまうので、指示を受ける前にやってしまわないと悔しい気がします。ところが不言実行で動くと私は拙速になるのです。上手く私は実行できませんね。

 私は、CIL下関で仕事をする前に、いくつかKとお話をしました。一生兵隊で仕事をしたい。病気と障碍を抱えて仕事をするだけで精一杯ですから、役職になって部下を管理することができません。仕事は自分で考えて・探して進めます。私の仕事が誤った方向にずれているときは私の仕事を上司が止めて指示をしてくれます。仕事の進捗状況は、報告します。というように私は、精神関係の殆どの仕事を自分で考えて、必要があれば上司に報告・相談して仕事を進めています。

トップページに戻る