メンタルにゅーすVol.148

メンタルにゅーすヒエダ

画像

幻聴と妄想の状況

 

2013年  Vol.148

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

Tel(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL  http://members.jcom.home.ne.jp/s-cil/

 私には残存症状として幻聴と妄想があります。私の場合、幻聴が先にありその後に妄想があります。事務所に知らない人が来ると、幻聴と妄想が始まります。私の悪口の幻聴と被害妄想がタイムラグと共に始まります。辛いひと時です。彼らの話の中に私も入っていけばいいのですが、なかなか空気が読めませんし、関係のある当事者ではありませんので話の中には入っていけません。したがって、私は、彼らの話が気になって仕事どころではありません。お客様が、何度か事務所に来られている人だと幻聴も妄想も小さくなります。

 今は、人の声が聞こえると幻聴かと疑います。被害妄想もあれば、まず私は疑います。そして、頓服を服薬します。今私は、幻聴と妄想がセットで発現している中で、実況中継で皆様にお伝えしています。事務所にお客様がきて相談室に入ったので、実際の音も小さくなりました。以前の相談室は話の声が筒抜けでしたが、上司に話しましたら壁を作ってくれました。音は、殆ど聞こえなくなりました。先程、頓服を服薬して、40分近く経過しましたので薬が効いてきました。今は、幻聴も妄想もありますが、気にならなくなりました。私が、幻聴と妄想に対処する方法は次に示すとおりです。幻聴と妄想は、最初はタイムラグがありますが、そのうちに殆ど同時に発現してきます。

幻聴と妄想の対処の方法

1.  頓服を服薬する

2.  ウォークマンで音楽を聴く(幻聴より少し大きめの音で聴く)

3.  散歩をする

4.  本を読む(絵とか写真、漫画とか)

5.  「大丈夫、大丈夫」と唱える

6.  掃除をする

7.  部屋の整理整頓をする

8.  車でドライブする(ドライブしていると運転に集中して気にならなくなる)

9.  頓服は大体1時間前後で効きはじめるので落ち着いて待つ

10.          横になって、安静にしておく

11.          ボーっとしておく

12.          軽い運動(ラジオ体操など)をする

13.          寝る

 

以上が、私が幻聴や妄想のときに対処する方法です。私はこれらの方法で対処しても、幻聴と妄想が治まらなければ病院に診察に行きます。私は頓服服薬後、大体1時間以内には安定して幻聴も妄想も気にならなくなります。それと、頓服は主治医に用量・用法をよく確認して、服薬することですね。

 昔々、私が幻聴や妄想があったときは、何故声がするのだろう、考えが取りとめもなく頭の中から湧き出るように被害妄想があるのかと思いました。発病して退院して、まだ幻聴・妄想という言葉も知らないので私は不思議に想っていました。それが、23歳のときです。幻聴・妄想の言葉を初めて分かって、対処法を身につけようと考えたのが43歳のときです。20年間病気と障碍に苛まれていました。主治医に相談すると幻聴・妄想が残存していても、通院・服薬を守って社会生活をしている当事者は世の中にたくさんいるよと教えてもらいました。なかなか対処法を身につけるのは簡単でなく、私は10年近く時間が必要でした。私は諦めないで、様々な精神の当事者に相談して、自分でも考えてみたりして試行錯誤を繰り返しました。何とか、幻聴と妄想の対処法が13項目頭の中に整理されてきました。やはり、当事者からのアドバイスはああそーだなぁと納得すること然りでした。読者の皆さんも、残存症状の対処法を私の13項目と比較してください。ああこれがいいと納得することがあれば、それをパクッテ自分で試してみてください。別のことで対処している当事者は自分だけ独り占めにしないで仲間に伝えてください。残存している症状が病気のせいなら薬か注射、点滴などがあります。副作用(例えば眼球上転、手の震え、足がもそもそしてじっとしていられない場合)は、副作用止めの薬・注射・点滴などの方法があります。自分で出来る対処をして、状態が2時間経っても改善しなければ、主治医の診察を受けて処置してもらいます。まず、病気の症状と薬の副作用の症状か見極めてください。メンタルにゅーすのVol.69「病気の症状と薬の副作用」をもう一度ご覧になってください。結構役に立ちますよ。自分に発現する様々な症状が病気のせいか、薬の副作用のせいか分かりますので私は安心します。何も知らなければ不安で仕方ありません。

【編集後記】

 今回は、私の残存症状の幻聴と妄想の対処の仕方をお話しました。あくまで私の対処法です。皆さんも、自分なりの病気と障碍の対処法を考えてください。私は自分で13項目の幻聴と妄想の対処法を確立しました。皆さんにも、様々な対処法があると思います。対処法がなければ、私の対処法を試して下さい。役に立ちますよ。そして、自分なりのオリジナルの対処法を身につけてください。

 思い起こせば31年前、統合失調症を発病しました。病気のこと・予後・薬・制度・手帳その他様々のことを勉強して、下関に住んで12年が経過しました。私は、心を入れ替えて病気を抱えながら何とか対処をして生きてきました。様々な人達とめぐり合いました。そして、彼らと真摯に付き合い、私は人生のやり直しをしています。12年間の時間の経過が走馬灯のように記憶がフラッシュバックしています。病気と障害を持ったことで今の人生もまんざら捨てたものじゃないと思いました。それでは・・・・・また・・・・

トップページに戻る