メンタルにゅーすヒエダ
〜自己決定〜
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2006年8月 Vol.15
発行責任者 SAM
地域生活支援センターヒエダ
Tel(0832)-51-6161
FAX(0832)-51-6177
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一般的に我々障害者は、施設や病院に長く居ると、施設や病院の職員に何でも指示されて生活することに慣れてきます。小さな子供が大人になるように、人は失敗を繰り返して、それについて学習しながら歳を重ねていきます。そして、社会生活で他人に迷惑をかけないように自立していきます。
今私は、皆さんに提言したい。「自分の人生は自分のもので、他人に決定や責任は委(ゆだ)ねない。」と・・・・・・・・・・・・
2,3年前に稗田病院の外来の黒板に新聞やポスターが掲示されている中で次のような文章がありました。
医者にかかる場合の心得10ヶ条
@
伝えたいことはメモして準備する。
A
対話のはじまりには挨拶をする。
B
よりよい関係を作るために自分も努力する。
C
自覚症状と病気の経過は大切な情報であり、しっかりと伝える。
D
これからの見通しをきちんと尋ねる。
E
受診後の症状の変化を伝える努力をする。
F
大事なことはメモをとって確認をする。
G
納得できないときは、何度でも尋ねる。
H
医療に不確実なことや限界があることを知っておく。
I
治療方法を決める責任は自分にあることを認識しておく。
「医者にかかる場合の心得10ヶ条」で私が考えたことは、自分の状態を良くするのも悪くするのも、施設や病院にいることも地域社会生活をすることも、最終的には自分で決定することだということです。自己決定すれば自己責任をとらなければいけないです。
ヶ条をみたときに、「ああなるほどな」と思いました。確かに病気や障害を持ったことは自分にとってはアンラッキーなことではあるけど、「病気と障害に負けたらだめだ」と考えたからです。自分にできることは、病気や障害に対処できるようになる事と、病気や障害のことを少しずつ勉強することでした。私は病気や障害と闘っているわけではありません。ただ向かい合っているだけです。押されれば引き、退けば押し、ある境界線で向き合っています。この10ヶ条は、「病気や障害に対してポジティブな気持ちで、自分のできることはやらないと駄目だよ」と私の耳元で囁いているように思えました。
人は何か不幸があるとその原因が必ずあると考え、原因探しの旅を始めます。私も病気や障害を何故持ったのか原因探しの旅をしましたが嫌なことばかりが頭の中を駆けめぐり、病気や障害の原因探しはしなくなりました。私は現在と将来に向けてよりポジティブに病気や障害と共存していかなければいけないと自分自身に言い聞かせています。
【編集後記】
皆さんは、「施設症」(ホスピタリズム)という言葉を聞いたことありますか?施設や病院に長く居る(入所、入院している)と自己決定ができなくなり周りの職員の指示に依存したりします。自己決定・自己実現・自己責任のない環境で管理・看護されているからそうなのかもしれません。
病気や障害の残存している私は、自然体で毎日を生活しています。私がゆっくり安心してくつろげる空間は、自分の住んでいるアパートです。何かで困ったり不安があれば、以前入所していた援護寮や地域生活支援センターの職員に相談しています。今の私は、サポートしてくださる,「たくさんの人たち」なしには、あり得ません。私は、下関に住んで今年で6年目になります。下関でできた、知人・友人、医療関係者、福祉従事者にはいい関係が保てるように大切にしています。
睡眠・食事・服薬・通院・規則正しい生活リズムなどを守って、長く地域社会生活を続けていきたいものです。特に通院・服薬を守ることは大切なことです。
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