メンタルにゅーすVol.151

メンタルにゅーすヒエダ

 

結婚

2014年  Vol.151

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

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FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

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 私は、もう結婚して5年が経ちました。二人とも初婚で当事者同士の結婚です。これから話すことは、当事者の声として、皆さんの頭の中の隅っこで覚えてくだされば幸いです。同じ職場の同僚同士です。私は、連れ合いと結婚するのは初めて彼女と出会ったときに決めました。ただその当時、彼女の素性が分かりませんでした。代表のKの知り合いということしか分かりませんでした。ただ、彼女のことが良く分かるまで4,5年かかりました。

 

私は、当事者同士で結婚する大前提として

@調子が悪くなる時期が違うこと      A地域社会で生活していること

Bお互いのことを包み隠さず話し合うこと  C仕事をしていること

D病気と障碍に対処できること             E睡眠を十分にとること

F食事を3食きちんと摂っていること

を考えました。以下にそれぞれの説明をします。

 

@「調子が悪くなる時期が違うこと」は調子が悪い時期はお互いのどちらかが落ち着いているので、調子の悪い連れ合いをサポートができますのでいいのかなーと思います。基本はお互いがカバーしあっていますので安心です。二人でお互い統合失調症でしたし、幻聴や妄想・躁鬱の症状などお互いが経験していることなのでお互いの気持ちが分かります。

A「地域社会で生活していること」は病院を退院して5年以上経っていることと、地域社会生活を送っていることがあります。お互いが地域社会の生活に溶け込んでいることは、私は大切なことだと思います。

B「お互いのことを包み隠さず話し合うこと」私と連れ合いは、同じような病気や障碍などや症状があったのでお互いの気持ちが分かりカバーをしながら安心できる生活が送れます。本当に、互いが互いのお話をよく傾聴していました。

C「仕事をしていること」彼女が持つ、能力・知識・経験を家事の中だけに埋め込まれるのは、私はもったいないと考えたからです。家事がにがてなのは、慣れれば家事はできます。結婚生活では、食事は二人で作っています。洗濯をして干すまで連れ合いがします。私は、乾いた洗濯物をたたみます。実は、私は「ひえだランドリー」という福祉工場で洗濯・乾燥・洗濯物をたたむ仕事をしていたので無意識にたたむことができます。連れ合いは、洗濯物のたたみ方に感動モンでした。おかげでたんすの中が整理されたと喜んでいました。

D「自分の病気と障碍に対処できること」これは一番大切なことです。これには、服薬をしていることが大切なことです。また、服薬を守っていることが分かります。

E「睡眠を十分にとっていること」前の所感にも出てきましたが睡眠をとることであくる日の目覚めでリセットされます。ストレスや疲れを取って昼間仕事ができます。

F「食事を3食きちんと摂っていること」毎日の食事はエネルギーを身体に供給するので大変重要なことです。

 連れ合いと二人で結婚してからいろいろ考えました。私は、自分には結婚は無理だと考えていました。しかし、大台に乗る前に49歳で結婚ができました。有難いことです。今では、連れ合いの両親が安心しています。私をそれなりに遇してくれます。二人で、連れ合いの実家へ2週間おきに顔を出しています。連れ合いは、高齢な父のストレスのガス抜きにいろいろなお話を傾聴しています。義父も連れ合いと話すのを楽しみにしています。私たち、夫婦のことを身の末まで心配してくれます。いつまでも末永く仲良く生活が出来ればいいなと思います。連れ合いは、両親と弟の4人でのびのびと育てられたことが、その一挙手一投足でうかがい知る事ができます。人とは誠実に接してくれます。実家での生活できちんと育てられたのでしょう。それが良く分かります。

 私は、結婚してよかったです。母の目で、私の連れ合いと結婚しているのを見せてあげられたことが良かったです。私は、幸せモンです。初老期になって結婚できたことは、嬉しいですし、母の目で結婚したありようを見せることができました。母は、安心してあの世に旅立ちました。私もいずれは、あの世へ旅立つのでしょう。そのときは、母のように落ち着いて達観して私もあの世へ旅立ちたいです。

 私は、当事者の皆さんに伝えたいです。「結婚しな、皆さん!」「結婚っていいよ!」何よりも嬉しいことは2倍に、悲しいことは半分になります。幸せですよ、皆さん結婚を考えてみてください。

 

【編集後記】

 私が二十歳の頃、会社の先輩に結婚ってどんな感じですかと尋ねたことがあります。そしたら先輩は、「結婚は空気みたいなものだ。」と教えてくれました。「空気がないと生きていけないし、あったらあったで気にもしない」と言っていました。わたしは、先輩のように達観できませんが一つ思うことがあります。世界中で自分のことを愛してくれて心配してくれるたった一人のお互いの連れ合いがいます。人生の天気は晴れたり、曇ったり、雨だったりいろいろです。でも人生の天気はその時々で変わります。私は、当事者の皆に伝えたいです。「配偶者は人生で何回かのチャンスです。」見逃しても、まだ後があります。自分のことを考えてくれる神様がいます。皆さんも幸せの神様があなたの配偶者を目の前に連れてきてくれます。気長に、皆様の連れ合いの赤い糸の彼、彼女はあなたの前に現れます。「結婚っていいですよ!」私は、私たち夫婦をいつまでも幸せに人生を送れるように仕事をしてリタイヤしても何か社会の役に立つことをやっていきたいです。あなたの目の前に将来の配偶者となる人が今、目の前を通り過ぎて行きましたよ。楽しいことを2倍に、悲しいことを半分に、あなたの人生の幸せを真剣に考えましょう。

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