メンタルにゅーすVol.162

メンタルにゅーすヒエダ

 

統合失調症の睡眠障害

 

2014年  Vol.162

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

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睡眠障害:統合失調症(精神分裂病)とは

統合失調症(精神分裂病)とは

 二大内因性精神病の一つは気分障害(躁うつ病)ですが、もう一つが統合失調症(精神分裂病を2002年に改称)です。 統合失調症もまた、気分障害と同じく睡眠障害を伴います。

 統合失調症は、幻覚や妄想などの症状を特徴とした、脳の機能障害による病気です。 症状は大きく分けて、幻覚や妄想が活発にみられる陽性症状と、行動や意欲が非活動的になる陰性症状の二つの症状があります。 思春期および青年期に発症する例が多いのですが、中高年での発症もまれではありません。 また、100人から120人に1人が発病するとされており、決して珍しい病気ではないのです。

 統合失調症の方が、発病の初期に訴える症状は不眠です。 やがて症状が進んで、幻覚や妄想があらわれるようになっても不眠は持続します。 統合失調症の睡眠障害の典型は、深い睡眠であるノンレム睡眠がひじょうに少ないということです。 ノンレム睡眠は、眠りの深さによって四段階に分かれています。 そのノンレム睡眠のうち、ステージ4というもっとも深い睡眠が少ないのです。 また、中途覚醒が多いのも、統合失調症における睡眠障害の特徴です。

 

統合失調症による睡眠障害の原因と治療

 統合失調症による睡眠障害による、ノンレム睡眠の減少や、中途覚醒の増加には、いくつかの原因が考えられます。 統合失調症の方は、日中過覚醒状態にあって、集中困難などの認知の障害が発生します。 すなわち、ある事柄に集中できないとか、注意があちこちに分散するといった状況が起こります。 こうしたことから、統合失調症の方の場合、他人を意識しすぎる過緊張によって不眠があらわれている可能性があります。

 統合失調症の初期にあらわれるのは不眠ですから、不眠に加えて「最近なんとなく仕事や学校を休んでしまう」、「生活がなしくずしに乱れてきた」という状況があるなら、速やかに専門医を受診する必要があります。 そこからさらに進行して幻覚や妄想が出現すると、本人に自分が病気であるという認識が希薄になって、病院の外来を訪れることを嫌がるようになります。 その時点で治療を開始すると、治療は困難になり、回復までに時間がかかってしまうのです。

 最近は、初期の段階で顕著な薬効を示すすぐれた薬があります。 また、薬物療法だけでなく、精神療法、心理療法によって患者さんの苦痛を受容し、治療への意欲をうながすことも行われます。 多くの人が早期発見、早期治療によって治り、健康な社会生活を取り戻しています。

「睡眠障害:統合失調症(精神分裂病)とは」参照

http://sleep.ogaru.net/tougou.html

【編集後期】

 私は統合失調症発病初期に眠れなかったことを覚えています。幻聴と妄想が発現し、それらにとらわれていました。何が現実で、何が非現実であるか分かりませんでした。一日の24時間のうち20時間近く働いていました。1ヶ月近くこのような状態で仕事をしていました。今思えば、眠らないで仕事をしていたので精神病になるのは当然でした。私にとっては、それが統合失調症であったのは仕方のないことです。このような、無茶苦茶な生活を送れば統合失調症の発病は当たり前でしょう。ただ、私にとってはラッキーなことは精神病の中で350万人のうち130万人が統合失調症を発病しています。医師が今まで様々な研究をされていましたので、精神病の中ではメジャーな病気です。それが私にとって後年、統合失調症に対して向かい合うことができたので幸せでした。今私の生活で睡眠時間は6時間弱です。9時に寝て、3時頃起きます。朝が苦手でしたが、今は、早く寝て、早く起きる習慣ができるようになりました。朝の2時間くらい本を読んだり、統合失調症の勉強をしたりして生活しています。少しずつ、病勢に向き合いながら生活しています。睡眠て、大切ですね。私は、今まで自身を無茶苦茶に酷使していました。それが、統合失調症を発病して30年経って気付きました。皆様、身体をいたわって下さいね。

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