統合失調症の症状は年をとるごとに軽減してくると本に書いてありました。そしてその理由が私には納得できます。それは、若い時分は、新陳代謝が激しいので精神伝達物質のドーパミンが沢山出てくる事、また年をとるに従い新陳代謝は落ちてくるので統合失調症の状態も軽減してくるみたいです。私は、現実に日中ずっと幻聴と妄想があります。そんな状態が残存しても、平気にしているのが私自身不思議に思います。幻聴と妄想の状態が私には現実にあります。私の悪口や被害妄想が、継続しています。
私が、これら残存症状があっても仕事や生活が出来るのは、私自身も不思議です。多分私の周囲の人たちも不思議に思っているでしょう。病識がなかった時分に比べて、今の私は、幻聴と妄想に振り回されていません。幻聴と妄想の残存症状があっても、仕事・生活は落ち着いています。現実に、残存症状があっても少しは気になりますが何とか生活しています。服薬を続けているので、病状は残存症状があっても仕事・生活が出来ています。しかし何故、私が生活・仕事が出来るのか考えてみますに、服薬・通院を継続している事、残存症状に対処する事が出来ている事が理由に挙げられると思います。現実に調子が悪くなるときは、早めに頓服を使いますし安静にしています。仕事が続けられないときには、早退をして自宅に帰り、横になっていますし早めに就寝します。状態の悪化には早めの対処が必要だと考えています。自分で調子が悪いときは、一連の流れで頓服、自分で考えた対処法で状態が落ち着かなくなったときには、病院の主治医に連絡を取り診察してもらい注射や点滴、服薬等の指示を受けています。幸いにも、私は調子を崩しても、ここ4〜5年は主治医の診察を受けなくても、何とか自分の対処ができています。病識を少しは持てるようになり、服薬を守って、病気の予後が分かり、服薬、頓服、自分なりの対処法ができるようになりました。それらにより、何とか仕事や生活ができるようになりました。自分で調子が悪くなる事が想定できるようになることにより、安定した生活ができるようになりました。
私は、残存症状があっても、今は昔ほど病気や障碍に振り回されることはありません。また、今の自分ならば自暴自棄になることはありません。病気と障碍を持って、下関の援護寮ヒエダに入所してから、少しずつ病気や障碍のことを勉強してくることにより、私は何とか対処してきました。私も援護寮ヒエダにやってきて、メンバーさんのピア・サポートや援護寮ヒエダ職員のサポートを受けてきて、次第に病気と障碍をコントロールできるようになりました。
自分は下関に来てからの14年は病気と障碍、残存症状の幻聴と妄想に対処法を試行してきました。残存症状はありますが、何とか服薬・通院を守りながら病気・障碍と共に共存できています。私的にはボチボチ病気と障碍に対処して仕事をして生活をしています。自分でも不思議なのですが主治医の診察ではボチボチやっていますといつものように応えています。この私の表現の「ボチボチやっています。」が主治医から見た病気、障碍との共存したSAMの生き方だねと診察のときよく言われます。
病識も何もない以前のS市での生活を振り返ってみると、現在の病気と障碍との共存は何とかボチボチ生活できています。援護寮に来て精神保健福祉士にアドバイスを受け、下関市の住人になって、病状に対処して結婚もして何とか生活しています。私が今あるのは、社会から育てられたからです。統合失調症に罹患して長く生活保護を受けてきましたし、援護寮にもお世話になりました。下関に来てからずっと稗田病院でお世話になってきました。医療スタッフ・福祉従事者にはサポート、当事者にはピアサポートを受けてきました。私は、多くの皆さんのお陰で、下関市でお世話になっております。私は、統合失調症に罹患してからの生き様をニュースレターにして、皆様の生き方のお役に立てばと「援護寮ヒエダ新聞」から、「メンタルにゅーすヒエダ」へと編集してきました。これらを皆さんと共通な知識として共有するためにホームページを作りました。インターネットで「メンタルにゅーすヒエダ」として検索すればすぐにホームページを見つける事が出来ます。メンタルにゅーすは12年続いています。これからもメンタルにゅーすの編集を続けていこうと思います。皆様のお役に立てば幸いです。当事者、健全者と立場はちがいますが、皆様のお力添えでホームページを伝えて広げていって欲しいなと思います。
【編集後記】
私は、統合失調症で調子を崩してくると、自分自身の振る舞いの変化や状態の悪化が次第に分からなくなります。どうしてなの・・・・・?と不思議に思うことがあります。私が状態を崩すのは、ほぼ100パーセントが断薬してしまうのが理由です。服薬を継続していれば状態を崩すのは私の場合ありません。薬は、正常に効いていれば血中濃度で分かります。私は、何かの理由で服薬忘れが、積み重なって完全に断薬していました。次第に服薬をしなくなり、最後には調子を崩してしまいます。調子を崩さないように、服薬を継続するのは非常に大切な事です。
現在では、継続的に服薬するのは、ドラック管理することのほかにデポ剤という、お尻などに皮下注射することで、薬効が2〜4週間あるものがあります。継続的に、デポ剤を皮下注射することが大切な事ですね。デポ剤の場合毎日のドラッグ管理はしなくていいのですが、2週間、4週間おきに通院をして注射しないといけません。皮下から薬が脳へと行きます。少しずつ、薬が精神伝達物質のドーパミンやセロトニンを適度に安定させてきます。服薬かデポを当事者がその内容を理解して、選択してください。薬をなかなか上手くコントロールするのは難しいですね。薬の飲み忘れしないように継続するのは簡単なようで難しいですね。しかし、精神病の場合、薬を長く続けるのは最も大切な事です。
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