メンタルにゅーすVol.185

 

メンタルにゅーすヒエダ

 

「統合失調症新判別法」

2015年  Vol.185

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

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目の動きで統合失調症判別 大阪大、早期発見に

 画像を自由に見たとき、視線の動き(画像上の線)が健常者(右)に比べ、統合失調症の患者は極端に少ない(大阪大提供)

 物を見る目の動きから、統合失調症かどうかを判別できることを大阪大と京都大のチームが7日までに発見した。チームの橋本亮太大阪大准教授(精神医学)は「早期診断法の開発につながる」としている。成果は国際的な精神医学誌電子版に掲載された。

 チームによると、精神疾患は検査などによる客観的な診断が難しく、医師により診断に違いが出たり、患者や家族に具体的な検査数値を示して説明しにくかったりすることがある。

 チームは統合失調症患者の目の動きに着目。画像や動画を自由に見てもらった場合、健常者に比べ、視線の動きが極端に少ないことが分かった。

2014/11/07 05:15   【共同通信】

補足(探索眼球運動)

 探索眼球運動はものを見ようとする時の注視点の動きであり、主体性を反映していることから、自発性、主体性の障害が基本的な障害であるといわれる統合失調症研究に用いられてきた。横S字型の幾何学図形の標的図および標的図と一部異なった図を用い、記銘課題、比較照合課題、比較照合課題直後の念押し課題を行った際の、念押し課題時の反応的探索スコアが指標として用いられている。統合失調症患者では、健常者に比べてこの指標が有意に低値を示すことから、臨床診断の補助的役割が期待される。

 

探索眼球運動とは何か

 診察場面では患者の表情や目の動きに注目し精神内界の一端を推察しようとする。こうしたことを踏まえて昭和43年頃から、統合失調症患者の注視点の動きを客観的に記録する研究が日本で行われた。Neisser[1]によれば、ものを見るとき漠然と見ているのではなく、スキーマ(構え)に基づいて注視点による探索行動が行われ、得られた情報に基づき構えが修正され、また探索行動がなされ構えが修正される。このような循環の中で知覚が生じるという。つまり注視点を調べることによりどのような構えで見ようとしているのか、換言すれば被験者の自発性、主体性を調べることができるという特徴を持っている。精神病理学的にいえば統合失調症の中核的障害は自発性、主体性の障害であるといわれており、探索眼球運動は統合失調症における主体性の障害を客観的に研究する方法として適していると考えられる。

小島 卓也
医療法人社団輔仁会 大宮厚生病院
松島 英介
東京医科歯科大学医歯学綜合研究科 心療・緩和医療学分野
高橋 栄
日本大学医学部 精神神経科学教室
安藤 克巳
医療法人社団柏水会 三軒茶屋診療所
DOI
10.14931/bsd.3993 原稿受付日:201378日 原稿完成日:20131121
担当編集委員:加藤 忠史(独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)

【編集後記】

 古今東西、「目は口ほどにものを言う」とよく言われます。ある人のモチベーションや感情は、目を見れば分かるという事なのかな・・・・・私の経験では、人の目を観ればモチベーション・感情が分かります。目を見れば集中しているか集中していないか分かります。感情の気分も分かります。前記の共同通信の写真を観れば、統合失調症の患者さんの視野は狭い、健常者の視野は広範囲で全体を見ている。統合失調症の患者さんが目の動きが健常者に比べ極端に視線の動きが少ない事が分かった事で88パーセント近く統合失調症の確定に寄与する。今までは、精神科医の診察で病気の診断がついていました。人間が判断する事で医師によって診たてが違う場合があった。今後の研究で診断の確定率が上がれば、客観的に診断が出来る指標になればと私は願います。

 私は33年間統合失調症と共存して生きてきました。その間に入退院の期間が合わせて5年くらい入院しました。この間に15年間地域生活をしていました。病識はありませんでしたが、服薬だけは遵守していました。服薬・通院を守っていましたので入退院はありませんでした。しかし、小さな揺れはありましたが大きな揺れは在りませんでした。統合失調症が完全に直る薬があればいいのになーと思います。今の薬は、対処療法的な医療技術ですが未来では、完全に統合失調症が治る薬が開発されるかもしれないですよー・・・・・・

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