私は精神障碍当事者で統合失調症に罹患しています。そんな、当事者がどんな仕事をしているか疑問に思う方も少なくないと思います。私は、CILで働いてもう13年が経ちます。始めに、代表に任せられた仕事は、CIL下関の定期刊行物の機関紙ネイチャーの編集で8年間続けました。それも後進に任せて4年くらいになります。実は、精神関係のニュースレター「援護寮ヒエダ新聞」を病院と社会の中間施設の援護寮ヒエダで、編集していました。当事者のメンバーさんにピアサポートを受けて、仲間のありがたみをまさしく感じたひと時を、この施設で3年弱入所していました。私が、援護寮ヒエダで自分の病気に興味が湧き、次第に病気、薬、制度、医療、生活、就労、社会資源を勉強していました。自分の罹患している精神病を当事者も上記7項目すべてを理解しているのか疑問が湧きました。これらの事を勉強して冊子に出来たらいいなと淡い期待を持っていました。
それから私はCIL下関で、冊子を2冊編集しました。ひとつは「精神障碍者自立生活マニュアル」、ひとつは「精神障碍当事者のための地域で送る快適自立生活」というものです。自分の才能を新たに感じたのはこうした冊子を編集する事が違和感なくできた事です。冊子というより、研究論文みたいなものだと思います。私は、以前の仕事が企業の研究所でした。研究論文を書くことがノルマで半年置きの研究論文の執筆でしたので、論文のいろはを鍛えられました。CIL下関での機関紙「ネイチャー」、事業費の援助費の獲得で大きな会社の財団に企画書の申請書を出していました。「精神障碍者自立生活マニュアル」の冊子の編集や「ピアカン集中講座・長期講座」の開催、「福祉車両」の購入などで助成申請の担当になっていました。今の私があるのは、上司に任せられた仕事を投げ出さずこつこつ続けた事とあいまって、同僚の援助、仲間の援助、福祉従事者の援助、病院スタッフの援助等沢山の方々のおかげです。そして、私の少しの努力があったからです。私は、ある本を読んでから、「継続は力なり」という言葉を実感しました。私は下関に来てから、始めた事は継続しています。決して簡単に物事を始めたことを投げ出さないでいました。
こうして私は、縁の下の力持ち的な仕事が自分には向いているように思います。また、私は基本的に精神障碍当事者の私がやるべき仕事は私がその仕事をします。健全者がやるべき仕事は健全者に任せます。私の仕事は上司の指示の仕事、私が編集しているニュースレターの「メンタルにゅーすヒエダ」の編集のように自身で考え始めた仕事などがあります。(これはホームページにしています。)この仕事は編集・印刷・発送・配付など一人でやっております。以上がCIL下関で私がやっている仕事の大まかな事です。大体、以上のようなことが私の自分の仕事の内容です。いつも、物静かにパソコンと向かい合って、文章の推敲をしています。私がしている仕事を同僚は、分かっていない人がいるみたいですね。
精神障碍者の私が、CIL下関、介助の事業所NPO法人らいとのスタッフの中で一番ストレスに対して脆弱性が高いです。私が働きにくい職場は他の障碍者・健全者にも働きにくい職場だと思います。そういえば、石炭を掘り出す炭坑の中に空気が薄くなったら死んでしまうカナリアのようなものだと分かり易いと思います。カナリアのように死んでしまって用を成すものの例えには適当ではありませんが、私が仕事をする事で精神障碍者の気持ちをニュースレターや冊子、私自身を見てもらうことで、同僚の当事者理解のひとつになればと思います。この13年を振り返ると精神障碍者の理解は同僚を見れば格段なものになりました。
私は、朝起床すると感謝します。そして今日も頑張っています。晴れていれば朝陽を見て生活のリズムをリセットしています。人間のリズムが24時間おきにリセットされるのではなく、25時間おきになっているようでそれを毎日朝起きて朝陽を見ることで24時間のリズムにリセットするようです。朝陽をあびると気持ちがいいですよ。皆さんもやってみてください。なかなか、私も太陽を浴びるのはできません。それだから、朝起きてカーテンを開けて外の光をあびるようにしています。こういったことだけでも生活リズムのリセットができます。
お話がそれてきました。元に戻します。以前、お話した事がありますが、私は、13年前CIL下関に採用されたときに、私の勤務について上司のKは調子が悪かったら、在宅勤務を考えているような事を話していました。とりあえず、精神当事者の勤務の仕方について考えて下さいとKに指示されたので、調子の悪いときの勤務について考えました。私もCIL下関に採用されて暫くして、私の後に精神の当事者を採用する事もあると考えていました。それで、精神当事者の調子が悪いときの勤務形態・休暇の取り方等について検討しました。短縮就労(9〜15時)、超短縮就労(9〜12時or13〜17時)、うつ状態のときは時間差就労(欝のとき朝、出勤しようか休もうかと葛藤があるのでその時間帯を避ける:11時〜17時の就労)、2週間くらいの休暇などです。女性の精神当事者がいますが、働きやすいと言っておりました。私は、常に自分の後に続く同僚のことを考えています。上司も精神当事者が働きやすい職場になるように気にかけてくれているようです。
【編集後記】
私は、精神当事者の一般就労の将来的な展望を考えています。日本では、大企業には精神当事者の就労者はあまりいません。障碍者雇用に無頓着なようです。当事者を雇うよりペナルティのお金を国に払っているようです。変わって中小企業に精神当事者は働いているようです。私は、CIL下関では、以前みたいに2日から1週間で出勤しなくなることはありません。なぜ、仕事が続くのか分かりません。たぶん、上司や同僚の精神病に対する理解と配慮があるからかもしれません。仕事をやめようとは、CIL下関で勤務して一度も考えた事はありませんでした。かえって、どうしたら、仕事を続けられるかいつも考えていたように思います。また、自分のパターンもありますが、ネガティブな思考に気付けば、どうしたらいいのかを常にポジティブに考えています。
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