メンタルにゅーす20 メンタルにゅーすVol.20

 

メンタルにゅーすヒエダ

 

知的・精神障害者に

公営住宅入居緩和

20076月  Vol.20

発行責任者 SAM

CIL(自立生活センター)下関

Tel(0832)-63-2687

FAX(0832)-63-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL  http://members.jcom.home.ne.jp/s-cil/

 単身入居枠が拡大しました
 
 地域で一人で暮らすことを考えている人に、朗報があります。昨年2006年2月1日から、公営住宅の制度が、知的障害者、精神障害者も、単身で入居できるものに変わっています。これまでは、「生活保護受給者」または「高齢者」など、ほかの条件にあてはまる人は別として、親族と一緒に住む形でなければ入居できず、単身での入居は原則として認められていませんでした。
 3年前の年末の、国から都道府県知事あての通知には、法制度改正の趣旨として、「障害者が地域において自立した日常生活又は社会生活を営むことを支援するため、単身入居が可能な障害者の範囲を見直した(抄)」と書かれています。
 知的障害者、精神障害者は、手帳所持(等級の制限なし)、または、手帳所持に相当すると証明される人で、住宅に困っていて、収入が月26万8千円以下で、自分にとって必要な援助を得て公営住宅で生活していく見通しがある人は、単身者むけの公営住宅に入居する基本的な資格があります。
 申し込みを考えたい方に、また、さまざまな機関や団体の窓口で、情報提供や生活相談にかかわっている方に、新しい制度を積極的に十分に活用していけるように、上の要点をよく把握して念頭においていただきたく、お伝えします。
ぜひ、お住まいの都道府県や市町村の、公営住宅の入居者募集の情報や案内に注目を!
 経過について

 1980年に、高齢者と身体障害者については、単身入居枠ができましたが、実際には、日常的に介護が必要な状態の人は、欠格条項のために、ほとんど入居できない状態でした。「障害が重度だからだめ。親もとか施設で暮らせ」と、入居申込書を突き返された身体障害者が、問題を強く訴えた経過もあり、2000年に、介護が必要な重度の障害があっても、「居宅で介護を受けることができると認められる者」は入居資格があるという法制度になりました。しかし、知的障害者、精神障害者には単身入居枠がないままでした。
 地域で暮らそうとする時、たとえば民間賃貸住宅で障害を理由とする入居拒否が絶えず起きてきたように、差別偏見の壁があり、また、都市部の高い家賃相場では、大部分の障害者は、住まいをみつけるのは至難です。 住まいがなければ、いつまでたっても施設や病院から出ることができません。
 そのため、知的障害、精神障害の当事者団体が、省や自治体と何度も交渉し、「住宅に困っているのはあなたたちだけではない」などと言われながらも、すでに民間賃貸住宅にいる人たち、必要な援助を得て暮らしている人にアンケートもとって、その実情に基づき、公営住宅の制度までが入居差別していては自立できないと、粘り強く訴えてきました。

           文責 臼井久美子 (障害者欠格条項をなくす会  事務局)

 

【編集後記】

 知的障害者、精神障害者の公営住宅入居の緩和は、CIL(自立生活センター)下関へのメールで私は知りました。私は下関市内の大手の不動産会社よりアパートを借りていましたが、国土交通省も少しは、知的障害者、精神障害者のことを考えていたんだなーと思いました。

 私は不動産会社からアパートを借りるのに条件を付けられました。それは、主治医より診断書をもらい、不動産会社に提出することでした。賃貸契約は、半年間の仮契約で、様子を見てその後に本契約になりました。

 今回、下関市営住宅に応募したのは、自分の収入では生活していくのがやっとで、なかなか貯蓄にお金が回らないからという理由でした。精神障害は、いつ調子を崩すか分からないのと、入院が長期になっても、医療費とアパートの維持費のために不意のお金が必要だからです。

 市の広報で入居募集を見て応募しましたが、なかなか当選しませんでした。私は長期的スパンを見据えて、5月、8月、11月、2月と応募しました。応募は5回落選すると市の建築住宅課に登録後、6回目は優先的に市営住宅に入居できるということですから、2年経ったら市営住宅に入居できるくらいの気持ちでのんびりして毎回応募しました。

 そうしていたら、今回4回目の応募で当選しました。ところが、精神障害者の場合は一人暮らしをしても大丈夫か保健所に建築住宅課が照会をかけ、それでO.Kが出ないと入居できないと言われてがっくりきました。と同時に、もう一人暮らしをして5年経つのにちょっと頭にきました。保健所に問い合わせし納得しましたが、ちゃんと理由を建築住宅課の担当者から説明がなかったので、すごく不安でした。実際に保健所の担当者と面談をして理由を聞きました。精神障害は当事者にとり長い付き合いとなる病気と障害です。地域社会で、精神的に安定した生活をするために、服薬と通院は大切なことです。その確認と緊急時のサポート体制の確認が面談の中でありました。

 色々すったもんだしましたが、何とか市営住宅の決定通知書がきて、入居となり、私はホッとしている今日この頃です。物事は、時間という薬が働いて結果がでるということが分かって本当に勉強になりました。

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