デイケアは精神科病院・精神科クリニック・精神保健福祉センター・保健福祉センター等で行われている社会復帰援助活動の一つです。病院を退院しても、スムーズに社会参加(就労)や安定した地域生活に移行するのが難しい人や、自宅に引きこもりがちになり地域社会や他の人と接する機会が少なく。生活の幅を広げていきにくくなっている人を対象に、日中行われている集団活動がデイケアです。
デイケアでは、スポーツ、料理、レクリエーション、話し合い、創作、外出、生活技能訓練、季節の行事など活動が行われています。最近では、デイケア利用者のエンパワメントや就労支援を意識したプログラムを一部取り入れているところも増えてきました。これらの活動内容は利用者と職員の話し合いで決めているところも多く、利用者の主体的な参加が尊重されてきています。
デイケアの特徴は、参加日数や時間を利用者の状況に応じて調整しやすいことや、仕事ではなくレクリエーション的内容が活動の中心であり、全体的に「あそび」や「ゆとり」が豊かなことです。そのため、まだ一定時間仕事をする自信のない人や、少しずつ今の生活を変えていきたい人などにとって、デイケアは利用しやすい場所になっています。ある程度の期間利用する中で、各々の利用者にとってデイケアは、@憩いの場、A他の利用者や職員と出会い、交流する(親しくなる)場、B生活の一部として出かけていく場、C活動を通して自分を表現する場、D身体を動かし、体力を取り戻す場、E生活のリズムを整える場、F次のステップや生活の広がりに向けて、ゆっくり考え準備する場など、多様な意味を持つ場になっていきます。
デイケアの活動は、周囲の人から「遊んでいるだけではないか」と言われることがあります。しかし、例えばスポーツでは、スポーツを楽しむことのほかに、体力や運動能力の回復、身体を動かすことによる心地よい疲れ、勝負の勝ち負けに伴う喜びやくやしさ、チームプレーの際の他者との協調、ルールを守ることや自己コントロール、一緒に活動する人と少しずつ親しくなっていくことなど、実に様々な体験をします。このように、デイケアでは個々人の力の回復と集団だからこそできる体験が混ざり合ってすすんでおり、そのことが広範でゆるやかなリハビリを、可能にしていると言えるでしょう。デイケアにかかわるスタッフは各プログラムが内包する多様な意味を理解し、「目的」や「効果」を狭くとらえすぎないで、利用者とともに豊かなプログラムづくりを目指すのがよいと思います。
デイケアの利用期間の設定については様々ですが、一定期間(多くの場合1年)ごとに、その間の振り返り、利用目的の確認や修正、他の社会参加(他施設利用や就労など)や利用形態、デイケアの終了等について利用者と共に検討されている場合がほとんどです。そういう検討ぬきに続けられるデイケアの長期利用は、かえって利用者の社会生活上の力を弱め、デイケア以外に活動の場を広げる可能性を奪ってしまうことがあります。そのことが、「第二の収容施設」というデイケアに対する批判も生んでいます。デイケアはそこに通っていればそれでいいと言う場所ではありませんし、利用者の生活を管理するための場所でもありません。デイケアスタッフは、利用者の希望を尊重することを基本にしつつ、同時に常にデイケア以外の社会参加の可能性を意識・模索し、利用者に働きかけることが必要でしょう。
デイケアの利用料については、精神保健福祉センターや保健福祉センターで行われているものは原則無料(実費負担程度)ですが、病院やクリニックでは医療費がかかります。窓口での医療費負担は自治体や世帯の収入によって異なりますので、詳しくは各医療機関の窓口でお尋ね下さい。
【編集後記】
私もそうですが、病院を退院すると早く社会復帰をしなければと焦ったり・頑張ったり・無理をしてしまいます。精神病は、人生の長い付き合いの病気です。私は、統合失調症を罹患して34年が経ちました。今でも服薬を遵守しています。私も、発病して状態が寛解してきたときに主治医に、この病気は長期に通院と服薬を守る事です。私が「長期って2,3年ですか」と言うと「それは貴方の人生と共に病気は続きます」と言われました。この頃は、統合失調症の実態が分からなかったのです。精神病の事は私にとっては初めてのことでした。私の人生は、統合失調症で台無しになり、坂道を転がり降りているようで、20年間自暴自棄になってすさんだ生活を過ごしていました。精神病を発病して私の人生はもうないと思いました。一生病院に入院して、仕事も出来ない、結婚も出来ないと、一生病院の中で過ごすしかないのだと考えていました。発病して33年間を経た現在では仕事は自立生活センターで働き、障碍者の自立生活支援をしています。今では、病気と障碍に対処して仕事をして生活しています。精神のニュースレターを編集したりしています。下関市に移住して15年が経ちました。私の病気と障碍に向かい合う自体が私の仕事になりました。仲間の精神の当事者たちに精神病の啓発になればと「メンタルにゅーすヒエダ」というニュースレターを13年編集しています。これは、現在進行形で進んでいます。ボチボチやっていこうと思います。ぼちぼち・・・・・と・・・・・・
メンタルにゅーすヒエダ(ホームページ)
http://start2004.html.xdomain.jp/
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