メンタルにゅーすヒエダ

 

「当事者同士結婚して9年」

2017年  Vol.220

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

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E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL     http://blog.livedoor.jp/npo_light/archives/cat_8979.html

 SAMと連れ合いの妻は、結婚して9年が過ぎようとしています。私たちは、結婚届を出していません。事実婚です。結婚式は挙げました。よく福祉従事者が言うのは、籍を入れずに生活するのと、籍を入れて生活するのは違うよねといいます。籍を入れて生活すると、当事者同士に責任感と自覚が生まれ長く続くカップルが多いと言われています。

 私と妻は、籍を入れずに夫と妻の関係を保っています。お互いに夫と妻の責任感と自覚を持って生活しています。世間には、結婚すると籍を入れるのが当たり前のようにしています。籍を入れると言うスタートから二人の人生がうまくいくとは限りません。

 それでは、SAMと妻が長く共同生活を続けているのは何故でしょう?私たち二人が生活をするのに秘訣があるのか考えてみましょう。私たちは、これと言う秘訣はありません。ただ言い合いから喧嘩になることがありますが、この9年間に1,2度くらいです。それでは、私たちは、どんな関係を作っているのでしょう。家庭では、私たちは仕事の話や、事務所の仕事仲間の話もしません。普通に生活しています。妻は、明石家さんまが好きですので、TVでよく彼の番組を見ます。芸能人の誰と誰が結婚した、離婚したとか、ネットで騒がれていることとか、そんなたわいのない話をしています。たまに私が、怒ると同調するように妻は怒って言い返しはしません。話をちゃんと聞いて、受け答えを冷静に対応しています。私たちは、9年も生活を共にしていますので、私の性格等は妻の頭の中に入っています。SAMにどういう対応をすればいいか、妻は頭の良い人なので分かっています。SAMが妻に声を荒げても、彼女が声を荒げることはめったにありません。

 ことに人間関係を保つのには、妻のほうが一枚上手なのだろうと思います。よく考えてみると、お互いが気分を荒げることはめったにありません。片方が気分を荒げても片方は冷静なときが多いです。お互いが、気分を荒げて言い合いをすることはありません。必ずどちらか一方は冷静に話を聞くことが多いです。結婚すると、SAMは妻の住むアパートに入りましたので、もし喧嘩しても妻に出て行けとは言えません。妻が世帯主なので、そんな大それたことは言えませんけどね。

 私たちは、朝一緒に出勤します。二人ともに鬱っ気がありますので、体調が悪いとき朝仕事にいこうか休もうかと葛藤があります。こんなときも私たち二人は、片方に出勤をせかせることはありません。朝、鬱っ気がでて葛藤の苦しさはお互いに分かっていますので静かに待っています。体調の悪いときの朝の葛藤があるのを知っていますので、お互いがお互いをせかせる事はありません。こんなときお互いがお互いの気持ちを分かってくれるので、気持ちが通じ合えるひと時です。

 そういえば、私たちは怒鳴りあうひどい喧嘩はしませんね。妻は、良好な家庭で過ごして現在に至りますので、家族に怒鳴られた経験がありません。あまり大きな声を出すと、妻はフリーズしますのでSAMも大きな声を出さないように気をつけています。私が育てられた家庭は、父がアルコール依存症だったので酔っていわれのない虐待を受けていました。それで、大きな声は日常茶飯事なことで、私も気付かずに大人になってしまいました。

 私と妻の共同生活は、今のところ良好な関係を保っております。基本は、お互いが自分にとって不快なことは、相手にしませんし言いません。このようなちょっとした気遣いをわきまえて生活しています。家庭では穏やかに静かにお互いがお互いの気持ちを考えてあげる気遣いを常に持っていることが大事ではないかと思います。そして、お互いが気分を害することはアサーティブにそれとなく打ち明けています。何度言っても相手が分かってくれないときは、お互いはっきりと相手に話しています。

 これは余談ですが、私が結婚してから続けていることが一つだけあります。それは、乾いた洗濯物をたたむことです。以前私は、福祉工場のランドリーで働いていましたので、そこでみっちり鍛えられました。妻が洗濯物をたたんだのと私がたたんだものでは、仕上がりの美しさが違います。妻は、私の洗濯物のたたみ方を感謝してくれ褒めてくれますので、これだけは結婚して唯一続いていることです。

 私は、結婚して二人の共同生活が9年も続いていることに驚きを感じます。よくこんなに続いたなと思います。これからも二人の共同生活が長く続けばと思います。二人とも相手に自分が不快なことはしませんし、言いません。それが、二人の共同生活の秘訣ではないだろうかと考えます。これからも二人仲良く生活を続けていければと思います。

【編集後記】

  SAMと妻は49歳と47歳で精神の当事者同士結婚しました。お互い、精神の病気と障碍を抱えたもの同士の人生という海への船出でした。お互いにまさか二人が結婚するとは考えてもみませんでした。私が23歳のとき山口大学付属病院で統合失調症を告知されたときに考えたことは、「結婚できない」「仕事もできない」「一生入院生活」でした。そんな私が、少しずつパズルをくみ上げるように努力して生活し続けていると、遣り甲斐のある仕事を見つけ、地域社会生活ができ、結婚もできました。統合失調症発病のときに、自分ができないと思ったことが3つともクリヤできました。これもひとえに周囲で私を支えてくれた同僚や上司、支援センターのスタッフ、病院の主治医、看護師さんたち、友人のおかげです。これからも自分の人生を投げ出さず、毎日毎日を大切にして、順境なときも逆境ときも妻と仲良く生活を共にできるように頑張ります。皆様よろしくお願いします。

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