メンタルにゅーすヒエダ

 

「主治医と上手な

    治療の受け方」

201743日  Vol.226

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

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E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

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 主治医は人生相談の相手ではありませんので、私は精神科の症状を中心に診察を受けています。自分の状態を伝えることは、思った以上に難しいものです。特に精神科では何もかも話さなければならない気になってしまいます。でも精神科医は、人生相談の相手ではありません。精神科で扱える症状に対して薬を出したり、カウンセリングをするだけです。そこで、自分の状態をうまく伝えるにはどうすればいいのでしょうか?

 ここで皆さんの心配することがあります。それは、精神科の治療が始まると、精神科医の対話(カウンセリング)と薬物療法が中心です。患者である私たちは薬について苦労することが多いのですが、どんな風に話しをすれば、うまく自分の状況を伝えられるのでしょうか。あまり、病気の症状のことで正直に話すと薬を増量されたり、新しい薬を増やされたことはありませんか。その後に辛かった経験があるのと、調子が悪いと主治医に話すと入院を勧められるかと懸念する当事者は多いと思います。またうまく精神科医と付き合うための対話と自分の薬を自分に合ったものに変えるために話し方のヒントになることは何でしょう。当事者それぞれに受診のスタイルがあると思います。

 皆様の役に立つかどうか分かりませんがSAMの受診について少しお話します。まず初めに主治医から「調子はどうですか」と聞かれます。私は、調子がいいとは言いませんし、調子が悪いとも言いません、「幻聴と妄想は残存していますがボチボチやって、病気と障碍に対処しています」と言います。ここまで詳しくは言いませんが「ボチボチです」ということが多いです。私は日によって調子が悪かったり良かったり、日中幻聴と妄想は覚醒時ずっと継続してその症状がありますので調子がいいのかどうかは分かりませんが気にならないときがあります。こういう病状なので調子がいいとか悪いなどの状況が刻々と変わります。それで、「ボチボチやっています」と言っています。

 私がまだ、統合失調症に罹患したばかりでもう30年近く前のことですが受診したとき私が調子悪いと言ったら、主治医が私に何も告げずに薬を増やされて辛かった経験があり、それ以来調子が悪いという言葉は使わなくなりました。そのかわり「ボチボチです」を多用します。それと、今は薬を主治医が何も言わずに増量したり、新しい薬を増やすことはありません。ちゃんと当事者に同意を取り、その目的と副作用など話してくれます。薬局でも以前の薬と変わったら当事者に薬を渡してくれるときに変更した薬の説明が薬剤師さんからあります。

 病状の件でひとつ皆さんに知っていて欲しいことがあります。幻聴、妄想などは病気の症状ですが、薬の副作用の症状について当事者は理解してない人が多いと思います。私の非定型抗精神病薬の副作用を考えますと、@のどが渇くA手が震えるB目が上に釣る(眼球上転)C便秘Dよだれが出る・・・・・などがあります。特に便秘で精神薬の副作用と便秘に因果関係があるとは私は長く知りませんでしたので痔になりました。ましてや、よだれが出るのも副作用とはこれも長く知りませんでした。皆さん、病気の症状と薬の副作用の症状(メンタルにゅーすVol.69「病気の症状と薬の副作用」参照)はよく勉強して知っておくと役に立ちますし、私のように痔になったり、よだれが出て恥ずかしい状況に終止符が打てますので知っておいてください。特に新薬には、糖尿病になるリスクもあり定期的に血液検査をしていますのでご心配なく。

 診察のときよく聞かれるのが「よく眠れますか」ということです。たとえば寝つきが悪いときは睡眠導入薬を処方してもらうといいですし、睡眠時間が短い場合もよく主治医に相談しましょう。鬱などのとき、早朝時に覚醒するときは主治医に相談を・・・・

 次に診察のときに聞かれるのは「食事はいかがですか」ということです。食は人間活動のすべてのバロメーターですので、食欲が落ちてくるとなると問題です。

 あと、私は安定時に落ち着いているときとは違う感じ、態度やイライラしたときは、その場の状況を話します。自分のことを何でも話すことは診察時心がけています。私も話が人生相談にいたることがあったかもしれませんが、主治医は診察のときに30分くらい話しを聴いてくれます。熱心にカルテを取ってくれます。ありがたい事です。自分が社会で安定した生活をしているのは受診のとき的確な診察をしてくれ、私の話をよく聞いてくれるおかげです。診察時間が短いのが、状態の安定のバロメーターだと考えていましたが、私の主治医は診察に時間をかけてくれます。本当に感謝しています。有難うございます。

 

【編集後記】

  4度目の入院から9年が経過しました。服薬と通院を守って社会生活をしています。何か自分の状態に異変があったときは、主治医の診察をこまめに受けています。外来の看護師さんが私によく言うのは、「SAMは調子が悪くなると早め早めに受診につなげているので安心している」という事です。私は、生来気が小さいのか自分に何か状態の異変があったら主治医の診察を受けています。自分でも、仕事や生活の中で自分の状態に気をつけています。私は、躁と鬱の気があります。躁のときに職場のみんなに迷惑をかけるときがありますので気をつけています。服薬通院を守っていますが調子を崩すことがあります。自分では、結構気をつけていますが調子を崩します。それでも何とか対処しながら、仕事や生活をしています。行き詰まったときには、妻にも相談して何とか対処しています。自分には、時々躁と鬱がくりくりと日によって日中時間によっても変化します。こんなとき自分がいやになります。そんなときも自分は自分で何とか対処して生活しています。

 なんとも辛い毎日です。職場の上司や同僚に迷惑をかけないように心がけていますが、結果的に迷惑をかけてしまいます。迷惑が大きくかからないように常日頃から心がけています。服薬通院も守っています。自分にできることは精一杯やっていますが迷惑をかけてしまいます。そんなときは「皆さんごめんなさい」と心の中で反省しています。上司や同僚は、それでも静かに見守ってくれます。有難いことです。

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