メンタルにゅーすヒエダ

 

「私を変えた自立生活

三つの定義」

201761日  Vol.230

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

Tel(083)-263-2687

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E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL   http://blog.livedoor.jp/npo_light/archives/cat_8979.html

 今でこそ自立生活に必要な定義が当たり前なのか声を大にして言う事もなくなったようです。平成14年にCIL下関の介助部門の事業体:特定非営利活動法人らいとに入社して新人職員研修のなかで、自己決定・自己実現・自己責任と言う言葉を初めて聞きました。自立生活自己決定・自己実現・自己責任という言葉が、CIL下関で障碍者の自立生活支援に携わって支援をしていく中で、大切な言葉だと実感しました。

 私は、CIL下関と特定非営利活動法人らいとの仕事をやりながら、少しずつ運動体のCIL下関,事業体の特定非営利活動法人らいとで勉強していました。その頃、私は稗田病院敷地内にある援護寮ヒエダに入所していました。1年くらいそこから通勤しました。援護寮は、将来的には一人暮らしが出来るように生活技術の訓練をして身につけたり、社会生活が出来るようにする病院と社会の中間施設です。今は、援護寮ヒエダはありません。制度が変わり、なくなりました。

 私に対する援護寮ヒエダの職員の対応の仕方が変わってきたのに気付いたのは、援護寮に入所してから1年ほどした頃です。あるとき、援護寮の施設長と私が話したときに、SAMには施設長は最近、小言は言わなくなったのに気づきました。U施設長が私に、CIL下関での新人職員研修で勉強した障碍者の自立生活のことを聞かれました。私はU施設長に自立生活の自己決定・自己実現・自己責任のことを話していました。施設長は、私に対して、貴方は援護寮で規則を守ってきちんと生活できる人だから、自分の言動に責任を持って生活しなさいーみたいなことを言われました。私が気付いたときの前後の期間に、そういえば施設長は私に対して小言を言わなくなったなーと、その頃私は考えていました。

 今その頃を振り返ってみたら、施設長に援護寮での体験入寮の当事者の面倒を見るように何度か頼まれることがありました。また、援護寮に入寮した新人の面倒を見ることとかも頼まれました。援護寮の施設長のことを思い浮かべながら、今メンタルにゅーすの編集をしています。丁度その時、施設長だったUさんから職場にTELがありました。Uさんには大変お世話になりました。Uさんは、一人の人間として接してくれました。援護寮にいる間少しずつ注意を受ける回数が減ってきました。Uさんは私に対して服薬・通院を守って責任ある行動をとるようにと話してくれました。決して、自己決定・自己実現・自己責任とは言わずに自分の言動には責任ある行動をと、言われた事を今でも覚えています。Uさんは一人の大人として援護寮では接してくれました。今まで、病院では、統合失調症を罹患した患者として接す人が多い中で援護寮に入所した3年間大変お世話になりました。下関に来て一人の人間とし私に接してくれた人は、Uさんが初めてでした。

 いつの間にか私は援護寮にいる間に、病気と障碍に少しずつ対処できるようになりました。残存症状の幻聴と妄想には服薬剤を変えても消失する事はありませんでした。非定型抗精神病薬に変えて残存症状の消失に期待をかけていましたが、取れませんでした。私は、当事者や主治医や看護師さんに相談しましたが、幻聴と妄想があっても社会生活をしている当事者は多いよと教えてもらいました。

 それから15年が経ちました。病状の変化がありました。それは、私が残存症状に対処するようになって、仕事や生活が幾分か楽になりました。たったそれだけで、残存症状の20パーセントくらい楽になりました。80パーセントは頓服や定期薬などで気が楽になります。服薬には非定型抗精神病薬(リスパダール)を夕食後・眠前で併せて6ミリグラム服薬する事で病気と障碍に対処しています。

 私の罹患している統合失調症は妄想型です。妄想と幻聴の症状で穏やかに静かにしていると、私が精神病だと気付く人はいないのです。この2つの症状が無くなればなと思います。ここだけの話ですが、半減期を考えた非定型抗精神病薬の用量・用法を守り、何とか仕事をしながら穏やかで静かな生活をしております。時々、妻に愚痴を聞いてもらう事もあります。私も妻の愚痴を聞いています。夫婦が調子悪くなる時期が違うので、お互いがお互いをカバーしています。

 妻は抑うつ状態になる事があります。調子の悪いときにどうしたら良いか私は尋ねます。調理が辛いときは私がやります。洗濯をしてくれと言われれば、私がやります。洗濯物が乾けば、私がたたみます。掃除をしてくれと言われれば、私が掃除します。私の調子が悪くなれば、同じように妻がやってくれます。何でも、妻と私は持ちつ持たれつです。それがパートナーとして長く仲良く生活する秘訣ではないかと考えています。皆さんは、どのように考えますか。

 

【編集後記】

 私は、精神当事者の仲間に伝えたい、調子を崩したら焦らない・頑張らない・無理しないで状態が安定しているときに、自分自身の調子が悪い時の取扱説明書を作りましょう。私の場合は、服薬・通院を守ります。頓服を使います。そして、布団をひいてその中で安静にしています。調子が戻るまで、とにかく安静にしております。それであくる日には、調子が楽になります。このように、私の病気と障碍の対処法があります。長く精神病の病気と障碍を抱えていると、自分の取扱説明書らしきものがうっすらと分かってきます。とにかく、家で頓服をし、ひたすら安静に横になっています。私の場合は、状態が悪くなると早め早めに対処しています。眠れなくても布団の中で音楽を聴いて安静にしています。自分が落ち着く場所で、様々な状態の対処法を私は試しています。天気のいい日は、散歩などもします。私は、当事者として調子が悪くなったときのために、いくつかの対処法・服薬・頓服を試みながらそれらの組み合わせを考えながら、状態の悪化から鎮静化するのを穏やかに・静かに対応する事で、やり過ごします。当事者の皆さんは、仲間に私はこんな対処法をしているとか仲間同士で話し合ってください。仲間同士で、病気や障碍の対処法・制度の紹介・家族・親族との接し方等様々な事を話し合って、仲間同士の情報交換で地域社会生活を快適に暮らしましょう。

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