メンタルにゅーすヒエダ

 

「ゆっくり、もっとゆっくり

自分のスピードで」

2017年  Vol.233

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

TEL(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL    http://blog.livedoor.jp/npo_light/archives/cat_8979.html

私は仕事をしていると気づくことがあります。同じ仕事を健常者が処理すると自分より速く処理するだろうなと思うことってありませんか?私は仕事をしているとよく思い悩みます。それで、自己嫌悪に陥ることがあります。健常者のように速く仕事が処理できたらいいなと思います。ここでよく考えても、病気や障碍のせいで物事の処理が遅いのは今始まったことではありません。自分で気づいたのは、病気や障碍を持って就職してからです。

仕事をしていると、自分の仕事の処理スピードが遅いことに気づきました。しかしいまも仕事の処理スピードは変わりません。ここで私は考えました。健常者ができる仕事は彼らに任せ、病気と障碍を持った私はそれらに特化した仕事をすればいいのだと気づきました。そのように気づくと、自分の仕事のありようについて、取り組みについて、頭の中がすっきりしてきました。自分で思い悩んでいることが眼前にはっきり見えてきました。病気や障碍を持った当事者の自分にしかできないことをやればいいのだと気づきました。そういうことなら、多少処理スピードが遅くても私にしかできない仕事だからやりがいがあります。そういう仕事に取組めばいいのだと、自分の頭の中がクリアになりました。

私の妻は、同じ職場で事務の仕事をしています。彼女も、事務の仕事の処理スピードが遅いことに思い悩んでいる節があったことにSAMが気づくことがあります。しかし、彼女が事務の仕事を一人でやっていたのも、現在では彼女合わせて5人で仕事のリーダーシップをとっています。今の仕事のやりがいを彼女と話したことはありませんが日々のデーター、労務管理、給与の計算等、経理、人事、総務、庶務などの仕事をしています。

それらを、総合的に見る仕事で彼女の能力をふんだんなく発揮しています。個々の、事務のデーター処理や事務処理の仕事をするスピードが遅い反面、人材育成や、個々のデーターの総合的な判断等の考察等の仕事をやることには、能力を十分発揮しているようです。

今の彼女を観察すると仕事の思い悩みは、今はない様に見受けられます。また、今は事務の仕事を総合的に見る仕事で、他の事務職員の仕事のチェックやアドバイスの仕事、人材育成の仕事に満足しているようです。私も彼女との事務の仕事の話は守秘義務もありますので話し合うことはありませんが、粛々と仕事をし、くぐり抜けているようです。仕事での思い悩みは、彼女自身で考察し対処解決しているようです。それを見てSAMは、安心しています。

ところでSAMの仕事はと考察すると、なるほど病気と障碍を持った精神の当事者ならではの仕事をしていることに気づきます。ニュースレターのメンタルにゅーすは当事者ならではの情報発信をしています。JILの精神・知的のプロジェクトチームの仕事り、助成の申請の仕事も当事者ならではの仕事です。現実を言えば、メンタルにゅーすの月2号の発行で手一杯です。文章を紡ぎ出す仕事は結構エネルギーを使いますし時間を費やします。実際に、メンタルにゅーすはタイトルが決まればそれに向かって編集をしていけばいいので簡単ですが、毎回タイトルのネタを考えるのに時間を費やします。また、空いた時間には、精神の冊子の編集をしています。このようにSAMは病気と障碍を持った当事者ならではの仕事を担当しています。仕事の事務処理も、健常者に比べ少し遅いかもしれませんが、当事者の自分にしかできない仕事をこなしてやりがいを感じています。

私が、なぜ仕事で健常者と競争していることは、冷静に考えるとナンセンスに見えますが、気づかずに仕事を健常者ベースで仕事のスピードをしていることに気づきます。それではなぜ、SAMが健常者を目指して仕事をしているかというと、精神の病気と障碍が目に見えるものではないからです。普通にSAMを外見から見ると障碍者に見えないようです。また、五体満足ですから障碍者に見えないようです。それで、なんとなく無意識に健常者目指して仕事をしているのに気づきます。しかし、SAM自身が統合失調症を抱える精神の当事者であることはまがいのない事実ですから冷静に受け止めて、残存した病気と障碍に対処して仕事をするしかありません。自分が、精神の当事者であることを冷静に自覚して、SAMならではの仕事・運動ができればと考えています。

また、当事者は、自分の病気と障碍を考慮して、当事者のスピードで生活・仕事をすることをお勧めします。けっして、せったり、んばったり、りをしないことです。SAMは、これらの頭文字をとってアガムの法則と捉えていますがあせる・がんばる・むりをすると決まって調子を崩します。それで、冷静に病気と障碍を持った当事者SAMを自覚して自分のスピードになるようにダウンしています。ほんとに精神の病気と障碍を持って生きるということは大変なことなのです。

皆さんアガムの法則を念頭に仕事・生活を送ってくださいね。

【編集後記】

SAMは、運動や仕事をしていてきついとか疲れたとか、泣き言を言ったことはありません。今まで仕事を持った期間が20年くらいありますが、不平不満も泣き言も言った記憶がありません。それで、あせったり、がんばったり、むりしてきたのかなと思います。不平不満も泣き言も言わないのが理想的な勤労者かと思いますが、私はそういうことを言っても一向に構わないと思います。自立生活センターのように障碍者が主体となり運動や仕事をする中で、健常者と当事者職員との軋轢があるかもしれません。そんな中で働いていたらなおさらストレスがたまります。苦しいとき辛いときは皆で励ましあって運動や仕事をする中で共有することは、いっそう一体感が感じられて良いことだと思います。今回のメンタルにゅーすでは、精神の当事者SAMの抱える悩みやストレス等を考察してみました。皆様のお役に立てたでしょうか。当事者としてSAMは、自分のスピードで仕事や生活を送っています。これらを否定されたら、SAMの立つ瀬がありません・・・・・

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