| メンタルにゅーすヒエダ 「障害者状況」 | 2018年月日  Vol.246 CIL(自立生活センター)下関発行 ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM TEL(083)-263-2687 
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1.障害者の全体的状況
(1)3区分の概数
ここでは、身体障害、知的障害、精神障害の3区分による厚生労働省の調査から基本的な統計数値を掲載する。
身体障害、知的障害、精神障害の3区分で障害者数の概数をみると、身体障害者393万7千人、知的障害者74万1千人、精神障害者392万4千人となっている(表1参照)。
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  表1 障害者数(推計)(単位:万人) | ||||
|  | 総数 | 在宅者数 | 施設入所者数 | |
| 身体障害児・者 | 18歳未満 | 7.8 | 7.3 | 0.5 | 
| 男性 | − | 4.2 | − | |
| 女性 | − | 3.1 | − | |
| 18歳以上 | 383.4 | 376.6 | 6.8 | |
| 男性 | − | 189.8 | − | |
| 女性 | − | 185.9 | − | |
| 不詳 | − | 0.9 | − | |
| 年齢不詳 | 2.5 | 2.5 | − | |
| 男性 | − | 0.7 | − | |
| 女性 | − | 0.9 | − | |
| 不詳 | − | 0.9 | − | |
| 総計 | 393.7 | 386.4 | 7.3 | |
| 男性 | − | 194.7 | − | |
| 女性 | − | 189.9 | − | |
| 不詳 | − | 1.8 | − | |
| 知的障害児・者 | 18歳未満 | 15.9 | 15.2 | 0.7 | 
| 男性 | − | 10.2 | − | |
| 女性 | − | 5 | − | |
| 18歳以上 | 57.8 | 46.6 | 11.2 | |
| 男性 | − | 25.1 | − | |
| 女性 | − | 21.4 | − | |
| 不詳 | − | 0.1 | − | |
| 年齢不詳 | 0.4 | 0.4 | − | |
| 男性 | − | 0.2 | − | |
| 女性 | − | 0.2 | − | |
| 不詳 | − | 0.1 | − | |
| 総計 | 74.1 | 62.2 | 11.9 | |
| 男性 | − | 35.5 | − | |
| 女性 | − | 26.6 | − | |
| 不詳 | − | 0.1 | − | |
|  |  | 総数 | 外来患者 | 入院患者 | 
| 精神障害者 | 20歳未満 | 26.9 | 26.6 | 0.3 | 
| 男性 | 16.6 | 16.5 | 0.2 | |
| 女性 | 10.1 | 9.9 | 0.2 | |
| 20歳以上 | 365.5 | 334.6 | 30.9 | |
| 男性 | 143.1 | 128.9 | 14.2 | |
| 女性 | 222.9 | 206.2 | 16.7 | |
| 年齢不詳 | 1 | 1 | 0.1 | |
| 男性 | 0.4 | 0.4 | 0 | |
| 女性 | 0.6 | 0.6 | 0 | |
| 総計 | 392.4 | 361.1 | 31.3 | |
| 男性 | 159.2 | 144.8 | 14.4 | |
| 女性 | 233.6 | 216.7 | 16.9 | |
注1:精神障害者の数は、ICD-10の「V 精神及び行動の障害」から知的障害(精神遅滞)を除いた数に、てんかんとアルツハイマーの数を加えた患者数に対応している。
また、年齢別の集計において四捨五入をしているため、合計とその内訳の合計は必ずしも一致しない。
注2:身体障害児・者の施設入所者数には、高齢者関係施設入所者は含まれていない。
注3:四捨五入で人数を出しているため、合計が一致しない場合がある。
資料:
「身体障害者」
在宅者:厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査」(平成23年)
施設入所者:厚生労働省「社会福祉施設等調査」(平成21年)等より厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部で作成
「知的障害者」
在宅者:厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査」(平成23年)
施設入所者:厚生労働省「社会福祉施設等調査」(平成23年)より厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部で作成
「精神障害者」
外来患者:厚生労働省「患者調査」(平成26年)より厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部で作成
入院患者:厚生労働省「患者調査」(平成26年)より厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部で作成
これを人口千人当たりの人数で見ると、身体障害者は31人、知的障害者は6人、精神障害者は31人となる。複数の障害を併せ持つ者もいるため、単純な合計にはならないものの、国民のおよそ6.7%が何らかの障害を有していることになる。
なお、この数値の身体障害者及び知的障害者は、「生活のしづらさなどに関する調査」(調査の概要参照)によるもので、精神障害者については、医療機関を利用した精神疾患患者数を精神障害者数としていることから、一過性の精神疾患のために日常生活や社会生活上の相当な制限を継続的には有しない者も含まれている可能性がある。
(2)施設入所・入院の状況
障害別に状況をみると、身体障害における施設入所者の割合1.9%、精神障害における入院患者の割合8.1%に対して、知的障害者における施設入所者の割合は16.1%となっており、特に知的障害者の施設入所の割合が高い点に特徴がある。
2.年齢階層別の障害者数
(1)身体障害者
在宅の身体障害者386.4万人の年齢階層別の内訳をみると、18歳未満7.3万人(1.9%)、18歳以上65歳未満111.1万人(28.8%)、65歳以上265.5万人(68.7%)であり、70歳以上に限っても221.6万人(57.3%)となっている。
我が国の総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は調査時点の平成23年には23.3%であり、身体障害者ではその約3倍も高齢化が進んでいる状況にある。
65歳以上の割合の推移を見ると、昭和45年には3割程度だったものが、平成23年には7割近くまで上昇している。
(2)知的障害者
在宅の知的障害者62.2万人の年齢階層別の内訳をみると、18歳未満15.2万人(24.4%)、18歳以上65歳未満40.8万人(65.6%)、65歳以上5.8万人(9.3%)となっている。身体障害者と比べて18歳未満の割合が高い一方で、65歳以上の割合が低い点に特徴がある。
知的障害者の推移をみると、平成17年と比較して約20万人増加している。知的障害は発達期に現れるものであり、発達期以降に新たに知的障害が生じるものではないことから、身体障害のように人口の高齢化の影響を大きく受けることはない。以前に比べ、知的障害に対する認知度が高くなり、療育手帳取得者の増加が要因の一つと考えられる。
(3)精神障害者
外来の精神障害者361.1万人の年齢階層別の内訳をみると、20歳未満26.6万人(7.4%)、20歳以上65歳未満202.3万人(56.0%)、65歳以上132.4万人(36.7%)となっており、調査時点の平成26年の高齢化率26.0%に比べ、高い水準となっている。
65歳以上の割合の推移をみると、平成20年から平成26年までの6年間で、65歳以上の割合は31.5%から36.7%へと上昇している。
3.性別の障害者数
(1)総数
「平成23年生活のしづらさなどに関する調査」において、総数を性別にみると、65歳未満では男性が1,146千人(55.5%)、女性が917千人(44.4%)、65歳以上では男性が1,438千人(47.2%)、女性が1,586千人(52.1%)となっている。
(2)身体障害者
「平成23年生活のしづらさなどに関する調査」において、身体障害者数(身体障害者手帳所持者数)を性別にみると、65歳未満では男性が651千人(55.0%)、女性が530千人(44.8%)、65歳以上では男性が1,296千人(48.3%)、女性が1,368千人(51.0%)となっている。
(3)知的障害者
「平成23年生活のしづらさなどに関する調査」において、知的障害者数(療育手帳所持者数)を性別にみると、65歳未満では男性が323千人(57.7%)、女性が237千人(42.3%)、65歳以上では男性が32千人(51.5%)、女性が29千人(46.8%)となっている。
(4)精神障害者
精神障害者数を性別にみると20歳未満では男性が166千人(62.2
%)、女性が101千人(37.8%)、20歳以上では男性が1,431千人(39.1%)、女性が2,229千人(60.9%)となっている。
65歳未満では、男性が1,130千人(46.7%)、女性が1,290千人(53.3%)、65歳以上では、男性が467千人(31.0%)、女性が1,040千人(69.0%)となっている。
調査の概要
「生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」(厚生労働省)
在宅の障害児・者等(これまでの法制度では支援の対象とならない方を含む。)の生活実態とニーズを把握することを目的とした調査。全国約4,500の国勢調査の調査地区内に居住する在宅の障害児・者等を対象。これまでの「身体障害児・者実態調査」及び「知的障害児(者)基礎調査」(下記)を拡大・統合して平成23年12月に実施。
身体障害児・者実態調査(厚生労働省)
在宅の身体障害児・者を対象とした調査であり、5年ごとに実施していた。全国の国勢調査区から無作為抽出した調査地区内に居住する身体障害児・者及びその属する世帯を対象に調査していたもの。
知的障害児(者)基礎調査(厚生労働省)
在宅の知的障害児・者を対象とした調査であり、5年ごとに実施していた。全国の国勢調査区から無作為抽出した調査地区内に居住する知的障害児・者のいる世帯を対象に調査していたもの。
社会福祉施設等調査(厚生労働省)
全国の社会福祉施設等を対象に、施設数、在所者・従事者の状況等を調査するもので、毎年実施。10月1日時点での全数調査。
患者調査(厚生労働省)
病院及び診療所を利用する患者について、その属性、入院・来院時の状況及び傷病名等の実態を明らかにし、併せて地域別患者数を推計することにより、医療行政の基礎資料を得ることを目的とした調査であり、3年ごとに実施。全国の医療施設から層化無作為に抽出し、調査日にその医療施設で受診したすべての患者を対象に調査。
障害者の状況(基本的統計より)平成28年度版障害者白書(全体版)−内閣府―
  http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h28hakusho/zenbun/siryo_02.html
【編集後記】
 メンタルにゅーすVol.19「障害者動静」2007年4月に編集しました。あれから11年経ちました。各障碍者数の変化を指し示します。身体障碍者351.6万人→393.7万人、知的障碍者45.9万人→74.1万人、精神障碍者258.4万人→392.4万人となりました。障碍者総数で655.9万人→860.2万人と、ここ12年間で204.3万人増えました。特に精神障碍者の人数が134万人と増えました。ついで身体障碍者が42.1万人,知的障碍者が28.2万人増えました。世の中が複雑多様化されて、精神的ストレスが多いのかもしれません。各障碍共に在宅障碍者が多く、病院入院患者、施設入所者の順となっています。入所・入院患者数も精神、知的、身体と多いですね。家族親族の負担が多いのが現状です。在宅障碍者は身体、精神、知的の順になっています。医療技術や平均寿命が上がったことなどで障碍者が増えたのでしょう。しかし、これから少子高齢化率が高くなってくると、高齢者の生活は年金でまかなわれていますので、ますます生活が苦しくなっていくのは目に見えて分かっている事です。江戸時代の平均寿命が50歳くらいといわれていました。現在のように戸籍制度がなかったので確実ではない数字ですが現在の統計手法で計算するともっと短かったと考えられています。昔も精神障碍者がいたのは確実です。SAMが知っている過去の文献の中で一番古い資料で知っているのは、聖書でその中に「大いなる闇がやってきた」とかいてあり、これはうつ病の事だろうと考えられています。