メンタルにゅーすヒエダ

 

「パニック障害A」

201851日  Vol.251

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

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[どんな病気か]

 パニック発作といわれる、急性の強い不安の発作を繰り返す症状を特徴とする病気です。

 従来は、不安神経症の一部に含めて扱われてきました。そのまとまった病像の特徴から、独立した病気として扱われるようになりました。パニック障害と命名されました(1980)。従来の不安神経症は、パニック障害と慢性の不安状態が続く全般性不安障害と二分されたことになります(不安神経症)。

 パニック障害は、後に述べるように特別の原因やきっかけなしに急性に発症し、パニック発作を繰り返すことや、不安のため一人では外出したり乗り物に乗ることが困難になること(広場恐怖)、薬がよく効くことなどが特徴です。

[原因は何か]

 原因はよくわかっていませんが、心理的原因説は疑問で、脳内ノルアドレナリン系の過敏・過活動、あるいはセロトニン系の機能不全など、脳機能異常説が有力です。これらは薬の有効性の説明にもあてはまります。

 また、実験的な研究から、パニック障害の患者さんは、乳酸、炭酸ガス、カフェインなどに過敏で、発作が誘発されやすいことがわかっています。過労、睡眠不足、風邪などの身体的な悪条件や、日常生活上のストレスなど、非特異的な原因も、発症や発作の誘引(引き金、きっかけ)になることが知られています。

[症状の現れ方]

 パニック発作は、突然の動悸、胸苦しさ、息苦しさ、めまいなどを伴う強い不安と死ぬかと思うほどの恐怖に襲われ、多くの患者さんは心臓発作などを疑って救急車で病院へかけつけます。しかし、病院に着いた頃には症状はほとんどおさまってしまっていて、検査なども特別異常はみられず、多くの場合そのまま帰されます。

 しかし数日を置かず、また発作を繰り返し、次第に予期不安(発作のないときも、また起こりはしないかと恐れる不安)広場恐怖(もし発作が起こった時、逃げられない、助けてもらえない、恥をかくなどの場所や状況に恐れ、避けるようになること)が発展してきます。発作を恐れて一人で外出できなくなったり、医師から何もないといわれていても心臓を心配して運動をひかえたり、病院を転々として検査を繰り返したりするようになります。

[検査と診断]

 突発性のパニック発作の繰り返しと予期不安があり、原因になるような身体疾患がないのが診断の主な条件です。

 この身体疾患を除外するために、内科的な様々な検査が行われます。尿、血液、心電図、場合によって脳波検査など行われ、心血管系疾患、呼吸器疾患、甲状腺機能亢進症、低血糖、薬物中毒、てんかんなどなどが除外されます。

[治療の方法]

 治療法は、薬物療法と認知行動療法があります。

 通常は、まず抗不安薬(ベンゾジアゼピン誘導体:ソラナックスなど)、や坑うつ薬(SSRI:パキシル、ジェイゾロフトなど)、その他を使ってパニック発作が起こらないようにする治療を行います。副作用のことも考慮に入れたうえで、発作が起こらなくなるまでに十分な量を十分な期間服用し、発作がなくなって6ヶ月〜1年薬を続ける必要があります。

 次に、不安が軽くなってきたら、今まで避けていた外出や乗り物に少しずつ挑戦し慣らしていく訓練(暴露療法:行動療法の一種)を行います。また、ちょっとした動悸を心臓発作の前触れではないかなどと破局的に解釈する考え方の癖を直していきます(認知療法)。

 パニック発作は殆ど治りますが予期不安や広場恐怖はその後も長く続くことが多いです。

[病気に気づいたらどうするか]

 パニック発作を経験したら、まず内科などで身体に異常がないかどうかを検査してもらってください。異常がないのに何度も発作を繰り返すようなら、パニック障害の疑いがあります。

 正しい診断がなされず、過換気症候群、心臓神経症、自律神経失調症などの病名でパニック障害が見過ごされている場合も少なくありません。これはと思ったら、精神科か心療内科の専門医の診察を受けてください。

パニック障害 参照 https://medical.yahoo.co.jp/katei/040514000/?disid=040514000

 

【編集後記】

 SAMは、ある日突然夕方6時頃、胸苦しく息苦しくなり心臓が早鐘のように早く打ち始めました。冷や汗が出てきて死ぬかと思うくらい苦しかったです。妻に救急車を呼んでくれと言ったくらい苦しかったです。結局、救急車は呼びませんでしたが、妻が傍についてくれ2時間くらいで落ち着いてきました。

 翌日、SAMの精神科の主治医に診察してもらいそのときの状況も話しました。私が死ぬかと思っていたこと胸苦しさ息苦しさで、救急車を呼ぼうかと思ったと話すと、主治医は内科的な疾患の検査をしてみないと断定できないが、SAMにパニック障害の疑いがあると言われました。その診察では、パニック発作のときの頓服を処方してもらいました。SAMは自分では大丈夫だろうと考えていましたが、また発作が起きてあの死ぬかもしれないような胸苦しさ息苦しさはぞっとします。主治医は、今度パニック発作になったときは、@死ぬことはない、A発作はおさまる、なので落ち着いた対応をして安静にしておきなさいといわれました。その後にパニック発作が2度起こりましたが自分の状態を予期して頓服を使って何とかやり過ごしました。また発作が起こりはしないかと予期不安や広場恐怖が頭をよぎります。今は、パニック発作がいつ起こるかもしれないので頓服を持ち歩き、行動半径を縮小しています。

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