メンタルにゅーすヒエダ

 

「病気と障碍を抱えて生きていくこととは」

2019620日  Vol.275

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

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E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

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 人間の一生を考えてみると、赤ちゃん、園児、小学生、中学生、高校生、就職or大学生、就職、新人期、中年期、壮年期、退職、老人期となるのではないでしょうか?小学生の頃は、SAMは成績がいい人が人生は大成功すると思っていました。いい高校、大学、会社と・・・・・・・そのようにSAMは頑張って来ました。23歳で仕事を辞めて、ふるさと山口へ帰ってきました。幸いS市の会社に再就職しました。

 再就職先の会社で統合失調症を発病して、SAMの人生は20年ちかく右肩下がりになりました。統合失調症のことが分からず、不治の病と思っていました。42歳の時に、生活訓練施設援護寮に入所してから病気と障碍、制度、病気と障碍の対処、生活技術の習得、金銭管理、服薬管理などを身につけてから少しずつできることを増やしていきました。

 SAMの知見では統合失調症は脳の病気で心の障碍と考えています。私の場合、幻聴と妄想が残存していましたので、これらの対処が必要でした。幻聴・妄想ということが自分自身認識できていましたのでSAMには幸いでした。

 SAMが第一にしたのは病気と障碍を克服するのをやめる事です。また、統合失調症の第一選択治療が服薬・通院と分かったので、それらを遵守しています。それから、SAMは病気と障碍を受容するようになりました。SAMの病気と障碍と予後を勉強したことがとても役に立ちました。多くの障碍者が病気と障碍に向き合うことをしないで、これらに翻弄されていることをSAMはとてもやるせない気持ちです。SAMが病気と障碍の勉強をしたのは、制度の勉強をしていたときに、自分の病気と障碍に興味を持ったからです。病気と障碍を知らないと,残存症状に対処ができないと考えたからです。敵を知るには、まず自分自身のことから知らないといけません。そのように考えて勉強を始めました。

 現在のSAMがあるのは周囲の人達のおかげです。それと、職場ではSAMの病気と障碍をオープンで働いています。オープンで働くと調子が悪いときに早退や休暇をとりやすいので良かったです。また、生活や仕事を穏やかに送っています。人の噂話は一切しません。人の話をすると、いつかは巡り巡って自分も噂話のネタにされると考えてしません。ひたすら、人間関係は穏やかにしています。そうしないと、調子が悪くなってしまうからです。仕事では、陰日向なく真面目にしています。

 SAMは、現在ピアノのレッスンを受けています。楽器はギターとドラムができますが楽譜が読めなくて苦労したのでピアノを習っています。ピアノは右手だけはできますが左手と同時に引くのがまだできません。今ピアノの習得は山場に来ていますが頑張ってやっています。楽譜は右手の上の段だけ読み取れますが、下の段の左手の楽譜が右手の楽譜と同時に読み取れません。しかし,楽譜に,ドレミファの読みを書かないでも読み取れるようになりましたので進歩はしています。

 話がそれてきましたので元に戻します。精神障碍は他の障碍のように障碍を持って生きていくだけでなく、病院に通院して治療に専念しないといけません。病気と障碍の二重苦を持って生きていかないといけないので辛いです。また、世間の偏見・汚名・差別にも対して生きていかないといけないのが苦しいです。精神障碍者が罪を犯すとマスコミがこぞって、「精神科病院に通院歴がある、精神科の薬を服薬している」と新聞やTVで報じます。こういったことをSAMは見聞きすると悲しくなります。精神病者の検挙率は0.5パーセントくらいですが、これが原因で精神障碍者は怖い、何をするか分からないと言われてしまいます。そうすると世間の人達は、精神障碍者は病院や施設に入院・入所するべきだと言います。そういった考えがSAMにはとても悲しく辛いことです。精神障碍者でも大部分の人は地域社会でひっそりと穏やかに生活しているのにと思います。「森を見て木を見らず、木を見て森を見らず」と申しましょうか、当事者一人ひとり違います。一本の木を見て森全体を見てしまうのは違うのではないかと思います。SAMは差別される側の人間ですから、その気持ちが良く分かります。精神の当事者だってきちんと社会生活している人はいるのにと、考える当事者は多いと思います。

 SAMの病気と障碍は重度ですが、文章の読み書き、事業の企画立案などはできていますから、まだまだ幸いなのかもしれません。歳をとるに従い晩期寛解すると物の本に書いてありますが、SAMは晩期増悪しています。20181月抗精神病薬を1.5倍に増やしました。副作用かどうか分かりませんが昼間眠く、疲れやすいです。しかし何とか仕事も生活もやっています。

【編集後記】

 多くの精神障碍者が同じ当事者が事件を起こすと、心を痛めます。一人の当事者の事件で、他の当事者が差別や偏見、汚名を受けてしまうのが悲しく苦しいのです。SAMも同じ気持ちです。特に私は、措置入院を経験していますので同じ当事者でも最下層の人間だと自分自身を苦しめます。

 服薬・通院を守るだけで病勢を抑えて、寛解状態を保って、地域社会生活ができます。現在の私は、精神状態の異変を感じると受診につなげています。服薬を遵守していても、ストレスで調子を崩すことがあります。それだから、SAMは自分の状態をPCではありませんが1日に何度かアップデイトしています。また自分で自分を俯瞰している自分がいます。SAMは、病気と障碍の管理は徹底してやっています。しかし、それでも私は調子を崩すことがあります。

 ただSAM自身考えることは、当事者各自が調子を崩さないように努力していると思います。できることはすべて皆やっていると思います。SAMが一つだけ皆さんに伝えたいのは、服薬・通院だけでも遵守して欲しいなと思います。主治医や看護師が悲しく思うことは、服薬しないで調子を崩して入院する患者さんが、まだいることです。何より、そういった場合、入院した患者さんの時間がもったいないと思います。

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