メンタルにゅーすVol.28 メンタルにゅーすVol.28

 

メンタルにゅーすヒエダ

 

障害者と健全者と社会

 

2008年  Vol.28

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関 編集 SAM

Tel(0832)-63-2687

FAX(0832)-63-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL  http://members.jcom.home.ne.jp/s-cil/

 今、私は悩んでいます。不安です。それは、主に対人関係でのことです。私はこの6年間の殆ど職場で、怒り、声を荒げたことがありません。それは、私は精神病ですので、それに対する差別や偏見を感じていました。ですから、感情をずっと抑えていました。私は、心の中のずっと抑えていたものを外に出してしまいました。私は、今年2月より私の心のパンドラの箱を自ら開けてしまいました。それで、周囲の人が心配しています。感情が表出することはいいことです。しかし、まだ慣れていませんので強く出てしまいます。また、私も回りの仲間も、私の状態が悪化したのではないかと考え込んでいます。

今私は、どうすればいいのかさまざま考えています。このことは、今回のメンタルにゅーすを読んで頂ければ分かってもらえると思います。

日本の障害者の歴史をすごく昔までたどって調べたことがあります。弥生や縄文時代のことです。そのころにも、障害者はいたはずです。それは間違いありません。もっと昔にも、障害者はいたと思います。大家族で生活してコロニーのようなグループです。親族に障害者がいるとみんなでカバーしていました。彼等は、障害者が生まれると一生懸命、健全者が働き、富裕なグループへとなっていきました。お互いがカバーして生活を成り立たせて生きていました。

 特に精神病者は、脳の病気ですから食料の狩猟もできず、生活の殆どのことのセルフケアができませんので、この世を彷徨っていたかもしれません、死んでいたかもしれません。その当時、社会は、健全者は、もっとおおらかでのんびりしていました。

 現在、障害者運動は、何処の国でも身体、知的、最後に精神障害者の運動が起こっています。精神病は脳の病気であり、心の障害ではないか、特に人間関係の障害ではないかと思いますが、皆さんはどう思いますか?

 障害者運動をしている人の中には、「障害は個性だ」という人が居ますが、私は、彼等は間違っているように思います。自分たち一人一人の障害者が、素直に心を開いて変わっていかねばならないと私は考えます。

 つまり、私は何が言いたいか、それは現在のように複雑な社会で一方だけが変わるのではなく、お互いに考え方を変えないといけません。お互いの立場を考えて、向かい合って、譲れるところは譲り合いをしていかなければなりません。今回、メンタルにゅーすを編集していて、皆さんに是非お伝えしたいことがあります。お互いに障害者も健全者も考え方・意見も立場を考えて、変えて生きていきましょう。それでなければ、社会の中で共存・共栄できないのではないかと思います。

 お互いの気持ちを「共感」しましょう。共感は、同情することではありません。冷静に物事を考えた心の感じ方です。人間が他の動物と明らかに違う点があります。それは、火・言葉・道具を操る生物だということです。

昔、「人間は考える葦である」と、誰かが言っていました。人間は、言葉を使うことで、他者とコミュニケーションを図る、唯一の生物です。このコミュニケーションがうまくとれないのが精神の障害の一番大きなポイントではないでしょうか?

 コミュニケーションといえば、これがうまくいかないことで人と人がわだかまり、ケンカをし、戦争をしてしまいます。私の言葉が足りないのでうまく、皆さんに伝えることができないかもしれません。私は、誠実に・謙虚に・素直に・穏やかに生きていきたいです。しかし、私も人間ですから、嘘や見栄を張ります。でも、皆さんも本当は、このようなことをしてはいけない、こうすればうまく生きていけると言うことは分かっているのだと思います。

 私は、今まさに一皮むけて、変わろうと思い悩んでいるのだろうと思います。どうにかしたいのです。精神障害者も、どうにかしたいのです。ですけれども、それが周りにうまく伝えきれないので、感情を押し殺したり、健全者に依存して生きているのではないか、私は、そう思います。その方が、当事者には楽なのかも?しかし実は、当事者も人間ですから、感情表出し、喜怒哀楽を示して当たり前です。施設や病院の当事者を見ていれば、一目瞭然です。感情が真っ平らです。のっぺりとしています。それでみなさんは、いいのですか?私は皆さんに問いかけたいと思いますがいかがですか?

 今回は、この問いかけでメンタルにゅーすを閉めたいと思います。

【編集後記】

 私は、今、悩みぬいています。冷静に分析している、俯瞰した自分が居ます。私は、今まさに変わろうと変わらなければならない、ターニングポイントに立っています。それは、皆さんにも訪れていたことかもしれません。のんびり生きるときと、アンテナを張り巡らすことの強弱をつけて生きていきましょう。私には、そのONOFFの強弱に慣れてないだけなのではないのかなーって思います。

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