メンタルにゅーすヒエダ

 

「出来ないことはしない、出来ることを増やす。」

201993日  Vol.280

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

TEL(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL    http://blog.livedoor.jp/npo_light/archives/cat_8979.html

SAMは、仕事で上手く出来ないことがあります。

@    電話対応

A    対人対応(初対面は特に苦手)

B    臨機応変な対応

C    仕事での約束が出来ない(いつ調子が悪くなるかわからないので)

D    仕事上の計画はなるべく早く教えて欲しい(調子を整える期間が必要)

SAMは、出来ないことを出来るようにしなさいとは、上司のKから一度も言われたことはありません。これらのことに関しては上司や同僚のフォローで何とかこなしています。私が上記五項目を出来るようになるより周囲の人が対応する方が私より上手くいくのでそれはそれで私は彼らに任しています。

 反対に出来ることは以下の七項目です。

@    病気と障碍に対処して仕事をする

A    助成申請

B    自助会運営

C    ピアカン(11)、相談業務

D    冊子の編集

E    メンタルにゅーすの編集

F    他団体機関誌の管理

多分私はできないことを出来るようにしなさいと上司に言われていたら、仕事を辞めていただろうと思います。出来ないことを責められて出来るようになるのは、私の障碍の特性のように思います。あるとき上司に相談したことがあります。上司のKは「身体障碍者にリハビリをして身体が動くようになれ」と言うような無理難題と同じような話だから、「自分に出来ることを増やして、障碍を持ったSAMにしか出来ないことをやったらいいと思うよ」と言われました。そのようにアドバイスを受けてどうしていいのか暫くその後の2,3年分かりませんでした。CIL下関NPO法人らいとに入社して2年後からメンタルにゅーすの編集を始めました。これは。今でも続くニュースレターで、他に例を見ないほど継続しています。お蔭様でメンタルにゅーすは現在280号を発行しています。私のやっている仕事の殆どは、一人でコツコツする仕事で縁の下の力持ち的な内容の仕事が多いです。仕事では、自分ひとりで企画して、分からないことがあれば上司に報告・連絡・相談をしたりしています。SAMとしてはそういった仕事のやり方がたまたま自分にフィットしたのだと思います。精神の病気と障碍を持ったSAMには、このような仕事の取り組み方が今では良かったのでしょう。

 最近SAMは上司のKに尋ねたことがあります。「なぜ仕事のフォローをSAMにしないのですか」と話したら、Kは「SAMは仕事の企画は出来るし、必要なこと分からないことは相談してくれるので心配していない。またSAMは細かくフォローされると調子が悪くなると思うので、必要最低限のフォローしかしていない。」と話してくれました。

 SAMの仕事は、基本1人職です。企画立案から実施まで一人で始めて、ひとりで完結する仕事が多いです。自分にはオーバーワークであれば、応援を頼んで仕事をしますが、今まで仕事の応援は数えるくらいしかありません。SAMは基本分からない事は自分で調べて、自分の頭で考えてそれでも分からないときは上司や同僚に相談します。自分の仕事は一人職なので、仕事のスケジュールの調整はある程度自由度があります。それなので、何とかスケジュールを調整して仕事をしています。

もし、SAMが上司から出来ないことを責められてだめ社員の烙印を押されていたら、SAMのこれまでの実績はなかったように思います。SAMの上司も障碍を持った当事者だから、SAMに辛く当たることはありませんでした。今まで、さまざまな仕事をしたなかで、CIL下関の今の私の上司のKが一番SAMのことを理解してくれ、上手く対応指示してくれています。SAMは、井の中から大海に出て自由にのびのびと仕事をさせていただいています。それだから、これまでの職歴の中で勤務年数も毎年記録更新しています。今のところSAMCIL下関NPO法人らいとで何とか勤務しております。

特に職場でのコミュニケーションではあまり上手く取れていないように思いますが、上司や同僚が声掛けをしてくれていますので何とかみんなと意思疎通がはかれています。

 

【編集後記】

 SAMには幻聴と妄想が残存しています。それだから、人を信頼して心を開いてコミュニケーションが上手く取れないのかもしれません。人を信じて話が出来ないのは、幻聴と妄想で悪口や被害妄想がありますので、人との交流があまり積極的に行動出来てないのかもしれません。幻聴や妄想は病気と障碍の症状で現実にはありえない幻覚なのだと分かってはいるのですが、辛い症状です。それでも職場で長い付き合いの上司や同僚は、その人の人となりが分かっていますので、会話をすることもあります。勤務歴の短い同僚は、まだ私自身その人となりがつかめてないこともあり、上手く会話ができていないのかもしれません。人間は、社会性を持った生物です。社会の中で、SAM自身のありようを考えながら生きていかないといけません。自分と同じ病気で幻聴と妄想が残存する当事者の生き方、人生の捉え方が、当事者の皆さんのお役に立てばと思い、メンタルにゅーすを続けています。冊子を編集しています。私は1000人いて、その中の一人のお役に立てばと思い、仕事を、運動を、メンタルにゅーすの編集を、冊子の編集をしています。無造作にこれらを捨てたり、読んでくれない人もいるかもしれません。私はそれでも、モチベーションを保ち続けて仕事に、生活に張り合いを持って生きています。今までで一番うれしかったのは、SAMが編集した冊子をボロボロになるまで読み込んでくれた人が新しい同じ冊子を欲しいと見せてくれたときは、涙が出るほど嬉しかったです。今のこの仕事をやり続けていて良かったと思いました。

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