メンタルにゅーすヒエダ 「統合失調症ロナセン貼り薬」 |
2019年10月3日 Vol.282 CIL(自立生活センター)下関発行 ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM TEL(083)-263-2687 FAX(083)-263-2688 E-mail
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非定型抗精神病薬「ロナセンテープ」の製造販売承認取得について(2019年9月3日新発売)
大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博、以下「大日本住友製薬」)は、日東電工株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:ア 秀雄、以下「Nitto」)と共同開発を行った非定型抗精神病薬「ロナセン®テープ20mg、30mg、40mg」(一般名:ブロナンセリン、以下「本剤」)について、6月18日付けで国内における製造販売承認を取得しましたので、お知らせします。本剤は、世界で初めての抗精神病薬のテープ製剤であり、大日本住友製薬は薬価収載後に発売する予定です。
「ロナセン®錠/散」は、大日本住友製薬が創製した経口の非定型抗精神病薬であり、統合失調症を適応症として2008年4月より国内で販売されています。ブロナンセリンの血中濃度推移の更なる安定化を図るため、大日本住友製薬は、経皮吸収型テープ製剤の設計技術を有するNittoと、2010年より共同開発を進め、2018年7月31日に製造販売承認申請を行いました。
本剤は1日1回、皮膚に貼付することにより24時間安定した血中濃度を維持できるため、良好な有効性および安全性が期待できます。また、テープ製剤の特長から、貼付の有無や投与量を視認できるメリットに加え、食事の影響を受けにくいことから、食生活が不規則な患者さんや経口服薬が困難(嚥下困難等)な患者さんへも投与可能な製剤です。
このたびの承認取得により、大日本住友製薬は、統合失調症に対する新たな投与経路を持つ治療選択肢を提供することで、Shared Decision Making(SDM:患者さんと医療者等が共同で治療方針の意思決定を行うこと)の推進および服薬アドヒアランスの向上に寄与し、社会機能の回復をめざす統合失調症の治療に貢献できることを期待しています。
「ロナセン®テープ20mg、30mg、40mg」の概要
【販売名】 |
ロナセン®テープ20r、ロナセン®テープ30r、ロナセン®テープ40r |
【一般名】 |
ブロナンセリン |
【剤形・ 含量】 |
ロナセン®テープ20r:1枚中ブロナンセリン20r |
【効能・ 効果】 |
統合失調症 |
【用法・ 用量】 |
通常、成人にはブロナンセリンとして40rを1日1回貼付するが、患者の状態に応じて最大80rを1日1回貼付することもできる。 |
【ロナセン®について】
ロナセン®は、ドパミンD2、D3受容体およびセロトニン5-HT2A受容体に対する親和性を有しており、臨床試験において、統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想など)のみならず、陰性症状(情動の平板化、意欲低下など)に対する改善作用が示されています。大日本住友製薬は現在、錠剤および散剤を販売しており、テープ製剤の販売を準備中です。
【編集後記】
以前統合失調症の貼り薬がいずれできるだろうとメンタルにゅーすに記載したことがありました。もうできていたのですね。非定型抗精神病薬【ロナセンテープ】の製造販売取得したそうです。経皮吸収型テープで統合失調症の治療の選択肢が経口、皮下注射(デポ剤)、経皮吸収と治療の選択肢が増えてきました。当事者のアドヒアランス(長期的な症状の安定と地域生活を得るためには、当の本人の病気の特徴と治療の必要性を理解したうえでの治療の積極的参加)の下に治療が積極的になってくるようにSAMは思います。1日1回貼り替えるようですがSAMが使うなら風呂上りの夜に貼り翌日の風呂上りに使いたいなと思います。しかし副作用が出たときの薬の貼り薬があるのでしょうか?経口なのでしょうか?そのあたりが詳しく書いてないので良く分かりません。
ロナセン貼り薬テープだけで使うのでしょうか?単剤適量できればいいなと思います。いずれにしても当事者の状態が安定しているときに薬の変更をするのでしょう。
特に良いことは、経口服薬が困難(嚥下困難等)な当事者に投与可能なのはいいことです。ひとつ気になるのは貼り薬なので当事者の皮膚がかぶれないかも心配です。その辺のことは治験で確認を取っているのでしょう。SAMは統合失調症の治療が貼り薬になることで、統合失調症の差別・偏見・汚名が払拭されたらなと思います。ただし、テープの薬価が高いのではとSAMは心配します。
しかし、統合失調症の治療が経皮吸収になるテープだと薬の管理が楽になると思います。多くの患者さんが使ってくれれば治療の選択肢が増えることは良いことです。