メンタルにゅーすヒエダ

 

「人間はよき道へ

人生を最適化している。」

20191220日  Vol.287

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

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 自立の概念に自己決定・自己実現・自己責任という言葉があります。自立生活には大切な言葉です。私は物事を頭の中で考える事の統合ができません。幻聴と妄想があります。それで頭の中に雑念が入り、仕事がはかどりません。効率的な仕事を目指していますが、頭の中で統合が上手くいきません。幻聴の悪口、と被害妄想があります。独り言を言うのを精神科では独語(どくご)といいます。これは、幻聴の誰かと交わしているのを観察するときに独り言を言っているように見えるからです。

 私は自分で自分を認識できるまでに幻聴や妄想がありました。SAMが小さな頃悪い事

をすると、幻聴が私を正してくれました。それだから貧しくとも清く正しく清貧に生きていました。今思えば、幻聴が私の行動を注意してくれていました。それだから、悪い道に入らないようにしていました。今でも私を知っている友人は、「お前不良にも悪代官にならないでよく頑張ったな」と言ってくれます。今でもこのことに関しては、私にとって誇るべきことです。私は中学校・高校と悪の道に入らずに、清貧に生きてきました。

 私の言動は、良い事をすれば褒めてくれ、悪い事をすれば注意してくれる人が自分の心の中にいました。私を絶えず清貧な道へ行くように正してくれました。ただ大人になってから統合失調症を発病してからは、しっちゃかめっちゃかでした。小さな頃の幻聴と・妄想とは違い幻聴と妄想は大人になって悪意を持ったものになりました。つまり小さな頃統合失調症の症状があったのが、統合失調症を発病して幻聴の悪口と被害妄想が強くなりました。最初は病気と障碍の区別がつかず、幻聴の悪口・被害妄想が怖くて怖くてたまりませんでした。病気のせいでこのような症状が出ているという事が分かったのは自分で統合失調症の勉強をしてからでした。病気のせいで幻聴と妄想があることが分かって、その症状が出ても心は不安でしたが、それらの対処法を考えている自分がいました。

 ここからが本題の「人間はよき道へ人生を最適化している」です。私は自分の非現実(幻聴と妄想)と現実を1日に何回かアップデイトしています。これで正常な自分を保っています。また服薬を守っています。休憩時間にアップデイトして現実と非現実を彷徨っていることに気づきます。そして現実を正しています。オフィシャルでもプライベートでも私はアップデイトをするたびに現実を確認します。大体は休憩時間や昼休みにすることが多いです。人はさまざまな事を日中考えて生きています。仕事や話をしながらその事が上手くいくように思い直しています。つまり人間は良心との格闘の中でより最適化されたよき道を模索しているようです。人間には良心があるので良い事・悪い事の善悪の区別は誰でも気付いているように思います。ただそのような経験のない人は悪の道に入るようです。今は、SAMはその事が分かっているので、悪の道に入らないように気をつけています。また自分に悪影響を与える知り合いとは縁を切っています。それでSAMは清貧に生きています。今SAMは、自分の人生を最適化するのをアップデイトのたびしています。それと自分は統合失調症を発病して病識を持った時点から自分を俯瞰している自分に気付きます。俯瞰した自分が自分にトラブルを起こさないように注意して見張ってくれているように思います。俯瞰した自分がSAMを何度助けてくれたのか数知れません。それだから自分は自分にトラブルを起こさないように俯瞰した自分が注意してくれます。こういった症状も幻聴や妄想のある自分のいい面での自己管理なのか知れません。多くの場面で俯瞰した自分を自分で見ている自分が助けてくれるのは非常にありがたい事です。このように、幻聴と妄想が良い面に働く場合もあります。多くの場合、私は悪い幻聴と妄想が多いですが、たまに、SAMをいなして穏やかにしてくれる事があります。それは自分の態度行動が穏やかなときに起こる事が多いです。

 もう一度言います。人間には良心があります。それが人間自身を最適化されたよき道にいざなってくれます。皆さんもこの良心の声に耳を傾けるようよき道をたどれるように自分自身を正す事ができます。SAMはそう考えてよき上司、よき仲間、よき友人、よき主治医、よき看護師、よき福祉従事者にサポートされています。彼らのおかげで足元を踏み外す事がないように思います。

【編集後記】

 私が下関に移住してから知り合った友人、知人、医療関係者、福祉従事者、上司・同僚はSAMには好結果を残す人たちで幸いです。「朱に交われば赤くなる」ということわざがありますが、まことにその通りです。悪い人と付き合えば悪くなり、良い人と付き合えば良い人になります。私は下関に移住してよかったと思います。2001年精神科病院を退院して、稗田病院の敷地内の援護寮ヒエダに入所してから私の人生の転換点だったと思います。今は援護寮の制度はなくなりましたのでもうありません。生活訓練で入所できる施設はあります。私は、援護寮はそれなりに意味のある施設だと認識していますが皆様はいかが考えますか。私は、援護寮から社会復帰した当事者は再入院率も低く長く地域社会生活をする人は多いと思っています。私には、自己決定・自己実現・自己責任が担えて、地域で自立生活ができて好結果が実現できましたので良かったなーと思います。同じ時期に援護寮で入所していた仲間は、私と違い退所して再入院もしないで地域で自立生活を送っています。援護寮が再復活すればなと思うのは私だけでしょうか。私は退所後調子を崩して再入院をしましたがまた社会復帰したのに役に立ちました。何故厚労省は援護寮制度をやめたのか分かりませんが、性急に効果を求めたからだと私は考えています。時は移ろい変わるものです。私たち精神障碍者が住みやすい社会になればなと思います。

 ここで皆さんに念を押します。よき人とできるだけ交流を持ちましょう。そうすればよき人で穏やかな自分でいられます。自分に悪影響を与える人とは付き合わない事です。よき人は自分の周りにいます。ですから気付ける自分でいましょう。

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