メンタルにゅーすヒエダ

 

「自分の病気や障碍を知ろう」

202085日  Vol.302

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

メンタルひえだTEL(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL    http://blog.livedoor.jp/npo_light/archives/cat_8979.html

 SAMは発病して,病気と障碍を20年間知りませんでした。それで損や苦労をしましたし、職に就いても長く続きませんでした。20年後に病気と障碍関係を勉強して、何故今まで勉強しなかったのかと悔しかったです。

 3回目の退院にあわせて、援護寮で生活訓練(掃除・洗濯・整理整頓・服薬管理・金銭管理等)をやり3年間入所しました。これらのことをきっちりできるように頑張って身につけました。この中でも服薬管理と金銭管理をするのが難しかったです。服薬を忘れたり、お金はすぐ遣ってしまい大変苦労しました。服薬を守っていれば、穏やかに安心して過ごせます。金銭管理はきちんと計画的に遣わないとお金はなくなり死活問題です。多くの当事者が金銭管理できなくて、苦労していることと思います。

 援護寮で生活訓練と病気と障碍の勉強で時間を費やしました。幸い援護寮では、自分の病気と障碍を勉強したことをニュースレターにして編集していました。医療関係者や福祉従事者、当事者に取材して援護寮に入所していた3年間続けました。勉強しましたらもっと早く取り掛かっていなかったのが自分自身悔しかったです。

 勉強しながらニュースレターを作っていたのが結局、下関にきてから21年になりました。今は自立生活での気付きとしてメンタルにゅーすヒエダを編集しています。自分の病気や障碍を知るのがきっかけで自立生活ができ結婚もできました。まず病気や障碍のことを知らないと対処ができません。また、服薬管理もできません。ちゃんと理由が分かれば、様々な生活管理ができます。敵を知るには、まず自分を知らないと対処できません。

多くの仲間達が服薬管理できずに入退院を繰り返しています。このことは回転ドア症候群とでも申しましょうか、当事者は入退院が多いですね。病気と障碍を勉強すると捕らえるつぼが分かります。私が、発病した時は統合失調症が精神分裂病と呼称されていた頃でしたので、不治の病と考えられていました。SAMもそう思っていましたが、勉強すると治癒はしないが服薬をすることで病勢が軽快することがわかり、休火山の寛解状態を続けることができ自立生活も無理ではありません。

それで、私は何とか病気と障碍に対処して自立生活をしていますし、結婚もしました。多くの仲間が地域社会で自立生活ができる参考になるように、何とかメンタルにゅーすを続けています。SAMも病気と障碍を抱えて39年が経ちます。自立生活をして20年が経ちます。私のような凡人にできることが、皆さんにできないわけがありません。失敗を繰り返しながら成功の達成感を味わいましょう。必ず自立生活はできます。

この事を皆さんに気づいてほしいのです。希望と目標を持って生きていきましょう。SAMは、自暴自棄な期間が20年間ありました。やけくそになりむちゃくちゃな生活を繰り返してきました。服薬も不規則でした。今思い出すと病気と障碍に対して綱渡りをしていたなと思います。危ない、いつ落ちるかもしれない綱渡りです。そんな私が、発病して20年後に3回目の退院にあわせて生活訓練施設援護寮に入所して、自分のこれまで甘かった病気と障碍への知識を勉強して精神をたたきなおしました。自分の身の振り方は自分で決めるべきです。まさに自己決定・自己実現・自己責任を担って、当事者は生きていくべきです。

今は、病院や施設を退院・退所させて、当事者を地域移行させる方向に行政も力を入れています。当事者の皆さん決して諦めないで下さい。地域社会生活をするために訪問看護や介助者を入れて自立生活を継続している人は多いです。400万人ちかくいる精神の当事者の30万人前後が入院しています。殆どの精神障碍者が地域生活をひっそりと穏やかに送っています。しかし、入退院を繰り返す当事者は多くいると聞きます。服薬・通院、規則正しい生活は最低限実行しましょう。精神病の第一選択治療は服薬です。服薬は再発防止と状態の安定化の効果があります。皆さん、これらは必ず守りましょう。私も服薬を続けていると確かに再発防止と状態の安定することが実感します。

SAMは、多くの仲間が地域社会生活できることが実現する世の中を望みます。今でも精神障碍者に対して差別・偏見・汚名はあります。これらのことに対して精神障碍の啓蒙をしていければなと思います。20世紀はTVや映画で精神障碍者を悪意に満ちた登場のさせ方で、差別・偏見・汚名を生み出しました。SAMはこれらの啓蒙のためにもメンタルにゅーすを編集しています。一人でも多くの人に誤った考え方を啓蒙していきたいです。

多くの当事者や健常者に理解と啓蒙を図っていければなと考えています。皆様の温かいお心を期待します。

【編集後記】

私は統合失調症を抱えて様々な差別・偏見・汚名を受けてきました。それが家族・親族、知り合いでありました。結局、自分は故郷のS市から下関市に移住しました。そして誰も自分のことを知らない下関市で、一からやり直しました。20年くらい時間はかかりましたが何とか結婚もしてやり直しました。時間はかかりましたが今は何とかやっています。多くの当事者が地域社会で生活することができる世の中であることを期待します。私は世の中で小さな存在です。しかし、メンタルにゅーすを編集することで僅かの人の役に立てばと考えています。たとえ、それが数人でも役に立てばと思います。SAMは、病気や障碍に対して特別な対処や受容をしているわけではありません。当事者のだれもがやっている同じようなことをしています。散歩、音楽鑑賞、安静、早退・休暇・短時間就労等です。

 多くの当事者に伝えたいことは、人生簡単に投げ出さないことです。継続することです。それがどんなにつまらないことでも、継続すれば、それが力になり周囲を巻き込んで大きな力になります。SAMは、そう考えて仕事や地域社会生活をしています。どんな状況ででも道を開く活路は必ずあります。

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