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「生活保護制度の理解」

2020年月日  Vol.309

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

TEL(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL    http://blog.livedoor.jp/npo_light/archives/cat_8979.html

1.制度の理解

   生活保護は、経済的理由で困っている人に対して、衣食住など基本的な生活を保障する制度です。

   生活保護には、他の経済的支援とは大きく異なる特徴があります。それは対象となるのが、本人の預貯金や労働能力、家族(扶養義務者)等による経済的支援、年金や手当て等の社会保障制度などのあらゆる手段を講じても尚、経済的な困難から抜け出すことができなかった人であるということです。それはつまり、本人にもっと預貯金があったり、現在の労働市場に応えるスキルを身につけていたり、良好な関係にある家族が裕福であったり、社会保障制度がさらに整備されていれば生活保護の利用に至らなかったということでもあります。しかし、そこには、景気や労働市場の問題、家族の経済状況、社会保障整備の不備など、本人にはどうすることもできない要因も大きくかかわっているのです。

   生活保護で保障されるのは、「死なない程度」の生活でなく、日本国憲法第25条によって保障されている「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ことのできる水準の生活です。この水準を上記のような手段を講じても下回った場合に、生活保護の支給が決定することになります。

2.実施機関

 生活保護の相談や申請の窓口は、生活保護を利用したい居住地(居住地がないか明らかでない場合は現在地)を保管する福祉事務所になります。都道府県や市(特別区)には福祉事務所が必ずありますが、町村では設置されていないことがあります。その場合は、都道府県の福祉事務所の担当となりますが、保護の申請や保護費の受け取り(福祉事務所から依頼があった場合)なども町村の担当課で行うことができます。

3.対象

 経済的に困った状態になった理由ではなく、実際にどの程度困っているのかによって、対象となるかどうか、どの程度の支給を行うか判断します。

生活保護では、利用できる資産(預貯金や生活に利用されていない不動産等)、能力(労働ができるなら労働能力)、その他あらゆる物を活用することが支給の要件となっています。そのため、扶養義務者から扶養(金銭的な支援)を受けることができる場合はこれを活用し、労働、年金、手当、扶養義務者からの援助などによる収入が最低生活費(国が定めた最低限度の生活を維持するために必要な費用)を下回っている場合、これに達するまでの部分が生活保護から扶助されます。

 注意してほしいのは、生活保護が世帯単位で行われることです。世帯とは親族関係にあるかを問わず、同じ住居に住み、生計を一つにしている人たちのことです。その世帯に属する人全員の資産、所得等を合算した収入がその世帯の最低生活費を下回った場合、その世帯全員が生活保護の対象になります。

 生活保護の扶助は、以下の8種類で構成され、世帯の状況に応じて必要な扶助がなされます。

生活扶助

飲食物、被服費、光熱費、家具什器などの日常生活費

特別な需要に対応する加算(障碍者加算)

住宅扶助

賃貸住宅の家賃や借地の地代など

医療扶助

入院、診察、投薬、注射、手術などの医療サービス

教育扶助

学用品、給食費など義務教育の就学に必要な費用

介護扶助

介護保険サービスの自己負担部分又は介護サービス

出産扶助

出産に要する扶助

生業扶助

生業費(小規模業の運営資金)、技能習得費(高等学校等就学費など)

就職支援費(就職に必要な衣服等の購入費)

葬祭扶助

遺体の検案、運搬、火葬等に要する費用

4.支給額

生活扶助、住宅扶助、教育扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助は原則、現物給付(実際のサービス)として提供されます。

●級地制度

生活保護では、生活様式や物価などによる生活水準の差に配慮して、生活保護の基準に地域差が設けられています。地域は6区分(1級地−11級地−22級地−12級地−23級地−13級地−2)されています。そのため、世帯員の数、年齢、収入等がまったく同じであっても居住地の級地が異なれば支給される保護費が異なることもあります。

5.支給方法

保護費は毎月、支給されます。窓口で手渡しの場合と口座振込みの場合とがあります。医療扶助、介護扶助は、必要なときに医療機関や介護機関から原則現物給付(実際のサービス)として提供されます。

6.根拠

生活保護法(昭和2554日法律第144号)

【編集後記】

 生活保護の申請が、全国で一番厳しいのは福岡県北九州市といわれています。困って申請に来た人を説得して受け付けないで、自宅で餓死した人がいました。それでも北九州市の保護課は申請者の受付をしないで説得しています。本当に生活保護が必要な人と不正に受給している人と見分ける力がないのかなとケースワーカーに不満があります。医者を脅して診断書を書かせている人や夫婦だった人が偽装離婚して別々に生活保護を受けたりする人など様々いますがどうなんでしょうか。

 私も統合失調症発病から20年間受給していました。ケースワーカーは自分が生活保護のお金を支給しているように横柄な態度で私に対応していました。この人いったい何を考えているのかと思うケースワーカーもまだまだいるようです。本当に生活保護が必要な人とそうでない人の見極めの眼力が試されます。生活保護者が少ない自治体がいい自治体とでもケースワーカーは考えているのでしょうか。私は、生活保護を受給していましたが、ケースワーカーはそっけなく横柄な人でした。幻聴や・妄想で苦しく辛いときでも就労を勧められていました。一般就労して自活することがその人に一番いいことなのかなーと考えさせられます。

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