メンタルにゅーす

ヒエダ

Vol.315

うつ状態の対応の仕方

2021年月日  Vol.315

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 SAM

TEL(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL    http://blog.livedoor.jp/npo_light/archives/cat_8979.html

 

@  励ましは逆効果。温かく見守りましょう。

「頑張りたくても頑張れない」これがうつ病の患者さんの悩みです。そのため「頑張って」などという励ましの言葉はよけいに患者さんを追い詰めます。ただ、温かく見守ってあげることが何よりも励ましになるのです。

A  考えや判断を求めることはやめましょう。

当事者自身に判断を求めることは、なるべく避け、「夕飯はカレーにしようか」などというふうに、日常生活においてなるべく提案してあげるようにしましょう。

B 外出や運動を無理にすすめず、とにかくゆっくり休ませましょう。

うつ病の治療の基本は薬と休養になります。まずはゆっくり休ませて、当事者のこころやからだに溜まった疲れをとってあげるようにしましょう。

C  重要な決定は先延ばしにさせましょう。

決断が鈍って、優柔不断になっている患者さんに「仕事を休職にするかどうか」というような大きな決断を迫るのは当事者を追い込みます。当事者が決断するまでゆっくり待ってあげましょう。

D  家事など日常生活上の負担を減らしてあげましょう。

まじめで責任感の強いタイプの当事者が多いために病状が悪くても無理して家事などをしようとしてしまいます。なるべく、家族のほうが家事などの負担を減らしてあげるようにしてあげましょう。

E  できるだけ通院に付き添い、受診に同席しましょう。

医師により多くの情報を正確に伝えるためにできるだけ受診に同席してください。また、医師の説明を、当事者と一緒に受けることでうつ病への理解が深まります。

F きちんと服薬をするように気をつけてあげましょう。

当事者が症状の軽減や薬の副作用に対する不安から、自己判断で薬の服用をやめてしまうことがあります。このようなことはうつ病の回復を遅らせるので、薬の服用を続けるようにサポートしてあげてください。

G 気長に回復を待つことが必要です。

H 自殺の予防が最も重要です。

[死にたい]と言う言葉が出たら、冗談に聞こえても、笑顔を見せていても、決して軽く考えず治療を進めてください。絶対自殺をしない約束を本人と交わすことも必要です。この約束が自殺の大きな歯止めとなります。また、回復期無理をして自殺を引き起こすこともありますので注意してください。

I 怠けているのではないのです

     うつ病の方は決して怠けているのではありません。じっと静養することが必要なのです。

J 焦らないようにしましょう

    必ず治る病気なので家族や周りの方も決して焦らないで見守ってください。

 

 うつは精神活動が下がって、活動量も低下します。何もしないで寝ていたりしますので、怠けていると誤認されることもあります。現在では、うつの認知率は高いのでその辛さは分かっている人は多いです。うつは、安静にすることが第一です。周囲の人達の理解が大切です。多くのうつ病疾患者は、その辛さを訴える人が多いので、また周囲の人に相談したりするので、また他人の話を聞き入れるので受診率は高いようです。しかし活動量が減退するのと、自分が病気ではないと言う相反した半面で受診しない人も多いと聞きます。また一般に【うつは心の風邪】と言う誰でもなる風邪のようなものでほおって置けば治ると安易に考える人も多いです。しかし、うつは治療しないと重度化しますし治りません。自分がうつかなと思ったら精神科の門をたたくべきです。

 今回、うつ状態の対応の仕方を列挙しましたので、うつ病のことが少しは分かったと思います。うつは誰にでも罹る病気です。安易な考えで風邪みたいにほおっておけば治ると考えていると大変なことになりますよ。

 

【編集後記】

 今回シリーズに分けて4回、精神病者に目立つ状態の対応の仕方を掲載しました。

   1.幻覚(幻聴・幻視など)がある人の接し方

   2.妄想がある人の接し方

   3.躁状態の対応の仕方

   4.うつ状態の対応の仕方

 人間は五感で感じる生き物です。五感とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚のことです。 大和言葉では「ミル」、「キク」、「カグ」、「アヂハフ」、「サハル」と言います。その中でも第一に挙げる視覚から物事を認知します。精神病は一見して分かる病気と障碍ではありません。幻聴や妄想で奇妙な言動をします。それで、この人は狂っている。何を言っても判断できないし、分からない人とレッテルを張られています。

 私がメンタルにゅーすを編集しているのには理由があります。世の中のすべての人達に、精神の病気と障碍を持っていても服薬と通院を守って病気と障碍に対処していれば、地域社会生活ができることを、SAMの身を持って証明しています。メンタルにゅーすを発行することが障碍者運動になるかどうかは分かりません。しかし、世の中の人を啓蒙しないと社会は変わらないと思います。

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