メンタルにゅーす

ヒエダ

Vol.325

精神薬は本当に効いてるの!」

2021720日  Vol.325

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 白夢(SAM

TEL(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL    http://blog.livedoor.jp/npo_light/archives/cat_8979.html

私は、当事者として自分の判断で服薬・通院が必要と考えています。そのように考えて統合失調症と共存して生きてきました。発病して幾多の順境な状態・逆境な状態を経験してきました。その中で薬を勝手に調節したり、断薬した経験があります。病気や薬の勉強をして、危うい生活を送ってきたなと思っていました。今は、自分の病気と障碍を受け入れて何とか対処して生きています。定期的な服薬を守って統合失調症と共に共存しています。

薬の勉強をして、精神薬は1日や2日で薬効が出るような薬ではないのは、SAMが統合失調症と共に39年生きてきて分かりますし、少なくとも半月はかかると思います。ましてや薬が効いているのは、自分の病気や障碍との寛解状態で2,3年を振り返ると良く分かります。調子は大きなリズムのゆれとその時点の小さなゆれがあります。状態は、このように大きなゆれと小さなゆれで構成されています。小さなゆれは大きなゆれのその時点の細かな振動のように感じます。状態は毎日、日によっては午前と午後で、数十分単位で状態が変化するときがあります。そのような状態はめったに起こりませんが、私の心の中の目は絶えず自分自身を見張っています。そのような大きなゆれのダイナミックな状態の変化と共に、その状態での小刻みなゆれを両方感じながら、この39年間を統合失調症と共に生きてきました。

このような状態で統合失調症と共存して生きてくると、残存する幻聴と妄想の駆け引きになります。幻聴や妄想は症状があっても、これは幻聴、これは妄想という病識があるときと、なんとなくそれらに引っ張られることがありますし、囚われているときがあります。数時間たって、この感覚は幻聴・妄想と判断することがあります。私には以上のような状態がありますが、半月、2,3ヶ月の変化と2,3年から数年の変化とダイナミックな期間と日々の毎日を振り返りながら何とか病気と障碍を抱えて生きていますし、薬効を感じています。病者であっても所詮人間で機械や電子機械のように装置として人間を理解してもコンピューターのように毎日を克明に記録して生きてはいけません。人間には特殊な才能があります。それは、忘れていくという才能です。忘れながら記憶していくことができます。これは脳の進化した人間に顕著に理解されることです。

何を話していたのか、少し話が横道にそれてきました。薬が効いているか効いてないか考えることがあります。私が、服薬していて、その薬効を感じるのは、朝決まった時間に起きて食事をし、出勤するのを無意識にできているときに、退勤して夕食を妻と迎えたときに、穏やかな生活が送れているときに薬が効いているなと感じます。毎日毎日薬が効いていると感じるよりも、毎日毎日私の場合は仕事を続けているときにこの穏やかな満足感を感じるときにふと服薬していて良かったと実感します。

精神当事者として私が服薬に対して考えることは、めがねやお守りと考えて続けています。だって、過去に服薬が不規則になって入退院を繰り返した経験で、自分には服薬・通院が必要だと考えて、病気と障碍と共に生きています。入院すればその時間自由がないし、長い時間で考えると無駄です。入院して自由がないのと、服薬しながら自立生活できるのと、どっちがいいと聞くと答えはおのずと決まります。私は服薬を守って地域社会で自立生活をするほうがいいですが、皆さんも同感ではないでしょうか。服薬・通院をしながら、地域社会で穏やかに過ごして生きていけることは、私にとっては生きがいを感じます。毎日の、変わらない生活の繰り返しがSAMの人生を積み上げています。私が薬について、今後服薬は主治医が止めてもいいといわれても、わずかな精神薬を服薬してお守りのように生きていこうと考えています。

服薬と通院は私にとっては大切なことです。精神病は治癒しません。寛解するだけです。病勢を服薬で調整することはできますが、現代の医学では治癒することはありません。それは、私が残存する幻聴と妄想を抱えて生きてきた39年間が証明しています。服薬と通院を守って、病気と障碍に対処しているだけです。私にできることとできないことを考えても、少なくともあと20年たっても医学は変わってないと思います。それだから私は、80歳になって生きていても、服薬と通院を守って長生きしたいです。そばには、私の妻がきっと一緒に長生きしているように思います。私は妻と49歳と47歳で結婚しました。彼女は性格が穏やかで聡明です。SAMにはもったいない妻ですが、彼女とめぐり合えてよかったです。二人とも平均寿命まで生きるとしたら、80歳がターニングポイントです。女性の妻のほうが長生きしますので、私は80歳くらいまで生きていればと思います。いずれにしても、人間未来のことは分かりません。穏やかな時間の経過があればいいなと思います。

【編集後記】

 精神病を罹患して、ふとした時に自分は服薬がもう必要ないと思うときがあります。私は、統合失調症を抱えて39年になりますが、過去に二度ほど、もう服薬しないでもいいのではとふと頭の中をよぎることがありました。服薬を止めて、案の定調子が悪くなり入院してしまいました。私は、この経験で精神病を主治医の判断で、もし私がもう服薬は必要ないと言われても、少しの精神薬の服薬を続けることを望みます。当事者の皆さんも、長く自分自身の精神症状が安定していたときに、もう服薬は必要ないとそのような思念が思考の中をよぎるかもしれませんが、服薬を継続することをお勧めします。白夢(SAM)は基本服薬は、めがねやお守りのようなものと考えていますのでこのまま服薬は続けようと思います。服薬が不規則になって、断薬をして調子を崩す当事者が少なくありません。薬はもう必要ないのではと、そのような思考が頭の中をよぎったら、まずは主治医に相談をしてください。勝手な判断で服薬を止めないようにご注意ください。

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