メンタルにゅーす ヒエダ Vol.334 「障碍を持つ、 障碍がある?」 |
2022年1月5日 Vol.334 CIL(自立生活センター)下関発行 ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 白夢(SAM) TEL(083)-263-2687 FAX(083)-263-2688 E-mail
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ここ数日考えていたのですが、「障碍を持つ」「障碍がある」の二つの表現です。病気や障碍・怪我は本人の意思に関わらず、ある日突然に罹患するものです。それで「障碍を持っている」と言う表現は、ちょっと違うなと思います。障害者は自分の意思で障碍を持ったわけではないからです。障害者と言う表現も「障害者、障碍者、障がい者」等と言うより「障碍のある人」が正解なのではと考えるのは白夢だけでしょうか?もともと、目の前のバリアー、壁のような表現で「障碍」として扱われていたのが第二次世界大戦で負けたので、GHQが日本語表記で当用漢字を決めそのほかは平かなになりました。当用漢字に「障碍」と言う漢字が入ってなかったのでおなじ読みの「障害」を使いました。これを人に使った表現は、身体障害者福祉法で「障害者」と法律に明記されました。障害者がまるで悪い意味でとられるような意味で使われました。それから80年ちかく「障害者」と使われて忌み嫌われてきました。1980年代から障碍者自立生活運動が当事者により始まりました。「障害者」を白夢は「障碍者」と使って表現しているのは以上のような理由があります。「障碍者」という表現を使おうよと「心の元気+」雑誌で取り上げられましたがどうなんでしょうか。
私はこれまで「障碍を持っている」と使っていますが「障碍がある」というのが正しい表現でした。「障害者」は「障碍者」を使うのはこれまでと変わりありません。
「障害」の「害」は「害獣、害鳥、害虫」の悪い意味に囚われやすいので「障害」の「害」は「碍」を使います。それにしても言葉の使い方一つで差別・偏見・汚名の受け方をするのは良くないので「害」の字を「碍」につかってほしいです。私は「障碍者」表記を2008年からずっと使ってきました。その頃に障害のイメージが碍のほうがいいなと考えて使い始めました。障碍の碍の字を使ってマイナスイメージが楽になるので使い始めました。
白夢は「障碍がある」のが正しい使い方なのを今回考えて、自分自身納得した気持ちになりました。障碍を持っているのではありません。障碍があるのです。私の意思で病気と障碍を持ったわけではありません。障碍を持つのは私の意思ではありません。
「障碍がある」と「障碍者」と言う表現を白夢の心に刻んで踏まえて生きていきたいと思います。法律の中の「障害者」も「障碍者」に変えてほしいのは白夢だけの考えでしょうか?統合失調症も精神分裂病から呼称が変わるまでに100年近くかかったので、法律の中から呼称が変わるのは時間が掛かるでしょう。健常者が尊ばれる優生思想などと言うものが人間の心の中からなくなるのはもっとずっと先なように思います。理想は健常者・障碍者という言葉がなくなればいいのですが、言葉がなくなるのは難しいでしょう。
ほんの些細な言葉の表現で差別・偏見・汚名が生まれます。白夢も言葉の使い方には気をつけないといけません。2003年、「精神分裂病」の呼称表記が「統合失調症」と変わったことにより、当事者への告知率が上がったように思います。マスコミも一時期この言葉をもてはやしましたが一過性のもので終わりました。20代の人でも統合失調症が精神分裂病の事であるいう事を知っている人がいるので、教育の中で統合失調症が、昔精神分裂病と呼ばれていたと言うような教え方をしているのかもしれません。統合失調症者が、2重人格、何をするか分からない、何かあったらどうするんだと思われるのは、当事者として何か手を打たなければなりません。運動をしていかなければいけません。長い時間の運動と啓発が必要なのでは白夢は思います。人は差別意識を持つものです。それは仕方のないものです。お金がある。家がある。結婚している。車があるなどと・・・・・・・考えればきりがありません。障碍のあるSAMも障碍種別の違う当事者に差別意識を持っています。私は心の狭い人間だなと思います。
今回「障碍を持っている。」「障碍がある。」の二つの表記について白夢が考えたのは、障碍を持っているって、当事者の意思で持っているのかと考えたら、当事者の意思で持っているのではないと気付いたので、障碍があるが正しいのだろうと思いました。たまたま不遇にも障碍がある人になったと言うのが本音です。私は、障碍があるので様々な生き難さがあるのだと思います。それでも障碍者は、生きている。健常者なら根を上げてしまうでしょう。私の周りには、重度の難病・障碍があって生きている人がいます。健常者なら投げ出してしまうだろう障碍に向きあって生きています。全国のCIL(自立生活センター)の障碍者が主体となって、健常者職員と運動・仕事をしています。私の上司Kは1年365日働いています。白夢には出来ないことを上司のKはやっています。Kを動かすものはいったい何だろうと考えます。コロナ禍前は月の半分ちかくは出張しています。白夢にはできないことです。障害者の完全社会参画を求めて運動や仕事をしているのでしょう。私にはあせったり・がんばったり・むりをすると調子を崩します。前記3つのあせらない・がんばらない・むりしないのアガムの法則で自分のスピードで頑張るしかありません。CILは障碍者が主体となり介助者がサポートして仕事をする。理想的な職場です。介助者は、介助以外に仕事を持っています。介助者も事務所出勤があり仕事をしています。健常者と障碍者の理想的な仕事をする職場ではないでしょうか。
【編集後記】
白夢は精神の障碍者ですが,たまたま運良くCIL下関・NPO法人らいとで採用され仕事をしています。私の仕事は精神障碍者の差別・偏見・汚名がなくなる社会の構築です。そのために白夢のできることを就職して2年間考えました。白夢は援護寮でニュースレターを編集していました。自立生活をして様々な自立の情報をニュースレターで読者に啓発できないものかと考えて、メンタルにゅーすを編集しています。もう18年編集しています。白夢が続けた事のあるなかで一番長くニュースレターを続けています。病気と障碍のある当事者だからこそのニュースがあると思い続けてきました。それが当事者、関係者の役に立てばと思い穏やかに当事者ならではの意見を発信してきました。
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