メンタルにゅーす     ヒエダ

Vol.336

「発達障害」

202225日  Vol.336

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 白夢(SAM

TEL(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL    http://blog.livedoor.jp/npo_light/archives/cat_8979.html

 大人の発達障害とは?症状の特徴・診断や相談先をご紹介

大人の発達障害をご存知ですか?

 

日々の生活や仕事をしていく中で、様々な困難を感じ、なぜ失敗するのかわからない・ずっと同じ失敗が繰り返し起きてしまうなど、悩みが長期にわたっている場合には、もしかしたら、発達障害の特性が関係しているかもしれません。

 

発達障害というと子どもの発達障害をイメージされる方も多いかもしれませんが、大人の発達障害があり仕事や生活面で悩んでいる人はたくさんいらっしゃいます。

この記事では、大人の発達障害のある方の症状・特徴や診断方法、よくあるお悩みと対応方法・利用できる相談先や支援サービスについてご紹介します。

目次

 

働く上でこんなお困りありませんか?

当てはまる質問を一つ選んでください

体調がなかなか
安定しない

いても長く
続かない

就職したいが
何をすればいいか
わからない

就職がなかなか
決まらなくて不安

大人の発達障害とは?

大人の発達障害の特性がある方は、普段の生活や仕事の中で「他の人はうまく出来ているのに、なぜか自分だけいつもうまくいかない…」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。

うまくいかない理由や原因がわからない・気を付けているのに改善が難しく何度も同じ失敗をしてしまうという困難な状態が続くようなら、それは発達障害の特性が関与しているかもしれません。

  発達障害とは、先天性の脳機能の障害によって認知や行動に凸凹(特性)が生まれ、ご本人の特性と、ご本人が過ごされている環境・人間関係などの相互関係から社会生活で問題・不適応が起きている状態をいいます。

  近年、TVや雑誌・新聞など様々なメディアで大人の発達障害に関する特集が放映されたり、有名人が自身の障害を公開したりすることで、大人の方も困りごとに対して「自分も発達障害の特徴があるかもしれない」と感じ、受診を希望される方が増えてきたと言われています。

  また、同じように、うつ病・睡眠障害や不安障害・パニック障害・強迫性障害・依存症・パーソナリティ障害などの障害についても世間の認知が高まり、その症状改善のために病院を訪れ検査をしていると、実はベースに発達障害があり二次障害として該当の症状を併発していたということが分かる場合もあるようです。
 発達障害には、大きく分けて「自閉症スペクトラム障害(ASD)」「注意欠如・多動性障害(ADHD)」「学習障害(LD)」があり、互いに重なり合うことがあります。また、広汎性発達障害や注意欠如・多動性障害に知的障害が関わってきたりすることもあります。

まずは、「自閉症スペクトラム障害(ASD)」「注意欠如・多動性障害(ADHD)」「学習障害(LD)」それぞれの障害の概要について確認していきましょう。

大人の発達障害の3つの分類・症状・特徴とは?

自閉症スペクトラム障害(ASD)

自閉症スペクトラム障害(ASD)の「スペクトラム」とは「連続体」を意味しています。同じ特性でも、機能(知的レベル)の幅があり、障害の境界が明確ではない状態を表しています。

  よくある困りごととしては以下のようなことが挙げられます。

 大人のASD(自閉スペクトラム症)の特徴・特性とは?診断や治療、活用できる支援機関などご紹介

注意欠如・多動性障害(ADHD

注意欠如・多動性障害は、注意力、衝動性、多動性のバランスやコントロールに特徴が見られる障害で、日常生活や仕事などの社会生活に支障をきたすことがあります。

 

よくある困りごととしては以下のようなことが挙げられます。

 

大人のADHDの特徴・特性とは?診断や治療方法、支援機関などご紹介

学習障害(LD

学習障害は、知的発達には遅れはないが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」などの特定の能力を要する学習が極端に困難な障害です。

 

文字を正しく書けない、会話は困りごとがなくできるが文字を読むことはスムーズにできないなど、現れ方はそれぞれ異なります。

 

学習障害のうち多くの方が、読み書きの能力に著しい困難があるといわれています。自閉症スペクトラム障害やADHDに合併することも多い障害です。

 

よくある困りごととしては以下のようなことが挙げられます。

 

 

働く上でこんなお困りありませんか?

当てはまる質問を一つ選んでください

体調がなかなか
安定しない

働いても長く
続かない

就職したいが
何をすればいいか
わからない

就職がなかなか
決まらなくて不安

大人の発達障害の原因とは?

 

発達障害の原因はまだ解明されていませんが、脳の神経伝達に何らかの異常があり、脳機能の偏りが生まれ、認知や行動の偏り(特性)が生まれるのではないか、と言われています。

 

そのため、脳の認知機能(特性)の遺伝的要因と環境要因が複合的に影響して発達障害の症状が表れるという説が有力です。「親のしつけ方・育て方が悪い」「親の愛情不足」「親が甘やかしている」といった仮説は現在では否定されています。

 

大人の発達障害の診断はどこで受診する?

生活や仕事の中で、困難が続いて生きづらさを感じ、自分が発達障害かもしれないと感じた時、大人の発達障害がある場合はどこに相談して病院やクリニックは何科を受診すればよいのだろうと悩まれている方もおられるかもしれません。 

また、病院に行ったら、どういった問診があり、検査があって診断があるのだろう、診断を受けるとどうなるのだろうと心配になる方や、そもそも病院へ相談するかどうか、発達障害の診断を受けるかどうかについて迷われている方もおられるのではと思います。

  大人の発達障害の診断は、さまざまな観点・状況の情報から総合的に判断することとなり、確定診断まで時間がかかったり、診断自体が下りない可能性もあります。

  ご自身のお悩みが社会生活上で困難を生んでいて、一人では対処が難しいと感じられている場合は、まずはその困りごとを専門家と話しながら自分の特性(得意なこと・苦手なこと、苦手なことがいつ・どういう場面で生じやすいのか)を知ることをはじめの目的として専門家(医師)に相談できるとよいかもしれません。

  大人の発達障害を診られる医師はまだ少ないと言われています。

また、発達障害は総合的な判断のうえで確定診断が行われるため、受診当日に診断がつくケースは少なく、また必要な支援を考える際にも医師や医療機関と長く付き合っていく必要があります。

  インターネットや発達障害者支援センターで、大人の発達障害に対応できる病院(精神科やメンタルクリニック)の情報を確認したうえで、ご本人が信頼できると感じる通院先を検討できるとよいでしょう。

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大人の発達障害まとめ

発達障害は、生まれつきの脳機能の特性とご本人が過ごされる環境の相互作用により社会生活に困難が生じる障害です。

 

自身の得意・苦手などの特性を理解すること、過ごしている環境をどのように整えていくとよいのかを理解することで、生きづらさを解消し自分らしく過ごす第一歩とできる可能性があります。

  社会で過ごしていく中で、様々な場面で困難を感じ、ひとりで困難を解決していくことが難しく感じている場合は、医師や行政サービスなど、ご自身の周りにある環境へ相談してみましょう。

自分に合う仕事が分からず求人に応募できない・休養時期などブランクが長くあって履歴書や面接でどう伝えればよいか分からない・なかなか仕事が長続きせず自分に合う就労環境が分からないなど、就労に関するお悩みはお住いのお近くのLITALICOワークスで就労移行支援の専門のスタッフへご相談ください。

  あなたらしく人生を過ごすための「働く」について、一緒に考えてみましょう。
ぜひいつでもお気軽にご相談ください。

監修者

鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/LITALICO研究所 客員研究員

井上 雅彦

応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。

 ネットより参照

  大人の発達障害とは?症状の特徴・診断や相談先をご紹介。 (litalico.jp)

【編集後記】

 発達障害は、生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態です。そのため、養育者が育児の悩みを抱えたり、子どもが生きづらさを感じたりすることもあります。
発達障害があっても、本人や家族・周囲の人が特性に応じた日常生活や学校・職場での過ごし方を工夫することで、持っている力を活かしやすくなったり、日常生活の困難を軽減させたりすることができます。

 近年幼児期に発見され、この時期から治療・対応に気を付けるようになると状態も良くなるようです。比較的に大人の発達障害は、私は行政が手厚くないように感じます。

生まれつきの特性です

発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれます。
これらは、生まれつき脳の働き方に違いがあるという点が共通しています。同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、いくつかの発達障害を併せ持ったりすることもあります。

自閉スペクトラム症とは

コミュニケーションの場面で、言葉や視線、表情、身振りなどを用いて相互的にやりとりをしたり、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取ったりすることが苦手です。また、特定のことに強い関心をもっていたり、こだわりが強かったりします。また、感覚の過敏さを持ち合わせている場合もあります。

注意欠如・多動症(ADHD)とは

発達年齢に比べて、落ち着きがない、待てない(多動性-衝動性)、注意が持続しにくい、作業にミスが多い(不注意)といった特性があります。多動性−衝動性と不注意の両方が認められる場合も、いずれか一方が認められる場合もあります。

学習障害(LD)とは

全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の学習のみに困難が認められる状態をいいます。

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