メンタルにゅーす ヒエダ Vol.348 「パターナリズム」 |
2022年8月5日 Vol.348 CIL(自立生活センター)下関発行 ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 白夢(SAM) TEL(083)-263-2687 FAX(083)-263-2688 E-mail s-cil@feel.ocn.ne.jp URL http://blog.livedoor.jp/npo_light/archives/cat_8979.html |
パターナリズム(英: paternalism)とは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することをいう。親が子供のためによかれと思ってすることから来ている[要出典]。日本語では家族主義、温情主義、父権主義、家父長制、中国語では家長式領導、溫情主義などと訳される。
医療にもあります、医者が患者に対し病気やけがを治してやっているのだから患者の意見を聞かないで私の言うことを聞けーというようなよくあることです。
また家族にもあります、父親が子供や妻に対しお前らの面倒は自分が働いてみているのだから、自分の言うことを聞けとか・・・・・。
最近はパターナリズムのことは聞かなくなりましたが、まだまだこういった考えを持っている人は多いと思います。
父親にしても医者にしてもこういった権威主義を持った人は多いと思います。こういったことを考えるのは白夢だけでしょうか。
それでもこういった権威主義は負の連鎖として引き継がれていきます。
白夢は、実際に父親、医者からこういったパターナリズムの対応をされたことがあります。多くは昭和の時代によくこの対応をされました。
昭和の終わりか平成になったときか定かでないのですが、病院で患者さんのことを○○さんから○○様と呼称が変わった時期がありました。私は呼称が変わっても医者の高圧的な権威主義は変わってない対応をされたので、なんだなんにも変わってないじゃないかと遺憾に思ったことがありました。
2001年、下関に来て風邪をひいて援護寮近くの内科にかかった時、SAMが疑問に思ったことを医者に聞いたら突然怒りだして、「言うことを聞いていれば治る」からと何にも話を聞いてくれませんでした。
私がパターナリズムを知ったのが2003年のことですから、自分の受けた父親や医者の対応がパターナリズムだったのかと考えて差別的な対応だなと考え始めました。
それまで何にも考えたことがなかったのがパターナリズムを受けて、その言葉の意味を知って、ああそうかと思いましたが、この権威主義は変わらないなと考えていましたことを覚えています。
この間、会社の近くの眼科に行きました。そこでは私に対し言葉で言っても分からないので資料を見せるから隣の部屋に移ってくださいと言われました。言葉で言って分からないのに資料を見せてわかるものだろうかと思いました。その眼科に患者が多いのでこういった対応をされました。10年くらい前、この眼科に行ったときは紙の資料でした。
最近はiPadになっていました。医療は変わるものだなと思っていましたが、思った通り何を言っているのかわかりませんでした。だいたい医者が口で言って分からないから資料を見てくれという物言いに私は遺憾に思いました。医者が分かるように患者に話すべきだなと思いました。
しかし白夢もパターナリズムの対応をしていることに気づきました。ああ自分も妻に対してこう言った物言いをしているのかと、自分で自分が嘆かわしく思いました。通常パターナリズムは言った本人より受けた当事者の心に残ります。自分が当事者で経験がありますのでよく納得します。
今回は、パターナリズムについて話しましたが、皆さん自分にも心当たりはありませんか・・・・・?(妻存命時書いた文章)
【編集後記】
私が13年前に精神科に入院した時、病状が回復して退院するとき一連の儀式のように、看護師さんに言われたことを思い出しました。白夢さん、退院するのにその後の状態管理に訪問看護を手続したら、ホームヘルパーは、デイケアはどうかと受けませんかと言われました。私はそうしないと退院できないのかと考えましたが、全部断りました。看護師さんは、私のために勧めてくれたのでしょうが、これもパターナリズムではないかと今思い出しました。看護師さんも悪気はないのだと思いますが、私は一人暮らしをしていますし、料理も洗濯も家事はできる、仕事もしている、服薬も通院も今回の入院でありがたみが分かったので守ると約束して、退院しました。皆さん日常の中で、パターナリズムの対応を気付かずしていることはありませんか?アドバイスする当事者に向かって、無意識に本人のためと医療関係者、相談支援専門員、精神保健福祉士はこのような対応をしていませんか?私は考えます。制度や社会資源は当事者本人の不都合を困っていることを傾聴して、提案するのがまっとうな順番だと思いますがいかがですか?当事者本人のためと支援者が考えるゴールに手を引っ張っていく支援をしていませんか・・・・・・?