メンタルにゅーす

ヒエダ

Vol.351

「努力は報われる?」

2022105日  Vol.351

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 白夢(SAM

TEL(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL    https://cilsimonosekiraito.wixsite.com/website

 

私が小学・中学生の時、先生に「努力しなさい。そうすれば必ず報われるから。」と言われていました。主に勉強のことを言われていたのだと思いますが、私も努力したら報われたほうの組でした。大人になっても仕事をしていて努力していて報われていました。ところが統合失調症に罹患してから、思考の統合がうまくいかず、しっちゃかめっちゃかになりました。これは心の中のテーブルの上に物が雑然と置かれて、整理したり片づけることができなかったからだろうと、現在の私は考えています。現在私は不完全寛解状態なので、自分のことをなんとか冷静に統合できています。ただ、焦ったり・頑張ったり・無理をすると調子が悪くなり、統合が難しくなります。そういう時は仕事量を減らしたり、早退・休暇をとると回復するので、そのようにしています。寛解状態を維持していると仕事や生活をしていると、それなりに努力は報われます。それと白夢の体験上、努力をしてもすぐに報われないことがあります。23年場合によっては数年、10年単位のこともあります。

 結果的に努力を継続していると報われることが多いです。報われないことは、当事者本人が努力をやめ、諦めてしまうと報われないことが多いです。もちろん努力をしても報われないこともあります。白夢も体験します。しかし、昨今の白夢はしつこく食らいついて継続して仕事をしています。不思議なことに、継続をしていると不可能と思っていたことが実現しています。ですから白夢は仕事でうまくいかないのは精進が足らないのだ、今はその時期ではないもっと続けてみようと考えています。こういったことは、自分で努力して実現した経験がない人には分からないように思います。ただ、こういったことを体験してない人も、今回のメンタルにゅーすで共感していただければと思います。私は初めてやる仕事には、以上のことを踏まえて、努力・継続しています。

 白夢が努力や継続をして嬉しいことは、周りの人達が私を認めてくれ、相談に乗ってくれたり、助力してくれたりしてくれる人が増えて、周りを巻き込んで大きな力となり、自分がやったことは間違いなかったと実感できている事です。私が編集した冊子が4冊ありますが、私どもの会社の相談支援専門員から、冊子を家族や関係者が熱心に読み込んでいる様子を見たと聞くと白夢は嬉しく思います。私が普段からよく考えていることは、当事者や家族が医師や看護師・MHSW(精神保健福祉士)や関係者に任すのではなく、それぞれの人達が自分の職域だけでの仕事のテリトリー以外の横断的な知識を勉強してほしいということです。関係者は、自分の職域だけでなく職域以外の知識も多少は勉強してくださればと考えることがあります。病院の受付で初めての受診の時、自立支援医療の手続きを勧めたりとかMHSWのかかわりを勧めたりとか、病気と障碍の知識の啓発とか関係者が知っていれば、また当事者や家族の力になれると思います。精神の病気と障碍には第一に服薬と通院が継続的に必要なこと、薬が効くのは23週間から1か月くらいかかるとか、何らかの情報を適宜に的確に与えるとか。制度の話にMHSWを巻き込むとかいろんな取り組み方があります。家族は情報を欲しています。私の母は、知的な障碍があったのでしょう。病気や障碍の理解ができませんでした。ただ母は白夢が回復すると退院の手続きをしてくれました。退院すると自立できるように料理や生活技術の習得に尽力してくれました。私が自立に目覚めたのは3回目の退院からでした。退院を機に援護寮に入所しました。援護寮は今ではもう制度にありませんが、病院と社会の中間施設でした。ドラック管理、金銭管理、掃除、洗濯など生活技術の習得、病気と障碍・制度の勉強及び対処の仕方等私は学びました。そのころ勉強していたことをニュースレターにしていたので今のCIL下関・NPO法人らいとの障碍者運動、事務の仕事に役立ちました。その後、ニュースレター「メンタルにゅーすヒエダ」を発行して現在も継続しています。現在で19年間編集も続き351号になります。地域社会で自立生活を始める、地域社会で自立生活を継続する当事者に役立てばと白夢がPofMはまゆうの土井氏と始めたのですが、援護寮ヒエダ新聞の時から面倒を見てもらい添削して頂き22年が経とうとしています。いくばくかの年月もあっという間の年月でした。10年ひと昔と言いますが、その2倍の20年が経過しました。その期間に精神分裂病の呼称も統合失調症に変わり、差別・偏見・汚名も幾分柔らかくなりました。医者の患者への病名の告知率も上がりましたし、当事者も不治の病とか2重人格とか何をするか分からないと周囲の健常者に思われているなどの病気と障碍と深刻に考えられず、病名として的確な呼称であると白夢は考えております。

【編集後記】

 「努力」は実らない。そう信じている人は多いと思います。私もそう信じていた時期が小学生の時ありました。しかし、「努力しなさい。そうすれば必ず報われるから。」と何度も先生が励ましてくれると知らず知らずのうちに努力していました。白夢は、23歳から20年間、暗黒の闇の中にいました。43歳の時、援護寮に入所して私は変わりました。援護寮での訓練、病気と障碍、制度の勉強、対処の仕方等に努力しました。僅かな努力を毎日少しずつ行い、僅かずつ努力は実りました。綿が水を吸収するように病気や障碍、制度、薬の知識がやがて病識をつけるように覚知してきました。薬を勝手に調合して服薬したり、断薬したりしていたことが何という綱渡り的行動をしていたのかと考え、空恐ろしいことをしてきたことに危ないことをしていたなと思いました。白夢の知見では、「努力は継続すれば実る。」ということです。これが白夢の唯一無二の格言です。年を取ったから自分には努力しても実らないと皆さん自分自身で決めつけていませんか?答えは、努力しようと気づいた時から継続することです。継続すれば少しずつ気づかぬうちに成長があります。私が聖書を読破しようと考えたとき、聖書の厚さに、ページ数に果たして読み切れるだろうかと自信をなくしそうになった時、毎日23ページずつ読んでいったらと良いと考えたら読破も無理ではないと考えました。そして、ついに聖書を読破しました。

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