メンタルにゅーす

ヒエダ

Vol.352

「お金の管理」

20221020日  Vol.352

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 白夢(SAM

TEL(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL    https://cilsimonosekiraito.wixsite.com/website

 

白夢が山口県S市で生活保護をもらって自立生活をしていた時の話をします。病識もなかったのでそんなに真剣にお金の管理をしていませんでした。電気代・水道代・ガス代・電話代・家賃の滞納はしょっちゅうでした。止められると困るのは自分なので、家賃・水道代・ガス代・電気代はあらかじめ銀行に入れて残していました。それと生活保護の給付の時にコメと塩と梅干だけは1ヶ月分買っていました。親や兄弟に借りに行くにしても遠いし誰もお金を貸してくれませんでしたので、自分なりに考えて生活していました。ひどいときは半年間袋づめのラーメンだけという生活もありました。このときは、肝臓を壊して治療に1年半かかりました。それで庭に野菜を植えたり自炊を始めました。この時、お酒はあまり飲まなかったけど煙草をよく吸っていました。食費は1日千円と決めて生活していました。それでもお金があるとすぐに使ってしまうことが多かったです。

 白夢がお金を管理できるようになったのはそれから20年後の42歳、下関の援護寮ヒエダに入所してからでした。お金の管理ができるような訓練をするように指導されたので、1週間小遣い3000(煙草代含む。)と決めて、手元に小遣い以外のお金を持たないようにしていました。1週間おきに、銀行に小遣いを下ろしに行っていました。それとノートを買ってそれに線を引き家計簿をつけていました。23ヶ月でお金をどれくらい遣っているか分かり、家計簿を暇があれば見直していました。すぐにお金の管理はできるようになりました。それから22年経った今でも、白夢は家計簿をつけています。まさに三つ子の魂百までと言いますが、家計簿をつけています。今では、買い物をするとレシートを必ずもらい家計簿をつけています。面倒であればレシートをノートに貼り付けて管理する方法もありますのであんまり真剣に数字を合わせるのではなく〇万〇千円くらいを把握するくらいでいいと思います。家計簿の見直しは大切です。無駄遣いが結構多いのが、この見直しでよく目につきました。そして自分が1ヶ月生活するのにいくらかかるのか把握できたのは良かったです。

 援護寮を退所して、自立生活をしていても家計簿はつけ続けていました。それと、食費は1日千円と決めて生活していました。10日に1回一万円銀行からおろしていましたがほとんど手を付けることはなかったです。服は古着屋で買っていましたし、そんなにブランドに興味はなかったです。仕事をしていた時、貯金は特にしてなかったです。結婚して、連れ合いが積み立てをしたらと言われていたので始めました。お金は誰でもわかることですが、収入より支出が少なければ増えていきます。これは誰にでもわかることですが、実行は難しいです。私がお金を遣っていた時は、財布にお金をたくさん入れていた時によく遣うことが分かって、少額のお金を持つようにしていました。下関に来て自立生活を始めていた時は、土日の休みは不要不急の外出は控えていました。給料も生活をするだけでぎりぎりで家計簿をつけていましたのでよく見直していました。お金をたくさん持っていた時は、衝動買いに気づきお金を少額にして、必要なお金は、銀行にこまめに行って下すようになり、お金を持っていてもあまり遣わないようになりました。援護寮で、私の担当の指導員が、メンタルにゅーすを今でも添削してくれる土井氏でしたので、彼には感謝しています。今は連れ合いも私も働いているので、月にかかるお金は半分ずつ出して生活しています。連れ合いに貯金の仕方を教えてもらったので彼女にも感謝しています。

 お金の管理ができない人は地域の社会福祉協議会が地域権利擁護事業でお金の管理をしてくれるので手続きをしてはいかがですか?お金の管理料と保険代がかかりますのでご注意ください。お金の管理ができるようになれば、解約をできますので心配はいりません。当事者自分自身でお金の管理ができるようになればいいのですがなかなか身に付きません。社協の制度を使うのも一つの選択肢かもしれません。それとお金が無くなれば、親や兄弟姉妹に、友人、知り合いに借りればいいやと簡単に考えているとお金の管理はできません。お金を貸す人借りる人と上下関係ができるので私はそれが嫌だったのでお金は、借りませんでした。白夢はお金が天下の回り物、貯めようと思ったら何時からでも貯められると安易に考えている人はお金の管理ができないようです。SAMは、高校生までお金に困っていましたが、いい見本がいなかったので、仕事をしても貯金はせず全部遣っていました。42歳で援護寮に入所してからお金の管理ができるようになってきました。社会人になって20年以上お金の管理ができず恥ずかしいものです。当事者だけでなく健常者もお金の管理ができない人も多いかと思います。普段から家計簿をつけたり、レシートをノートに貼り付けたりしてお金の管理ができるようにしましょう。それこそまさに自己決定・自己実現・自己責任で自立生活を・・・・・・・・(妻存命時に書いた文章)

【編集後記】

 お金の管理もダイエットと同じで実行するのは難しいものです。お金の管理は直接生活に反映されるので大変困ります。また、精神の当事者は、お金に困ったら入院すればいいと安易な考えな人も少なからずいます。私の知り合いで、生活に困ったら入退院を繰り返す人がいました。その人によく話を聞くと、年金だけで生活しており、そのお金では生活できないことが分かり、不足分を生活保護で受けることを勧めました。生活保護の給付を受けて入退院を繰り返さなくなりましたので良かったなと思いました。

 それとお金の管理のほかに入退院する人たちがいます。服薬忘れ、辛いことがあればすぐ入院して病院に逃げ込む当事者の人達のことです。こういう人たちは訪問看護の手続きをして居宅に来てもらい相談するなどをしていれば入院もかなり低減します。それから服薬忘れで状態を崩す当事者ですが、服薬ケース(1週間分や1ヶ月分)などを利用すればと思います。服薬を忘れたら34時間、時間を空けて服薬忘れを少なくしましょう。服薬忘れで状態を崩して入院してくる当事者を見て心を痛める医療スタッフさんがいます。白夢は、4回の入退院で服薬・通院の大切さを身に染みて理解しました。

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