メンタルにゅーす36 メンタルにゅーすVol.36

 

メンタルにゅーすヒエダ

 

服薬感B

2009年  Vol.36

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関 編集 SAM

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 季節は、冬へと突入しました。皆様いかがお過ごしですか?私はボチボチやっています。

調子いいとも悪いともいえませんが、本当にボチボチ仕事に生活に、自分の病気や障害と向かい合っています。服薬の習慣が戻りました。2007年は3ヶ月間の入院、2008年は自分が同僚や上司、病院・施設の職員、友人たちに支えてもらいながら社会復帰に臨みました。残存した症状をやり過ごしながら社会生活をしています。そして今、20091月になりました。

 今回は、服薬感Bで、またまた薬のお話です。これからのお話は、私が経験した薬のお話です。私が、病識や薬識を持ってなく、この世を彷徨っていた頃の15年間の絶望の中のことです。今、発病の前後のことを思い出しています。発病のきっかけというかその頃のことはクリアに覚えています。まず、無茶苦茶に働いていました。確か、睡眠時間は23時間で半年くらい働いていました。今振り返ると張り切りすぎて仕事をしたり、睡眠をきちんと取らなかったのがいけなかったのだと思います。ある程度余裕を持って中庸に生活することが大切だと気付かせられました。幻聴や妄想はマックスパワーでした。毎日の仕事に多分、20時間位働いていました。病感は働いていましたがただそれだけで、病院には行くほどのことまで気付きませんでした。最終的には、私の状態が悪いと上司が思い悩み山大の付属病院に連れていってくれました。後で知ったのですがほぼ、1ヶ月近く保護室(隔離)にいたようです。

 この頃、病状を叩き伏せるために大量の薬が投与されました。後で(下関に来てから勉強して)分かったのですが精神病の場合、とにかく、病状を抑えるためにしようがないことだと思いました。症状が落ち着いてきたら、少しずつ薬の量を至適用量まで落としていきます。至適用量とはギリギリ最低限必要な服薬量のことです。それだから、血液中に薬効濃度が一定量になり状態も落ち着いてきました。服薬を規則正しくしないと、薬効濃度が一定になりません。薬効の濃度は高すぎても低すぎてもダメなのです。ですから、服薬しなかったり、大量に服薬したら、大変なことになります。病態が悪化するか、大量の服薬で命に関わります。そのようなことを私は、していました。

 ただ私が幸せだったのは、病状が落ち着いたら母が退院の方向へと手を尽くしてくれました。母がその頃何を考えていたのか分かりません。父はその頃アルコール依存で入院していましたので、母は、二人への面会で大変だったのだろうと思います。25歳から39歳まで服薬を守っていたので再発しませんでした。服薬は大切なことだと、今そう思います。

 下関の生活訓練施設援護寮ヒエダに来てから、色々な訓練を受けて念願の社会復帰をしました。この頃より、援護寮内で新聞を毎月1回、発行していました。特に援護寮の職員に勧められた訳ではないのですが一生懸命編集していました。この頃の新聞で、制度・手帳・社会資源・精神病などの勉強が今の仕事に結びついてきました。

 気がついたら平成13年から9年下関で生活しています。私は、必死で精神の病気と障害を持っても自分の人生を切り開いてきました。精神障害者も色々な制度・病気のこと等いろんなことを知るべきであると新聞や冊子を編集していたのだろうと思います。特段に何か崇高なことをしていたのだろうか?私は、すべての言行を誠実に穏やかに、やり始めたことを続けています。今私は、思い返すとすべてを自己選択・自己決定・自己実現・自己責任をになって新しい生活を始めています。病気と障害が私の人生の進む方向を私に指し示していたようです。自己覚知して、自分の生きる糧を見つけました。確かに私は、綿密に論理的に、物事を見定めて精神障害者のために、私自身のために与えられた仕事をしています。私は以前の仕事での在職年数より、今の職場での在職年数の方が長く続いて、現在記録更新中です。つまり、病気や障害を持っていても、環境や周囲の人達の配慮・サポート等さえ整えば何とか仕事をして生活できるみたいです。

 薬というのは、適正に使えば役に立ちます。反対にいい加減に使えば、効果がないか処方を守らず大量に服薬すれば、命に関わるみたいです。精神薬を服薬していて、今そう考えます。主治医の処方通りに服薬すれば、再発のリスクがかなり低くなります。それは、薬が状態の安定化と再発の予防の効果があるからです。

 

【編集後記】

 私は今年で50歳になります。40を過ぎてから旧薬から新薬に移行して状態がよくなり、副作用が小さくなりました。それだから、新薬さまさまです。人それぞれに、薬との相性がありますので主治医に相談してみてください。薬は用法用量を守っていれば状態は安定するし、再発の予防になることを実感しています。何か身体的・精神的に異変があれば主治医に相談してみてください。

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