メンタルにゅーす

エダ

Vol.371

 

「非定型抗精神病薬と心臓突然死のリスク」

20231015日  Vol.371

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関(精神自助会) 編集 白夢

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E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

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 「『非定型抗精神病薬と心臓突然死のリスク』

Atypical Antipsychotic Drugs and the Risk of Sudden Cardiac Death

W.A. Ray and Others

 

背景

定型抗精神病薬の使用者は,重篤な心室性不整脈と心臓突然死のリスクが高い.しかし,臨床現場では非定型抗精神病薬が従来の薬剤の多くに取って代わっているが,心臓に対する安全性についてはほとんど明らかにされていない.

 

方 法

テネシー州のメディケイド加入者を対象とした後ろ向きコホート研究を行い,抗精神病薬の現使用者における心臓突然死の補正発生率を算出した.主要解析には,ベースラインで定型抗精神病薬 1 種類を使用していた 44,218 例と非定型抗精神病薬 1 種類を使用していた 46,089 例,およびこれらとマッチさせた抗精神病薬非使用者 186,600 例を含めた.抗精神病薬使用に関連した因子に関する残余交絡を評価するため,ベースラインで統合失調症またはそれに関連した精神病と診断されていない抗精神病薬使用者と,傾向スコア(抗精神病薬使用者になるであろうという予測確率)でマッチさせた抗精神病薬非使用者を対象に二次解析を行った.

 

結 果

定型抗精神病薬・非定型抗精神病薬の現使用者は,非使用者に比べて心臓突然死の発生率が高く,補正後の発生率比は定型抗精神病薬で 1.9995%信頼区間 [CI;信頼区間(しんらいくかん、英: Confidence interval, CI )とは、母集団の真の値が含まれることが、かなり確信(confident)できる数値範囲。 例えば95CIとは、この範囲に母集団の値が存在すると、95%確信できることを意味する] 1.682.34),非定型抗精神病薬で 2.2695% CI 1.882.72)であった.定型抗精神病薬使用者に対する非定型抗精神病薬使用者の発生率比は 1.1495% CI 0.931.39)であった.抗精神病薬を過去に使用していた患者のリスクは有意に高くはなかった(発生率比 1.1395% CI 0.981.30).いずれのクラスの薬剤も,現使用者のリスクは用量の増加とともに有意に上昇した.定型抗精神病薬使用者の発生率比は,低用量服用者の 1.3195% CI 0.971.77)に対し,高用量服用者では 2.4295% CI 1.913.06)まで増加した(P0.001).非定型抗精神病薬使用者の発生率比は,低用量服用者の 1.5995% CI 1.032.46)に対し,高用量服用者では 2.8695% CI 2.253.65)まで増加した(P0.01).傾向スコアでマッチさせたコホートについても同等の結果であった.

 

 

 

結 論

定型抗精神病薬・非定型抗精神病薬の現使用者では,心臓突然死のリスクに同等かつ用量依存的な上昇が認められた.」

 カッコ内ネットより引用

   https://nejm.jp/abstract/vol360.p225

    非定型抗精神病薬と心臓突然死のリスク

Atypical Antipsychotic Drugs and the Risk of Sudden Cardiac Death

W.A. Ray and Others

 

 以前から非定型抗精神病薬の突然死は、私は知っていました。今の自立生活を続けられれば、私は本望だと考えてます。しかしここで不思議なのは、開発された非定型抗精神病薬に突然死があることを知っていても治験を取り消さない厚労省です。それは突然死が起こりうる可能性が95%信頼区間だと考えたのかもしれません。日本で人口の1120万人のうちの健常者より母集団の発生率が2.3倍ならよいとしたのかもしれません。またこんなレポートなど参考にならないと考えたのかもしれません。いずれにしてもSAMは自立生活を続けるため非定型抗精神病薬を服薬し続けます。私はニュースレターで精神障碍者の啓発を世の中に行っています。小さな運動かもしれませんがSAMは続けています。まだまだ統合失調症者のことを真剣に考えてくれる人は少ないです。それは、当事者が何をするかわからない。だれが責任を取るんだと考える人たちがいるから、精神障碍者は入院させ続けているのだと思います。入院している統合失調者のパーセンテージががほとんどわかりませんが少なくとも90万人は地域社会で生活しています。日本の総人口12400万のうち30万人くらいが入院しています。地域社会には、1パーセントの統合失調症者120万人が生活しているとして、(120-30)万人としたら、少なくとも90万人がひっそりと生活しています。精神障碍者の総数は今や400万人になります。私は社会が作り出した当事者を地域社会で生活できるようなインクルーシブ社会の構築を実現したいなと考えています。精神障碍者より悪質な事件を起こす健常者がいます。その人たちこそ裁かれマスコミは騒いでほしいです。悪質な事件起こすほとんどは健常者なのです。

 

【編集後記】

 私はマスコミには不満があります。なにか精神障碍者が事件を起こすと必ず、精神科通院歴がある、精神科の薬を服薬している、入院歴がある。世間のほとんどが精神障碍者の人たちのことを知らないので、接したことのない人たちは怖いと、精神障碍者のほとんどは正直でまじめな人が多いです。しかし、精神障碍者の起こす事件は、世間の人たちは忘れません。彼らの検挙数は0.5%くらいでほとんど健常者が、起こした事件が毎日起こっているのにです。それだけ怖いと思われる精神障碍者も、私は嬉しく思っていることがあります。

ここ数年は精神障碍者も声を上げてきました。ブログ等で彼らの思い、考え、生活を教えてくれます。試しに「精神障碍者、ブログ」ブラウザで検索してみてください。いろんなブログがありますよ。私は長いことPCから離れていたのでHPにしたのは2010年くらいから始めました。その為HPを作るhtmlというPC言語を勉強してプログラムを作りました。アナログの紙媒体のメンタルにゅーすは2004年から始めました。この頃はPCでブログで意見を発信している人は精神障碍者では殆どいなかったです不毛の時代です。

 


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