メンタルにゅーす39 メンタルにゅーすVol.39

 

メンタルにゅーすヒエダ

 

Relax

(くつろぐ)

 

2009年  Vol.39

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関 編集 SAM

Tel(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL  http://members.jcom.home.ne.jp/s-cil/

 私は職場(自立生活センター下関)では、精神の当事者職員のSAM(○○さん)だと、職場・対外的にも、紹介されます。いまさら隠しても仕方がないので、仕事では、本名を使い、ニュースレターではSAMと使い分けています。特に、「メンタルにゅーすヒエダ」のホームページを立ち上げることになってからはSAMと名乗っています。ホームページは、日本語がわかる人が不特定多数いて、閲覧されます。それで、ホームページを立ち上げた人達は殆どの人が本名を名乗らず、自分の呼ばれたい名前(ホームページ通称名)を使っています。

 私は、今の職場で7年間働いています。上司・同僚、主治医・看護師、施設職員、当事者など、知り合った人達には長い付き合いがこれからもありますので大事にしています。

皆さんも気を遣ってくれて声を掛けてくれます。有難いことだと、いつも皆さんがあって、今の私があるのだと感謝しています。

 私は、皆さんに私という人間を分かってもらうのに5年くらい時間がかかりました。  人に自分という人間を認めてもらうのに、健全者・障害者と分け隔てなく同じくらいの時間が必要だと思いました。

私は下関市の出身ではありません。援護寮ヒエダ(H13H15)にいたとき、精神保健福祉士(PSW)に時間がかかるかもしれないけど、下関で就職して新たに人間関係を構築して、自分の人生をやり直してみないかとアドバイスを受けました。突然、そう提案されても、自分はすぐに返事しないで、「考える時間をください。」と言いました。2週間後に「下関で生活する。」とPSWに答えました。

現在の私は、自分自身を振り返ってみて、当時の自分が思い描いた以上の進歩がありました。人生のライフワークでもある、「当事者運動とニュースレターによる地域社会生活の当事者へのエンパワメント」と「社会から恩恵を受けたものを社会に還元できる仕事」がリンクしたものが私に与えられました。ある意味自分は運がいいのかなーって思います。

私は、「不言実行」「一期一会」「継続は力なり」の三つの座右の銘を心の中にたたきこんで生活をしています。若い頃、仕事をしていたときに上司によく注意されていた多くの中のうち、この三つの銘で生活を送っています。言葉と行動が一致した生活・仕事ができるようになりました。若い頃、自分の病気と障害名を主治医から聞きだしたときは、やけくそになっていました。病気と障害を持って、それらを受け入れるまでに20年間近く必要だったようです。

私は、今では、病気と障害を持ったことを、悲観的には考えないことにしています。考えて考えて考えてみても、やけくそになっても自分の病気と障害がなくなる訳ではないので、ポジティブに考え生きています。要は、ストレスをためないで、自然体でリラックスして、人生を過ごしていくことなど、物事の捉え方が大切と思います。何かあれば、相談できる人・機関が自分の周りにはたくさんあります。私は、今、幸せに生活しています。

物事の捉え方として、例えば子供が走っていて、擦り傷が出来ました。一人は病院に行きました、一人は家にある薬をつかいました、一人は傷口を水で洗いそのままにしておきました。そして、同じくらいの日にちで治りました。どの選択が正しいのか?

3人3様ですが、皆さんよーく考えてください。例えば、お金の掛からないのは・・・・・?

この例は、3人とも同じ時間がかかりましたが治りました。病院に行ったのはあまりにも考えすぎかな、傷口を水で洗ったのは鈍感すぎるかな・・・・・・・・・・・・・・・・?

 人には、与えられた特性があります。みんな同じだけのチャンスがあります。ボーっとして見過ごしたり、チャンスを掴んだり、色々な生き方がありますよね。

幸運の女神は、前髪をつかまないと後ろ髪は掴めません。かといって、生きている間ずーっと集中しっぱなしでは疲れてしまいます。緩急いれながら、生活していきたいなと思います。人生は色々なことを体験して、学習しながら過ごしています。ある意味前人未踏の道を歩んでいるようです。

【編集後記】

 私は、思います。どんな人も自分自身だけのオリジナルの人生を過ごしています。失敗を繰り返して、しばし止まって考え、また進みます。そして、学習しながら一歩一歩進んでいます。病気と障害を持つ我々、精神の当事者は、沈着冷静に物事を考えることが上手くできません。ウソもつけないです。いい意味でも悪い意味でも、行動を起こすのが遅いです。判断に戸惑います。たぶん、私の人生は、自立生活センターで働いていなければ、このようなにゅーすレターを作っても意味をなさないのかと思います。しかし、私のような人間でも、自分の病気と障害を持っていることで、当事者しか分からないことを共感することが出来ます。仲間同士のピア・サポートもできます。いままでは、精神障害者に何ができると健全者は考えていたかもしれません。たしかに私にはできることとできないことがあります。しかし、出来る事を伸ばして増やせばいいと思っています。

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