メンタルにゅーすヒエダ
ピア・カウンセリング
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2004年10月 Vol.4
発行責任者 SAM
地域生活支援センターヒエダ
Tel(0832)-51-6161
FAX(0832)-51-6177
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皆さんは「ピア・カウンセリング」という言葉を聞いたことありませんか?「ピア」とは「仲間」という意味でピア・カウンセリングの考え方は、同じ背景を持つ人同士が対等な立場で、話を聴き合うことです。
「助けることと、助けられることは対等である」―対等ということの具体化として障害を持つ人の自立のための相談に障害者自身が当たります。「障害を持つ当事者こそが専門家である」という考えからきています。従って、健常者の相談にのる場合はピア・カウンセリングとは言えません。
現在日本では、自立生活センターと呼ばれる所で、様々なピア・カウンセリングのプログラムが提供されています。
1.
ピア・カウンセリングの提供できること(効果)
@自己信頼の回復と自己決定能力の増幅
A仲間として(カウンセラーとして)精神的フォローと解決への支え
B具体的情報の提供と社会資源活用法の伝達
2. ピア・カウンセリングの実際
相談業務、自立支援の場面では
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まず、クライアント(問題を抱える人)の話を十分聞き、不安、自己否定感、恐怖など様々な気持ちを解放するように働きかける。自己への信頼感を取り戻させ、自己選択・自己決定していく能力があるのだと気づかせていくカウンセリングが必要。
A
カウンセラーは、さまざまな体験を積んでいて、クライアントのロールモデルになれる人がよい。
B
経験に裏打ちされた具体的な情報の提供やその活用法を示すだけでなく、ロールプレイや自立生活プログラムを活用して場面を想定し練習する。グループで共に考え体験するなど、ピア・カウンセラーとピア・カウンセリングの仕事の範疇(はんちゅう)は多岐にわたり、複数のピア・カウンセラーが長期にわたり関わっていくところに、ピア・カウンセリングの特色と良さがある。
3. 歴史的背景
1970年代にアメリカで誕生した自立生活センターのリーダーたちは、ピア・カウンセラーと呼ばれ、自分自身がロールモデルとなってさまざまな事業を展開しました。
1983年、そうしたアメリカの自立生活センターのリーダーたちが日本に招かれ「日米自立生活セミナー」が日本全国6ヶ所で開催されました。このとき初めて「ピア・カウンセリング」という言葉が日本に伝えられました。
ピア・カウンセリングは、最初は身体障害者の間に広まりましたが1995年ごろからは知的障害や精神障害の人たちにも広まっていきました。
日本のピア・カウンセリングは障害当事者が組織・運営する自立生活センターで始まり、広がってきたので障害者の自立ということを抜きにピア・カウンセリングを語ることはできないと思います。
4. ピア・カウンセリングの種類と講座の学び方
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集中講座〜ピア・カウンセリングとは何か、大枠を知りたい人対象
・期間:2泊3日が基本
・参加資格:障害者であること。しかし、その障害は手帳の有無や判定の有無が基本でなく、自分自身が体や機能面で障害者だと認識していることも含む。
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長期講座〜さまざまなテーマに従い、講義、セッション、デモンストレーションを中心に、全参加者が聴くこと、カウンセラーとクライアントの体験を重ね、自分自身の感情の解放、パターンや抑圧からの解放を行う。
・期間:全40時間、最低でも36時間
通い:1回3〜4時間で10〜12回シリーズ
泊り:2泊3日を2〜3回に分けて実施、4泊5日等1回で行う
・参加資格:集中講座を終了した人
[編集後記]
ピア・カウンセラーというのは国家資格でも何でもありません。全国各地の自立生活センターが集中・長期講座を開催しています。カウンセリングの理論を習うのではなく、カウンセラーとクライアントの経験をとおしてお互いにあるテーマに対して話を聴き合うことに重きをおいています。
私はピア・カウンセラーです。ピア・カウンセリングだけでなく、一般のカウンセリングも受けたりします。講座では障害者同士でしかわからない気持ちやそういった感情の解放を行います。講座の参加者は、時には泣いて涙をポロポロ流す人もいます。そこには、障害者しかいません。安心した空間で、感情の解放をしています。私は、いろんなカウンセリングがあれば、障害者がそれらを受けてみて自立生活がしていければそれが一番いいカウンセリングだと思います。皆さんはどう思われますか?
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