メンタルにゅーすヒエダ
幻聴
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2004年12月 Vol.5
発行責任者 SAM
地域生活支援センターヒエダ
Tel(0832)-51-6161
FAX(0832)-51-6177
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幻聴とは、実際には音がしてないのに聞こえてくる声や音のことで、耳で聞いているように感じる音のことです。幻聴にはさまざまなタイプがあります。
私は服薬していても幻聴が残存しています。私のように幻聴が残存していても、社会生活をしている当事者はたくさんいます。私は一日のうち、間欠的に幻聴があり、実際の音との聞き分けはできます。幻聴であると自分で認知しています。
それでも幻聴と実際の音が同時にある状況では、落ち着きがなくなったり、集中できなくなったりします。また、すごく不快な気分になります。
1.
幻聴が起きる四つの条件
@
不安 B 過労
A
孤立 C 不眠
以上四つの条件に当てはまるとき、幻聴が発現します。
2.
幻聴のタイプ
@
周りに人がいないのに聞こえる声
A
周りにいる人から聞こえる声
B
会話している幻聴・相手と会話できる幻聴
C
決まった場所や場面で聞こえる声
D
テレビやラジオの放送と一緒に聞こえてくる声
E
生活音と一緒に聞こえてくる声
F
視覚的なイメージを伴う声
G
一人の声・何人かの声・大勢の声
H
知らない人の声・知っている人の声
I
命令する声
声が聞こえてきたときの不気味さや困惑した気分を、読者である当事者の方は覚えていますか?声が気になっていた間、他の事にまったく集中できなくなったことも私はくっきり思い出します。
3.
幻聴のルーツ
幻聴は自分自身の考えが投影したものです。決して幻聴があっても戸惑わないで下さい。
@
後悔したり、自分を責める考え
A
自分でも気づきにくく陰になりやすい気持ち(周囲の人と会話しているとき何かの言葉がキーワードとなって起こる声)
B
他人の考えや言動の想像(「あの人ならこういうときにこんな風に言いそうだ」と想像するとそれが「声」になって聞こえる)
4.
幻聴のそのつらさと不自由さを減らすには?
@
薬を飲む B 幻聴の受け止め方を考えてみる
A
生活のおくり方を工夫する C 幻聴の対処を工夫する
5.
幻聴であると自分自身で認識する過程
@
周りの人に「今こんな声が聞こえるけど」と確認してみる
A
自分の周りを冷静に観察してみるといい
B
実際に自分が他人の悪口を言っているときならば一日中言っているかと振り返ってみる
C
我々の心の中に命令者はいない
D
他人の心の中の考えが、その人と話をしないのに分かるはずがない
@
幻聴と実際の音の聞き分けが一度でも経験できれば少しずつ身についてくる
[編集後記]
統合失調症の急性期のときなど病状が増悪しているとき、私の場合幻聴と妄想がセットで発現していました。病院を退院して援護寮ヒエダに入寮しました。私は自分の病気や障害の特性について、援護寮の職員に統合失調症関連の本を何冊か借りて勉強しました。病気や障害の特性が分かってくると病状の経過の見通し(予後)が心配でした。ですから自分の周りの当事者を観察して、この人には自分で何か話しても大丈夫と思う人に相談しました。
彼は、次のように言っていました。@通院A服薬B睡眠C食事D規則正しい生活サイクルEストレスの少ない生活、つまり普通の世間一般の人が生活していることを守ることだと話してくれました。
@〜Eを守っていましたが幻聴と妄想は服薬を続けたり薬を変えても残存していました。そのとき、生活習慣病の雑誌の記事を目に留めて読んでいました。精神病も糖尿病や高血圧症と同じように生活習慣病だと分かりました。それではどういう生活をすればいいのかと疑問を持ちました。先ほどの@〜Eを守ることと、病気や障害を受容して対処していくほかないと結論に達しました。
幸いその時期には幻聴と妄想が自分で認識できるくらいに病状が寛解していましたので、その都度その都度の状態で幻聴・妄想だと理解していました。
皆さんの中にも幻聴が残存している方がおられると思います。何かのきっかけで幻聴と実際の声や音の聞き分けができるようになればいいですね。
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