メンタルにゅーすVol.57

 

メンタルにゅーすヒエダ

 

病気と障碍

対処法A

2010年  Vol.57

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関 編集 SAM

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FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

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 病気と障碍の対処法を考えるに私は特に変わったことはしていません。人間が考えることですので大体同じようなことをしています。私が病気と障碍にどのように対処したり考えているかまとめてみました。(ご参考までに)

1.   病気と障碍の受容

私は何度か入退院をしています。私が調子を崩して入院するのは、決まって服薬・通院をしないことが原因です。今振り返って考えてみると、自分は病気なのだと思います。それは服薬・通院をしなくなることが入院の原因だからです。自分が病気でないのなら、病院に入院するわけは無いのです。間違いなく私は病気なのだと、受け入れています。私は今、至適用量(最低限必要な1日の服薬量)で服薬しています。

2.   残存した症状、幻覚と妄想

@    幻覚(幻聴)の対処法

     幻覚にはいくつかありますが、私には幻聴があります。悪口を言われているような気がしますが、頭の中でつくられた声ないし音で耳で聞こえるように感じます。これは、幻聴の無い当事者か健全者に「今私のことを非難する声が聞こえるけど、何か聴こえますか?」と尋ねたら、「何も聴こえないよ。」と言われました。そのとき、私なりに考えてみたところ、幻聴の声が、私と気の合わない当事者の声とそっくりでした。その人を暫く観察していると、声が聞こえるのにその人は本や新聞を読んでいることがありました。声が1日中、覚醒時ずっとありましたのでこれはおかしいと思いました。それが、幻聴だよと看護師さんが教えてくれました。いま私はこのような症状だと自覚すると幻聴がはじまったと考え、ウォークマンで音量を幻聴より少し大きくして聞きながら仕事をします。

A    妄想の対処法

私の場合、妄想とは頭の中でつくられたもので、湧き出るようにいろんな思考があらわれてきます。被害妄想が多く、非常に心の中が不安定になります。ソワソワしてじっとしていられません。妄想は周囲の人が何を言っても、当事者は頑なにこだわりますので変えることが出来ません。これは、精神関係の本を読んでいて、妄想の意味を調べていて、そのときの状態が妄想のようでした。今は、自分の心の中とは別に俯瞰した自分が、これが妄想だと教えてくれます。安静にしているか散歩をするかします。ウォークマンを聞くときもあります。

3.   自分の調子の悪くなる場所には行かない。

私は、人ごみの中が苦手です。デパートなどに行くと幻聴・妄想がマックスパワーで状態が悪くなります。予め頓服を服薬するか、用事だけ済ましてさっとデパートから出ます。

4.   苦手な人とは、一定の距離を置く。

私は、友人は長く付き合って、その人となりを考えて選びます。ですから、何かで巻き込まれることはありません。普段は、挨拶ぐらいはしますが、それ以上の関係はとりません。自分の調子が悪くなる人とは、一定の距離を置きます。

5.他人の噂話、非難などはしない。

これは、大人として当然の振る舞いだと思いますが、皆さんはいかがですか?他人の噂話、非難をすると私は、その後で幻聴・妄想がありますので気をつけています。

6.身なりをきちんとする。

統合失調症が悪化すると私の場合、風呂に入らないし、ひげもそらないし、着替えもしなくなります。ですから私は、風呂に入り、清潔な衣服を着て、ひげもそり、身なりをいつもきちんとしています。

7.周囲とのコミュニケーション

私は、人と上手くコミュニケーションが取れません。ですから私自身のことを分かってもらうために、個別に統合失調症の理解に周囲の人を啓蒙しています。臨機応変な対応が上手くできませんので、予め心積もりが必要です。それで、仕事ではスケジュールを早く教えてもらっています。

8.私には失敗する権利があります。

人間は、失敗を経験しながら達成感を味わいます。ですから、失敗をしても原因を考えながら上手くいくように学習していきたいです。

 

【編集後記】

    私は、下関で生活し始めて周りの人がよくしてくれました。援護寮にいたときは、職員の息子さんの勉強を教えていました。子供を教える家庭教師をしていましたので、子供を叱るときはいつも逃げ道を作って叱っていました。逃げ道がないと、パニックになります。また、褒めてあげますし、後に引きずることが無いよう竹を割ったみたいにその場限りにしています。援護寮にいたとき、そういった対応を職員がしてくれていたので、私は腹の中でやってる・やってると思いました。よく叱られたけど、一人の人間として認めてくれました。私は、統合失調症の人が何も出来ないと、周りの人に思われないように、焦らず・頑張らず・無理をしないで100パーセントのうち70パーセントの力で何事もこなしていました。私は、下関に来て知り合った人達全てにひとこと言いたいです。有難うございます。これからもどうか宜しくお願いします。

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