メンタルにゅーすVol.65

 

メンタルにゅーすヒエダ

 

退院プログラム

 

2010年  Vol.65

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関 編集 SAM

Tel(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL   http://members.jcom.home.ne.jp/s-cil/

 私は、今回のメンタルにゅーすヒエダで病院を退院するに当たり、当事者が希望すれば「退院プログラム」を受けることができるようにしてはどうだろうかと提案します。そこで私が勉強して自分用に以前に作ったものをごひろうします。

1.   病気及び障碍名:統合失調症(妄想型)

   統合失調症とは、思考や行動、感情を1つの目的に沿ってまとめていく能力、すなわち統合する能力が長期間にわたって低下し、その経過中にある種の幻覚、妄想、ひどくまとまりのない行動が見られる病態です。

 

2.   統合失調症の予後

   過去(特に薬物療法がなかった時代)に比べ、全体的に予後はかなり向上しているといわれている。 病型別に予後を見ると、緊張型や妄想型では、幻覚・妄想などの症状の方が抗精神病薬に反応しやすく、予後がよく、破瓜型や単純型などの陰性症状には、治療の効果が得られにくいため予後が悪いと一般的に言われている。ただし、こうした傾向はあるが、妄想型などでも治療に反応しない例も稀ではなく、病型により機械的に予後が予測できるようなものではない

 

3.   自分の調子の悪くなるパターン

(統合失調症の再発のパターン)

統合失調症の発病のメカニズムと再発のメカニズムとは似ているが、再発の状況は看護者や家族たちが関わりながら目撃できるのでより具体的です。昔から統合失調症者は健全者が人生の大事件と考えるようなことでは悪化せず、一見ささいなことと思えることで再発するといわれていました。私たちがこうした再発のパターンを把握しておくと、危機に陥ったときに周囲の人も、自分たちも対処できます。

一般に統合失調症者には特有なテーマで再発するという一種のくせ、弱点があるようで、自分自身や周囲の人もくずれやすくなるテーマを知っておくことは大変重要なことです。

 

(病状がくずれやすくなるテーマ)

・母との結びつきが強まる状況に置かれたとき

・性愛的問題に直面したとき

・慣れ親しんだ場所からの移動、あるいは拠点の喪失

・自己の秘密を抱え込まなければならない状況に追い込まれたとき

・職場や家庭内の不和、葛藤

・自尊心を大きく傷つけられたとき

・経済的破綻、お金を失う、落とす、借金、貸したお金が戻らないなどのお金にまつわる問題

・身体的自信の喪失

・地位、名誉がおびやかされるとき

    心理的不意打ち

 

4.   対処法

幻聴・妄想の対処法

@からだを動かす・休ませる対処法

    受け身の気分転換(ラジオを聴く、テレビを見る、音楽を聴くなど)

    自分で行う気分転換(楽器をひく、日記を付ける、庭仕事をするなど)

    からだを休ませる(寝る、リラックスするなど)

    体を動かす(散歩する、ジョギングする、泳ぐなど)

    飲んだり食べたりする

A人と接触する対処法

    家族や友人とおしゃべりする、逆に人との接触を絶ってみるなど

    今いる人・物・場所から離れてみる

B受け止め方を工夫する対処法

    注意をそらす方法(楽しいことを考える、考えるのをやめるなど)

    押さえ込む方法(「考えないぞ!」「無視するぞ!」「静かにしろ!」と考えてみるなど)

C医療資源を利用する対処法

    薬を飲む、主治医・看護師・精神保健福祉士と相談するなど

Dちょっと激しい行動化をやってみる対処法

    叫んでみる、警察に相談してみるなど

     

5.   服薬・通院(第一選択治療法は服薬、精神療法は診察)

 

6.   制度

    訪問看護

    ホームヘルパー

    精神保健福祉手帳etc

 

 

【編集後記】

  今回の編集内容は、以前、私が自分のために作ったものです。自分の立ち向かう相手(病気と障碍、薬等)のことが分からないと対策が立てようが無いのでインターネットで調べたものです。予め、病気と障碍、予後、調子の悪くなるパターンなど分かっていれば対処して生活できるのではないかと思います。今回、病院の中で退院プログラムを立てて希望者のみにレクチャーすればいいと思い提案します。これの実現には、当事者がかかわって、仲間の当事者(患者)に伝えていくことが最大限の効果があります。この提案はどんなもんでしょうか?病院のスタッフに当事者を入れるのは抵抗感があるかもしれませんね。まあ、これは、一つの提案ですから・・・・・

  北海道の「べてるの家」という施設では医者・看護師・施設職員、当事者を含めてブリーフィングをするそうです。斬新な方法を考え出して施設を運営しています。私の知っている範囲で、あるアルコール依存者専門の精神科病院では、退院した患者を雇ってスタッフにしているそうです。患者の気持ちも分かるし、そのほうがスタッフも共感して接遇すると思いますがいかがなものでしょう。

トップページに戻る