メンタルにゅーすVol.73

 

メンタルにゅーすヒエダ

 

調子が悪くなる季節

 

2010年  Vol.73

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関 編集 SAM

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E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

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 私は服薬を遵守していても、調子の悪くなる季節が1年に2回あります。冬から春になる時期、秋から冬にかけての時期にあります。この時期は、ずれることがありますが年2回あります。

日記を15年くらい執っていましたので、それを見直していると気付きました。皆さんにも調子が悪くなる季節があるかもしれませんので、よーく考えて思い出してください。私は、几帳面に日記を執り、病気と共存して記録をとりながら生活していましたので調子を崩す時期に気付きました。私は今、もう日記を書きません。結婚してから2年近く日記は書いてないです。自然に、記録をとらなくなりました。あんまり几帳面すぎるのは、よくないと考えてやめたのかな・・・・?はっきりとした理由はありません。私は結婚してから、どうも仕事・生活とゆっくりする時間が無いので、自分を生き難く生きるより、もっと楽に生きようと考えました。日記、病状の変化、家計簿の3つをもう15年続けていました。

この3つのうち、今でも続けているのは、お金の管理は妻に頼まれているので、私が家計簿をつけています。話が逸脱してきました。元に戻します。

 季節の変わり目で調子が悪くなるということを主治医に聞いたことがあります。統合失調症の当事者は皆がみな、調子を崩すのか分かりません。皆さんも、この事について頭の中に入れておいてください。なぜ、こんなことを考えるのかと申しますと、調子の悪い時期には、予め仕事・生活で大切なことで失敗をしないように、仕事・イベントを減らしています。旅行などのイベントも控えて生活しています。また、人に会うのも少し控えています。また、結婚してから連れ合いと、調理・洗濯・掃除、買い物、金銭管理、ドラッグ管理など、お互いに声を掛け合って一緒に行なっています。統合失調症の当事者は、調子が悪くなるとADL(日常生活動作:洗面、髭剃り、化粧、風呂、爪きり、着替え等)が低下してきます。私は、そういったことの調子の悪くなることを知っていますので、ADLも連れ合いと声の掛け合いをして、一緒に行なっています。そういえば、私は、下関に移り住んで、病気や障碍のこと・制度・通院と服薬のことなど勉強してから覚えた対処法を自分なりに工夫して考えながら少しずつ記録してきました。

 28年前、統合失調症(精神分裂病)に罹患したときは、その病名の漢字の意味で落胆してしまいました。私は不治の病になってしまったことに、自暴自棄になり自分の人生を投げ出してしまいました。今思い出してみればたいした事ではないことも、あの頃は病気のことが分からず正体不明でしたので不安でした。一生病院に入院していないといけないと思ったこともありました。

私は、いろいろなことを考えてまとめることが好きです。知的好奇心が旺盛です。統合失調症の色んなことを今、CIL下関で仕事として、ニュースレターの編集(CIL下関機関誌ネイチャー、メンタルにゅーすヒエダ)・相談業務・大学での特別講義・ホームヘルパーの講師等をやっております。少しずつ、仕事を覚えて、幅が広がってきて今があります。社会人として、周囲の人達に自分を信用してもらうのに、今思えば5年くらいかかりました。健全者であれ障碍者であれ、人に信用されるのは、5年くらいかかるのかなと思います。

 私は、もう下関に移り住んで10年目になります。まずは、援護寮に入寮して「援護寮ヒエダ新聞」、退寮してから「メンタルにゅーすヒエダ」の編集へと続いています。私のやらなければならないことは広がりを見せています。私が、何を健全者に見てもらいたいかというと「統合失調症者でも社会の中でちゃんと生活していること、統合失調症者でも文章を論理的に書けること、そして、同じ仲間の精神障碍者にピアサポートをすることが出来ることを証明したいです。」統合失調症だからなにもできないと思われるのは心外です。

「私たちなしに、私たちのことを決めないで!」のスローガンで、私は障碍者運動を展開しています。私たち精神障碍者は差別・偏見・汚名などを受けて生き続けていかなければなりません。30年前から考えると差別・偏見・汚名はちょっと変わったようですね。私は、少なくとも下関市が障碍者に少しでも過ごしやすい市になるように願っています。健全者、障碍者というカテゴリーでなく、人間として名を呼び合える対等な関係で仲良くやっていきましょう。

 普段の生活の中で、私は感情が高ぶらないように、どんな状況にあろうともゆったり・ゆっくり・のんびり、あせらず・がんばらず・むりしないでボチボチ生活しています。「何が起きても大丈夫。大丈夫。」と反芻しながら生きています。昔、標語で「狭い日本そんなに急いでどこに行く!」とありましたね。私は、出来ることは確実に諦めないで・ゆっくり続けていこうと思います。どんな人にも時間と言うものは対等に分け隔てなく、神様から与えられているのだから・・・・・・・・

【編集後期】

 私は、下関に住み始めてから、私の人生を石橋を叩いて渡ってきました。私の人生は私のもので誰のものでもありません。私は、自己決定・自己実現・自己責任を担って生きていきます。色んな人がいますので自立生活まで到達するのにかかる時間が違います。

しかし、私はこう言いたいです。あなたが決めて始めなければ、自立生活は始まらないです。うだうだと問題を考えても始まらない、自立生活を手に入れるには、あなたが自分自身で決めないと始まらないのです。自立生活を手に入れるには、病気と障碍に対処することが出来るようになると少し楽になります。私は私であなたはあなた、さあ皆さん、動き出しましょう!

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