私は、統合失調症に罹患して20年近く病気と障碍に流されていたというか、病気と障碍に振り回されていました。病気の症状・薬の副作用等はホントさっぱり分かりませんでした。周りの人達に過敏になって、一言ひとことでオロオロしていました。
幻聴と妄想が残存していることに気がついたのが、下関に来て援護寮で統合失調症の勉強を始めてからです。この幻聴というのが厄介です。私の嫌いな(気が合わない)人と同じ調子でそっくりな声でありました。最初、何が何だかさっぱり分かりませんでした。声の大きさは、そんなに大きくないので私は、ウォークマンを幻聴より少し大きい音にして聴いていました。
もう一つの残存症状は妄想です。今は、私はとりあえず頓服を服薬するか、これもウォークマンを使います。私は、仕事をしていますので、その日の調子で休むか、短縮就労などで対処します。CIL下関では、大変同僚に申し訳ないのですが、勤務時間中にウォークマンを聴いて仕事をしています。
幻聴と妄想はタイムラグがあります。これは、理屈どおりなのですが、幻聴で情報を仕入れて悪口を言われるように感じ、その後に被害妄想があります。これは、以前の主治医が幻聴と妄想はどちらが先に出現するか診察のとき尋ねられたので、今まで考えたことも無かったです。
さて、ここから本題に入りましょう。私は、統合失調症という敵の実態を知らないと、どのように対処すればいいのか分からないですので勉強しました。まず、統合失調症のこと(病気や障碍)、薬の副作用・病気の予後など様々なことを調べました。病気は不治の病かと思いましたが、私の勝手な思い込みでした。服薬と通院(精神療法)が第一選択治療ということが分かりました。統合失調症は病気の原因は、はっきりと突き止められていません。様々なことが複合して発病するのだろうと私は思います。病気自体が症候群なので一人ひとり症状が違うのでつかみどころの無い病気と思われます。薬が発見されて、まだ100年経っていません。手術の麻酔薬につかわれていたものが、術後の経過がいいので精神安定効果があるのではと、精神病に使われはじめていたようです。
私によく出ていた症状は、幻聴と妄想です。副作用は、眼球上転と手の震えです。また、私が下関に来た時、病気と障碍に対処して一般就労している人がいましたので、その人に様々なことを教えてもらいました。その人を観察していると穏やかで優しい人でした。イライラしているところを見たことがありませんでした。彼が言うには「SAM病気と闘っちゃ駄目だよ。」と教えてくれました。そのとき、彼の話した意味が分かりませんでした。4回目の入退院の後に「病気と闘っちゃいけない。」と言うことの意味が分かりました。
私は過去に発病も入れて4回入院しました。統合失調症という症候群は私の一生をかけた病気だと思います。闘えばエネルギーを使うし疲れます。ここ4年考えたことは、闘わないで向き合い、押されれば引き、引けばそれについて軽く押します。このようにして、向き合いをしているとエネルギーを使わず、自然体で病気と障碍に対処できるようです。私は、過去3回病気に闘いを挑んで負けて、入院となりました。前回、4回目の入院では減薬に挑戦して服薬が不規則となり、入院となりました。
この経験で、病気と闘うことに一生懸命になり、服薬を忘れてしまいました。思い出せば、私は病気と闘うと必ず負けてしまいます。
皆さん、病気と障碍に闘わないで向き合いましょう。柳の木のように押されれば引き、引けば押す、しなやかに対処しましょう。
私は、「メンタルにゅーすヒエダ」というニュース媒体で、皆様に精神病の病気と障碍について私が勉強したこと、考えていること・薬のこと・制度・対処法等様々なことを掲載しています。メンタルにゅーすも今回の発行で78号となりました。これからも続けてSAMこと私が編集して発行しますので、皆様宜しく御願いします。
一昨年(2009年)から、メンタルにゅーすをホームページにして、JIL(全国自立生活センター協議会)のメーリングに投稿しています。私自身、精神の当事者ですし、たまたま私は、文章をきちんと論理をたてて皆様に分かるように編集できています。まだ私には、メンタルにゅーすを続けていく気力があるようです。そして、私に嬉しいことは、継続的にメンタルにゅーすを読んで下さる方々がいることに感謝しています。私ごとき人間が、精神の当事者が何を言うかとお叱りを受けるかと思います。ただ私は、もっと精神の当事者・健全者に精神病について理解を図りたいだけなのですけどね・・・・
【編集後記】
私には、今何が出来るかとCIL下関に採用になって仕事を続けながら、様々なことを考えてきました。自分が精神病に罹患していることで、生活や仕事に障碍があります。私は、病気と障碍を持つことで、精神の当事者に共感することで相談業務などが少しずつ増えてきました。「病気と闘っちゃ駄目です。」と相談業務のクライアントに私は話しています。
しかし、自分のこととなると病気と闘ってしまいます。何はともあれ、物事には自然体で対処することを肝に銘じています。
上司の言動を観察していると、代表のK、事務局長のMにしても沈着冷静で、穏やかに・にこやかに事務所の皆に対応しています。私も彼らのような対応を目指しているのにできません。ジレンマに押しつぶされる気がします。人間関係が上手く構築できないです。とても寂しいし疎外感が心の中に生じます。空気を読んでタイミングよく話しの中に入っていければいいのですけど、大体がバッドタイミングですね。
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