メンタルにゅーすVol.82

 

メンタルにゅーすヒエダ

 

私の心掛け

2011年  Vol.82

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関 編集 SAM

Tel(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL  http://members.jcom.home.ne.jp/s-cil/

 今回は、病気と障碍に対して私がいつも心掛けていることをお話します。下関に住んで統合失調症の勉強を始めて、沢山の当事者に会えて私は幸せでした。こんなに仲間がいることは、私は考えもしませんでした。私の勉強したものを「援護寮ヒエダ新聞」として3年間編集して、その後、地域社会で一人暮らしを始めて「メンタルにゅーすヒエダ」へと移行して、現在も編集は続いています。何か私は自分の生をいき急いでいるのでしょうか?

もう10年近くニュースレターを編集し続けています。おかげで、文章が少し上手くなりました。ニュースレターを編集するのは大変ですが、何とか「メンタルにゅーすヒエダ」を続けています。私は、皆さんと「メンタルにゅーすヒエダ」を共有の財産として分かち合いたいです。皆さんが、病気と障害を持って迷ったときに参考にして下されば嬉しいです。

 私は、統合失調症を発病後退院した時、病院の診察の待ち時間・約束した時間に人と会うことに待たされたりするとイライラしていました。病状の増悪していたときは、ADL(日常生活動作)の入浴、髭剃り・服の着替えまた洗濯、掃除、調理、金銭管理、服薬管理等人が社会で生活するための生活技術がいっさい出来ませんでした。それから、生活は、昼夜逆転、薬は飲んだり飲まなかったり、薬を選んだり、とにかくいい加減でした。一時期、5年間家庭教師をしていたこともありましたが、それ以外の仕事は2,3日・1週間くらいしか続きませんでした。

2回目の退院から16年間は次第に服薬を守るようになってこの期間は大きく調子を崩さず入院しなかったです。今は、病気と障碍を抱えて29年近く経ちました。少しずつ私は、病気と障碍の付き合い方が分かってきました。様々なことの中で昼夜逆転を元に戻さないと生活技術の習得は実現しないと分かってきました。私にとっては、3回目の入院は4年間と長かったので精神をたたきなおされ性根が入りました。その後、下関で3年間社会と病院の中間施設援護寮ヒエダで、人間関係・生活技術などを訓練して、ゆっくり・確実に身に付けていきました。生活技術のうち、難しいと思った金銭管理、服薬管理、調理が早く身についたので良かったです。

 私は、3度目の入院から日記をとるようになりました。私にとって生活の見直しが出来るようになって良かったです。患者として仲間として皆によく可愛がられました。私は、この頃より主治医に薬のこと・病気のこと・制度のこととよく教えてもらいました。私はわずか15年くらいの間に様々なことを勉強しました。それは、看護師・主治医・施設職員・友人、沢山の人達のかかわりと共に私は少しずつ成長してきました。私は下関に来て心を入れ替えてわがままを言わず誠実で穏やかな生活・生活技術の訓練・集団生活・福祉的就労にいそしみました。この頃より、私に残存した病気や障碍に上手いこと対処ができないものかとよく考えるようになりました。何人か当事者に聞いたりして、自分に合う対処法を試しながら生活していました。私が素直に誠実に人と接していましたら、次第に仲間と上手く人間関係を築けるようになりました。

 私の心掛けていることを下記に示します。皆さんのお役に立てばと思います。

@    人と約束をしない。

人と約束するとそれが重みになって心がソワソワしますので、なるべく約束しないようにしています。

A    他人の非難をしない。

私は、他人の批判をすると次第に幻聴と妄想がひどくなります。

B    敵を作らない。

敵を作ると誰も信じることが出来なくなるので、嫌いな人でも良い所をみつけて褒め、穏やかな対応をします。

C    出来るだけ仲間を作る。

いろんな人達と顔見知りになり、彼らの病気と障碍の経験を聴けるようになりたい。

根掘り葉掘りでなくて、自然に傾聴してあげたいです。

D    人とは誠実に穏やかに接したい。

当事者は、色々な人と話したいから話しかけてくるので、自然に受け答えしたいです。

E    自分の知人の全てに八方美人的にならない。

おのずと自分には限界があります。

F    何か辛いことがあったら「大丈夫・大丈夫」と唱える。

  自然と「大丈夫・大丈夫」と唱えると不思議に心が落ち着きます。

以上のように7項目を何時も気を付けています。特別なことでなく大人の対人関係を上手くする不文律みたいなものです。

【編集後記】

 私は、暇なときにはボーっとしています。やたらとボーっとしています。家庭では連れ合いの話をよーく聴きいてあげます。連れ合いが幸せなら私も幸せです。彼女は優しい人です。それだから私も思いやりのある優しい人になりたいです。

 以前の独身の頃と較べると、私は優しくなりました。落ち着いています。職場の皆もそう思っています。私は、マイペースで黙々と仕事をしています。私は、何故、心の中が静かで超然とした生活をしているかが不思議です。私は、小さな頃、死ぬほど殴られたり蹴られたり父親から虐待を受けていました。何も悪いことをしていないのに暴力をふるわれていました。小さな頃、息が出来ないほど父親から殴られていたので私には良い思い出がありません。ですから、私は将来結婚したら、連れ合いとは仲良くお互いに思いやりのある生活をしていきたいと考えていました。人類の皆がお互いを思いやり優しくすることができ、健全者も障碍者もそういう言葉がない社会になればいいですね。障碍者の差別・偏見・汚名がない、完全な社会参加が出来る社会が実現すればいいですね。私はそう望みます。

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