メンタルにゅーすVol.95

 

メンタルにゅーすヒエダ

 

当事者の気持ち

 

2011年  Vol.95

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関 編集 SAM

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 私が、日頃、仕事や生活をしていて辛いのは、残存した症状の幻聴と妄想があることです。今は日中の覚醒時継続して入る悪口の幻聴、被害妄想などの偽りの現実があります。これは私にとっては、現実です。偽の情報が私の頭の中で作られます。私自身、幻聴の聞き分けや被害妄想などの妄想の認識もあります。それで、幻聴・妄想のことは、今の自分は理解できます。自分の頭の中で、幻聴・妄想である部分と、それらを認識理解している冷静な部分があります。対処は、安静にする・音楽をウォークマンで聴く・散歩する等します。頓服なども使いますが、それらには制限があります。あまり多用しないように気を付けています。幻聴と妄想があることに気付くのなら、それらを無視すればいいのではと健全者に言われたことがあります。残念ながら幻聴と妄想は完全には無視できないのです。簡単に幻聴・妄想を無視できたら本当にいいですね。今は、常に継続して幻聴・妄想の症状がありますが対処していますし頓服も使います。私の場合、対処して慣れるまで、5年くらい時間がかかりました。投げ出さず、統合失調症と向き合いました。

 幻聴と妄想のことで少し私の場合を観察してみました。幻聴で人の声だと、知らない人の声と知っている人の声、ラジオ・テレビの音、生活音・器械音等に分けることができます。知っている人の声は、私と馬の合わないその人の声そっくりに聴こえてきます。拡声器で大きな音・中くらいの音・小さな音・囁くような音等様々ですね。知らない人の声は、市役所・デパート・ジョイフル(ファミリーレストラン)・本屋等人の集まる場所であります。私は、なるべく人の集まる場所は、控えています。どうしても人の多い所に行かなければいけない場合、その用事だけ済ましたらすぐに外に出ます。それから、ラジオ・テレビから流れる音も幻聴がある場合、私は自分でスイッチを切ります。生活音・器械音等の音は低音だと男の人の声、高音だと女の人の声に聞こえます。当事者が幻聴のある場合、幻聴の原因となるものをすべて排除して、静かなところで落ち着かすことと、当事者にも音がない静かなところだと認識できる場所だと気付かせることができればしだいに落ち着いてきます。完全な無音室があれば、無音を当事者に体験してもらうといいですね。無音室でも音がします。耳の中の血流の音がシャーっと聴こえます。

 妄想は様々ありますが、私の場合、被害妄想があります。被害妄想とは「他人から害を加えられる、苦しめられるなど、被害をこうむると信じる妄想。統合失調症のほか多くの精神病に見られる。」と広辞苑に書いてありました。

妄想とは、現実離れした誤った内容でありながら訂正不能の確信に満ちた考えのことです。妄想のことを自分自身で冷静に「病気のせいで起こっているのだ」と判断できず、周りの人の説明を聞く余裕がない人が多いようです。

私は症状の重い急性期のとき幻聴と妄想があったことを寛解した今は、前後の状況を冷静に考えることができるようになりました。「幻聴・妄想だった。」と考えている今の自分の経験と、少なからず病識をもてるようになった今は、普段の生活の中で残存している症状の幻聴と妄想はありえないことで、「病気のせいで症状が起こっているのだ。」と受け止めることができるようになりました。私の場合、幻聴と妄想は何時もセットで発現します。幻聴と妄想はどちらが先だろうかと考えてみました。私の場合は、幻聴が先で、その後にタイムラグがあり妄想が発現します。私なりに勝手に考えますと、幻聴で情報を収集してその後に妄想が出てきます。幻聴と妄想を訂正はできませんが、幻聴だ、妄想だと私の頭の中で把握され理解していますが訂正は不可能です。ただ、幻聴と妄想に頭の中の何処かの部分を占拠されているので服薬、病気と障碍の症状に対処しないと私の苦痛は続きます。今は、服薬と病気・障碍に自分自身で対処しているので何とか社会生活をしております。私は病気の症状(幻聴・妄想)と副作用の症状のことを知っていますので、「あ、これは、病気の症状だ。」とか「今のは、副作用だ。」とか気付きます。

このように、自分の状態の異変に早く気付き対処をしています。このような感覚の異変は、私は早め早めに気付いています。なぜ、私が気付くのか分かりません。日記に記録すると習慣のようになりましたので、記録を後で読み返したり、検討したりします。私は、昨年から日記を執り始めました。私は、毎日をどんな風に過ごしているのか記録した方がいいだろうと思って日記を再開しました。何よりも症状日誌で毎日の私の状態を記録していますので状態の変化が分かります。H19年からしばらく、日記を執るのをやめていましたがH228月からまた始めました。私は、日記に何でも記録しています。起床時間・睡眠時間・体重・症状日誌等、殆ど箇条書きで長い文章ではありません。私の場合、日記を長く続ける秘訣は箇条書きで、長い文章にしないことです。日記を再開したのは、特に理由があるわけではありません。毎日の食事を3食何を食べているか、食事帳を作って記録を始めましたので、日記を執るのもたいして時間はかからないので再開しました。そして、もう1つ始めたことがあります。朝、1時間くらいウォーキングを始めました。何でも、いい習慣は続けていきたいですね。

【編集後記】

 メンタルにゅーすを始めて最近、文体が変わったねと読者のある人から感想をもらいました。多分、メンタルにゅーす23号から少しずつ変わってきました。以前のメンタルにゅーすの方がいいなとか、最近の方がいいとか、褒められたりけなされたりよく分かりません。そういわれれば確かに、文体が変わりましたね。以前は、医療関係の内容が多く、最近は当事者の気持ち・生活など気付いたことが多いですね。例えば、病気と障害を持って生活している中で、自分の考え・気持ちなど、メンタルにゅーすで取り上げることも多いですね。今後は、医療・保健・福祉・生活関係のことを均等に取り上げていきたいです。決して、私の個人的なブログをメンタルにゅーすで書いている訳ではありません。しかし、文体・取り上げている内容がブログ化しているといわれれば確かにそのような気がします。まあ、読者の皆さんが毎号、メンタルにゅーすに目を通してくださっていることが分かりました。いつもメンタルにゅーすを読んでくださり本当に有難うございます。

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