メンタルにゅーすVol.96

メンタルにゅーすヒエダ

統合失調症の有名人

2011年  Vol.96

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関 編集 SAM

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 私は、統合失調症が100人に1人が罹患する病気だと考えたときに、有名人でも統合失調症に罹患した人がいるのではないかと思いネットで検索してみました。今回は、皆さんが良く知っている偉人や現在活躍している芸術家等を紹介してみようと思います。

統合失調症の有名人はたくさんいます。

まず、『ひまわり』で誰もが知っています、フィンセント・ファン・ゴッホは、画調に、統合失調症の影響が見られるといわれています。

また、日本においても統合失調症の有名人として、才能を発揮している芸術家がいます。

長野県の松本市出身の彫刻家であり、画家であり、小説家である草間彌生(くさま・やよい)さんは、2006年に初の日本人女性として、日本美術協会主催である、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しました。しかし、その草間彌生さんは幼少期から、統合失調症でいながらも、絵を描き続けてきたのです。統合失調症の有名人である草間彌生さんの場合は、自分を襲ってくる幻覚や幻聴から逃れるために、その幻覚や幻聴を描きとめていたのです。彼女の作品、増殖する水玉と無限に広がる蜘蛛の巣は、草間さんの代名詞ともいえるモチーフを駆使していて、あらゆる作品を創作していますし、世界的な芸術家として現代アートの最前線で活躍しています。草間彌生さんは絵を描くことによって、長い年月をかけて統合失調症と闘ってきたようです。

統合失調症の有名人は、他には国語の教科書に必ず登場している、みなさんもご存知の2人の作家がいます。明治の文豪であります夏目漱石さん。天才といわれた芥川龍之介さんの二人です。彼ら二人は、言動や行動、そして残された作品などから統合失調症であっただろうといわれています。

また、統合失調症の有名人の夏目漱石さんは、うつ病や躁鬱病という説もあります。実際にはどの病気だったのかは、彼がいませんので、判定はできませんが、いくつかの事実を総合しますと、統合失調症の可能性が高いものとなっているのです。

まず、漱石氏には統合失調症の基本症状ともいわれます幻聴や被害妄想がありました。とても優秀な子供だったのですが、家庭には恵まれなく、中学時代においては不登校だった時期もありました。そして、大学入学後には、厭世的、悲観的な傾向が強くなっていきました。そして、漱石氏が統合失調症であったと考えられているのは、恋愛妄想がありまして、病院で出会った女性が自分との結婚を望んでいるといいますが、しかし、そのような事実はまったくなかったそうです。

また、漱石氏は留学したイギリスでは悲観的な気持ちに襲われたために、外出をせず引きこもっていたのです。統合失調症と躁鬱やうつ病は、類似の症状がありますが、併発する場合もありますので、夏目漱石さんの場合は、併発も考えられるようです。

芥川龍之介さんも、統合失調症の有名人と言われている作家です。芥川氏は、35歳という若さで、ぼんやりとした不安という言葉を残して、青酸カリによって服毒自殺をしてしまいました。芥川氏には統合失調症の、幻覚症、不眠症などの徴候が現れたのは、1926年頃のようです。また、『歯車』を読みますと、自分自身のドッペルゲンガー(自己像幻視)を見たのではないかと思わせます。また、偏頭痛といったストレスを抱えていたようです。

このように、個人の生涯を疾病、特に精神病理学的な観点から研究分析をすることを病跡学といいます。残された資料、作品、活動などから研究・推測するものです。病跡学といわれる学問なので確率的には高いですがいずれにしても、タイムマシンで現代に連れてこないとはっきりとしたことはわかりません。

    統合失調症.com より

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URL http://www.総合失調症.com/000196.html

【編集後記】

 統合失調症は、精神病の中で躁うつ病、と並んで二大精神病として罹患することが多いです。日本では統合失調症には130150万人くらい罹患しているようです。どこの国でも、人口の1パーセントくらいが罹患するようです。この病気は、一般人だけに罹患する病気ではなく、有名人や偉人にも無作為に罹患するようです。そういえば、私が高校で同級生だった友達も統合失調症に罹患していました。私もそうですが世の中狭いなと思いました。今回のメンタルにゅーすでは、統合失調症は万民にありふれた病気であることと、有名人・偉人がこの病気に罹患する事を排除されているわけではないという事を皆さんに考えて欲しいです。統合失調症に罹患した人がこの病気に苦しみました。ただ、病気と障碍に対処して生活している人もいました。また、妄想・幻覚を糧にして生きている人もいました。私は、統合失調症を罹患してから、病気と障碍を勉強して、あるいは自分を冷静に観察して考えたことをメンタルにゅーすで皆さんと共有して、何らかの形で参考にしていただければと思います。そのために、ホームページを作りました。

病跡学:pathographie(パトグラフィー)

個人の生涯を疾病、特に精神病理学的な視点から研究分析し、その活動における疾病の意義を明らかにしようとする学問。芸術家・文学者・学者・政治家など傑出した人物を対象とすることが多い。

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