メンタルにゅーすVol.97

メンタルにゅーすヒエダ

 

信念は岩をも穿つ

 

2011年  Vol.97

CIL(自立生活センター)下関発行

ピア・ハート下関 編集 SAM

Tel(083)-263-2687

FAX(083)-263-2688

E-mail  s-cil@feel.ocn.ne.jp

URL    http://members.jcom.home.ne.jp/s-cil/

 メンタルにゅーすを編集して8年が過ぎ去ろうとしています。私は、CIL(自立生活センター)下関の精神当事者職員として働いています。私は、上司のKのように全国所狭しと出張ができるほどの精神・身体の強さはありません。私が出張のときは、2ヶ月くらい前から、精神・身体の調子を合わせております。今日出張の指示を出したので、明日から出張とは上手くいきません。精神的にも身体的にも調子を整えて出張します。なかなか面倒な病気に罹患してしまいました。前振りはこんな所までにして、本題に入ります。

私は、病気と障碍が重度です。人の多い街には公共交通機関を使って行っても、研修先で知らない人に会うと、決まって幻聴と妄想が私に襲い掛かってきます。この試練のために、私には、ウォークマンが手放せません。出張先では、CIL関係の人との研修であれば、皆さんがかなり気を使ってくれますので私は何とか研修を全うしています。

私は少しずつゆっくりと日々の仕事をこなしています。CIL下関に勤務して9年が経過しました。仕事関係で何処に行っても私の顔と名前が覚えてもらうのに5年くらいかかりました。私は病気と障碍のせいでなかなか人の多いところに行くのは難しいです。「メンタルにゅーす」を配って歩くと、皆さんに声をかけてもらえるのがとても嬉しく思います。

声掛け何時も有難うございます。私もそうですが気がつけば何時も周りに声掛けをしています。

メンタルにゅーすVol.97は「信念は岩をも穿つ」のタイトルですがそんなに堅い話ではありません。わたしは、普段の仕事が職人的に一人でできる仕事が多く、なかなか職場では上司・同僚と話す機会がありません。朝の挨拶、仕事が終わって「お先に失礼します。」や「お疲れ様。」くらいしか話す機会がないので意識的に気をつけています。私がどういう人間か、長く付き合えば分かると思います。無愛想で怖い・無口で静かな人だと職場の皆は考えているようです。私はCIL下関で同僚と仕事をしていると皆が、気がつけば私に声かけをしてくれます。また、私の誕生日まで覚えていてくれる人がいて嬉しいです。

私がCIL下関で決心したことは、始めたことは続けることです。仕事はゆっくりと確実に成果をだす。妥協は許さない。私のセンスで納得する形にします。私の後に続く人が私の仕事を分かるように常に分かりやすくまとめる等心掛けています。私に任せられた仕事は、確実に・ポイントを押さえ・正確に・分かりやすく・ボチボチと・期限までにまとめることを信条にしています。目的・手段・結果・結論を絶えず心の中に置き、レポートを仕上げるように自分の言葉で文章をまとめるようにしています。いい言葉の使い方は、自分の業務日報に記録して、言葉の言い回し方をパクッテいます。それは、本の中でのこと・人と仕事で話していること様々ですが勉強になります。私自身の文章は、言葉に特徴があるのか、誰が見ても私の言い回しと気付く人も職場にいます。私は私なりに私流のやり方で仕事の段取りや準備等をやっています。誰がやってもこなせる仕事ですが、私流のやり方や配慮があります。それを続けて、私流の信念が私の仕事の中に一本はっきりとした道筋を残せればいいなと思います。事務所の上司や同僚たちには、何時も声掛けをしてくれる人がいるので落ち着いて仕事ができます。調子が悪くなるとウォークマンを聞いて仕事をしています。今は、仕事中にウォークマンを聞いていても同僚には奇妙には見えません。ウォークマンをしていると、SAMは幻聴と妄想が激しいのだなと理解してくれています。

時々、外部の人が事務所に来訪してくる人達がおられますが、その人達にはどのように映っているのでしょう。そこまで、他人の気持ちを気にしていたら仕事になりません。あまり気にしないようにしています。私はどこに行っても、精神の当事者職員のSAM(実名)で上司が紹介してくれますので、私は気にしないで実名で対応します。今まで特に実名を仕事で使うのに実害はないのでそのようにしています。ただ、それは仕事上のことで不特定多数の人達が閲覧するホームページではまた違います。ホームページに実名を出してまで管理するのは私自身ちょっとまだ、気が引けます。もうしばらくお待ち下さい。そんな日が来れば、障碍者の差別・偏見・汚名のない社会が実現されればの話ですがね・・・・・・・。まだ少し私自身、腹が座っていませんね。何せ弱虫のおっさんですので、ご勘弁下さい。私は、現在、52歳ですが私の生きている間に障碍者の完全な社会参画・社会参加が実現できるとは思えませんので、私の実名はカミングアウトできませんね。私的には、下関では当事者として実名で仕事をしています。なんら実害はありません。名前の実名云々は、私の実名はみんな知っております。今のところ、特に実害はありません。

最後に、今回のタイトル「信念は岩をも穿つ」としましたが、そんなに堅い意味はありません。小さな運動を山口県の下関市で、ニュースレターの発信をして繋げていこうという思いがあります。私の経験やその工夫により、同じ障碍の仲間が病気と障碍を持って生きていく選択肢のひとつとなり、当事者のお役にたてばと思います。

 

【編集後記】

 私は、統合失調症(精神分裂病)を発病したとき否定的な表現で自暴自棄になっていたときがありました。病気のために一生病院暮らしで、退院はできない、結婚できない、仕事もできない、将来に期待できないことがたくさん私の頭の中に被害妄想のように次々に思いが蘇りました。29年経った今、なんだそれ程私の人生も捨てたものではないと思いました。福祉の仕事をしているし、障碍者運動も「メンタルにゅーすヒエダ」で僅かながらしています。今2週間ごとにメンタルにゅーすを発行していますのでこれにより当事者も2週間おきに安心して生活ができているだろうし、振り返りができているだろうと思います。メンタルにゅーすが皆さんの生活の中に染みとおっていますように、2週間おきに私の元気を送ります。あなたも私も皆仲間(ピア:peer)ですから・・・・・・・。仲間同士でお互いにエンパワメントして、ピア・サポートしてボチボチやっていきましょう。

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