ここでは、家族が精神病を発病したら、やっておくことをまとめます。
1.
精神保健福祉手帳の申請
初診6ヶ月目から手続きできます。保健所や精神科病院の精神保健福祉士(PSW)に尋ねて下さい。PSWに尋ねれば必要書類と記入の仕方等教えてくれます。
2.
自立支援医療
発病してすぐに手続きできます。医療費が1割負担となります。
3.
当事者に面会に行く人達の対応の仕方を決めておく。
、看護師の対応は良いとして、家族(両親・兄弟・姉妹)・親戚・友人等の対応の仕方を予め話し合って決めておくことが望ましいです。各人の病気に対する考え方が違うと、当事者は迷ってしまいます。ですから、当事者が病名を聞くことがありますが、当事者の状態によっては伝えない方がいいので、病名の告知は主治医から伝えてもらうようにしてください。
4.
家族へのSAMからの御願い
・ 時間を作って週に1度面会に来てください。毎日とは言いませんが、当事者は精神病
で入院することで不安になっています。私(SAM)自身、家族の面会は嬉しかったですし楽しみにしておりました。
・ 両親は、当事者だけでなく、兄弟姉妹にも気を遣ってください。また、両親は自分たち自身のストレス発散することも考えてください。家族は自分たちの時間も大切にしてください。
・ 退院をせがむと思いますので、病気が落ち着くまでとか、担当の主治医が退院していいというまでと話して下さい。病気が落ち着いてくると反対に病気が良くなるまでと本人も病気に対することを真剣に考え始めます。
・ 2,3回入退院を繰り返したら、病識を持てるようにどのようなとき調子が悪くなるか話し合ってみてください。
・ 服薬、通院は大切です。長期間、服薬が必要です。
・ 通院・服薬を守っていても、年に2から3回調子の悪い時期がありますので注意してください。
・ 病気とは、長い共存状態が続きます。障碍も残るかもしれません。病気と障碍に対処できるように本人の仲間、医療スタッフ等に聞いたり、自分自身で工夫する事を勧めてください。
・ また、精神病を患っても仕事をしていたり、障碍者運動をしていたり、社会の中で病気や障碍と向かい合っている人はたくさんいます。闘病体験を本にしている人もいます。
・ 自暴自棄にならないで下さい。通院と服薬を守ってください。服薬は、再発の防止と状態の安定に効果があります。
・ 薬の用量・用法を守ってください。病気と障碍にベストマッチするように主治医が薬を調整しています。
・ 規則正しい生活をして下さい。
・ 自助会を探して、当事者同士の交流を持ちましょう。病気と障害を持っても社会の中で生活している人がいます。また、自助会で自分の目指すお手本の先輩当事者がいるかもしれません。
5.
障害年金の請求
初診後1年6ヶ月経った日の障害認定日に障害の状態が年金に該当する場合、障碍年金の手続きをしましょう。以上を本来請求といいます。厚生年金・共済年金・国民年金をきちんと納めていれば障害年金の給付がされます。それぞれの年金から派生して、障害厚生年金、障害共済年金、障害基礎年金といい、障害年金という独立した年金システムではありません。また、請求には、障害認定日から1年以上経ってから請求する遡及請求(請求したときから5年前まで請求できます。)がありますので、本来請求とダブルで請求しましょう。
【編集後記】
私は今だったら、精神科病院に入院したら、やらなければいけない制度、手続きが準備等様々なことが空で言うことができますが、何も知らなければ、当事者も家族も辛い毎日を送ることになります。ただ、私どものCIL下関や、病院、保健所などに相談するために足を向けてくださらないと何ともなりません。病院や保健所では福祉と医療の専門家の精神保健福祉士(PSW)がいますので、相談してみてください。私は、自分で統合失調症のことを勉強して、知らないことは罪深いことだと思いました。知っていれば、統合失調症も仕事・生活に気を付ければ、何とか病気と障碍に対処しながら、自分の人生のQOLをあげて過ごしていけます。私の約30年前は、病気と障碍のことは、さっぱり分かりませんでした。そしてその当時、当事者が病気と障碍のことを知ることは、当事者の状態が悪くなると考えて詳しく教えてくれませんでした。家族には、主治医が具体的に何か説明してくれたのか、退院後聞いてみましたが説明はなかったのか、説明をしたことを理解できなかったのか、今となってはベールの中でのことで分からないです。
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